えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

平成26年6月議会質問内容

 今回の質問は、誰もが住みたくなる魅力的なまちづくりとはどのようなものかを念頭に置きながら質問いたします。
 舟石川近隣公園脇のモミジの大木2本を先日見てきました。この木について、村の自然文化的財産になるほどの大きなモミジなので保存すべきであると5年前の議会で取り上げ、その後、伐採という計画から数メートル移動することに見直されました。丁寧な作業のおかげで2本ともしっかりと根づいたようです。今年の秋には村の一角を赤く彩ることでしょう。いい仕事をしていただいたと思います。
 では、質問に入ります。
 1問目は、景観から考えるまちづくりです。
 TOKAI原子力サイエンスタウン構想が平成24年に策定されました。今回の質問の趣旨である町並みや景観づくりがTOKAI原子力サイエンスタウン構想の具現化に直接結びつくものではないと思われます。しかし、東海村らしさを生かして21世紀型の新たなCOEとなるには、それにふさわしいまちのイメージがあると私は考えます。
 1回目の質問は、景観づくりにおける具体的なイメージがあるのか伺います。
 また、東海村の現在進めている市街地の景観づくりにおいて問題となっていること、今後考えられることなど、どんなことがあるか伺います。
 以上2点、1回目の質問といたします。
  • 建設農政部長
     お答えをいたします。
     市街地の景観づくりについてのご質問でございますが、市街化区域での有効な土地利用と魅力的な都市空間を確保することが必要でございます。そこで、4地区の土地区画整理地内で地区計画を指定し、建物等の用途、敷地面積、形態、意匠など制限を行い、良好な町並みを誘導しております。その中で駐車場への高木の植栽や防災面からの生け垣設置を協力要請し、生け垣設置につきましては助成を行うなど緑化を推進しております。また、道路におきましても街路樹を設置し、潤いの空間を創出しております。
     続きまして、問題点でございますが、問題としては、街路樹が大きくなることによって信号や標識が大変見づらくなっている。そういうことから自転車及び歩行者の通行の妨げになるなど、安全面を確保するために適切な管理を行っていく必要があると考えております。
     以上でございます。
 駅周辺4地区の地区計画があり、それに沿って景観づくりを進めていることを私も今回の質問で思い出し、改めて内容を確認しました。一部読み上げますと、東海村の新しい顔づくりの一環として、駅西大通りにもこの考えを踏襲して緑を豊富に配置し、ゆとりと魅力ある歩行者空間を創出するシンボリックな道路として整備する、また舟石川公園線、烏内線は公園と一体となった緑豊かな空間づくりと、安全で快適な歩行者空間を創出するとあります。
 また、第5次総合計画もめくってみましたが、コミセン単位6つの地区別計画を見ますと、どの地区にも自然、緑、環境、の大切さが、文言は違いがありますが、記してあります。そして、現に地域やボランティアが環境の保全、景観の向上に取り組んでいること、村が緑地保全のために幾つかの施策を実行していることを承知しています。
 計画の上では緑豊かな空間づくりを掲げていますが、現実には落ち葉の苦情等が寄せられていると伺いました。なぜ苦情が出るのでしょう。落ち葉の問題は、確かに晩秋になるとその影響を受ける方には悩みの種かもしれません。しかし、芽吹きから新緑、花の美しさ、木陰の心地よさと、季節が移り変わるうちの落ち葉の季節はいっときです。私は苦情を無視していいと言っているわけではありません。言いたいことは、落ち葉の苦情が多いから街路樹は植えないというマイナス思考よりも、刈り込みなどの適切な管理の上で地域の理解と協力を得ることができないものかということです。計画と現実ですね。管理とか苦情が寄せられるとか、そういう現実のはざまで悩まれることと察します。ほかの自治体の例なども参考にして、コンクリートとアスファルトだけの道路、灰色のまちにならない工夫をしていただけたらと考えます。
 再質問は、舟石川近隣公園西側の村道2574号線には、ゆったりとしたサイズの植樹ますが設けられています。植栽が進めば公園と一体となった、東海村で一番美しい通りになると考えます。また、駅西大通りについて、計画では東海村の新たな顔づくりとありますが、このあたりについて今後どのように整備していく計画なのか伺います。
  • 建設農政部長
     お答えをいたします。
     村道2574号線の舟石川公園線は両側に歩道があり、近隣公園脇の歩道は5.5メーターと幅員も広く、その中に幅1.5メーター、長さで最小3メーターから最大で22メーターの植樹帯が17カ所設置されております。村では維持管理として、毎年2回の除草を実施しているところでございます。
     植樹帯の植栽につきましては、現在地域と協議を進めているところでございまして、草が生えないようなシートをかぶせて花木を試験的に植栽をしてはどうか、また地被類の植栽や、この地被類というのはご承知だと思いますが、芝とかササ、皆さんがご承知なのは多分リュウノヒゲなどをイメージしていただければ結構なのかなというふうに思います。この植栽や植樹帯の数を減らしてはどうかなど維持管理のかからない手法を検討し、協議をしているところでございます。
     なお、車道の路側帯が50センチということでございますので、植樹ますに高木を植栽しますと車道側に枝がはみ出し、車の通行に支障がありますので、安全面から植栽を地域とともに現在考えております。
     また、駅西大通りの歩道は、東海駅に向かう歩行者や自転車が多く利用されております。車道は片側2車線で、同じく路側帯は50センチしかございません。そこで自転車は危険なため、歩道を通行しているのが現状でございます。地域からは歩道に植栽があると幅員が狭く、歩行者が危険であることから、撤去してほしいとのお話がございました。そこで、地域と協議を重ねました結果、撤去して歩道を広くすることといたしました。
     以上でございます。
 いろいろな要望、苦情に真摯に向き合ってこられたから植樹ますをふさいでしまおうと、そういうお考えになったのかと思います。ただ、どれだけの歩行者がそこを通っているかなというふうにも、駅西大通りについては朝通勤時には結構通られるのかもしれませんけれども、その辺、実際閉めるのがいいのかどうか考える必要があるかなと思います。
 草取りも要らず、面倒でない、そういう考え方もあるでしょう。しかし、道路建設時につくった植樹ますを何年もそのままにしておいて、あの一体がようやくすっきりと整備された今になって、コンクリートでふさいでしまうということですが、その計画性のなさは反省すべき点ではないかと思います。
 管理費がかかる、管理を村だけではできないと言って安易にふさごうとせず、その前にもっと知恵を出し合うべきです。例えば植樹ますの里親制度の検討、もしくは企業等も含めた管理者募集、これはスタジアムとかホールの冠にその企業の名前をつけるような感じで、コマーシャルを兼ねて、例えば里親になってもらった企業は小さな看板を建ててもいいですよとか、そういうどちらにもいい感じ、ウイン・ウインになればいいかと考えます。
 私は、住民要望をそのまま聞くばかりがまちづくりではないと思います。行政マンはまちづくりのプロとして、中長期にわたる計画、例えば多くの市民がかかわってできた5次総ですね、そういう計画のもと目指す方向を示し、コンセンサスを得る努力をしていく。そして環境を整えていく。ここに我々議員も大いにかかわる必要があることは言うまでもありません。それでも計画と現状にギャップが出たときに見直しとなるのではないかと考えます。
 質問は、植樹ますの里親制度の導入についてどのようにお考えか伺います。
  • 建設農政部長
     お答えをいたします。
     植樹ますの管理につきましては、各地区でボランティア団体が主体となって実施をいただいておりますので、まずは地域自治会との協議を優先にお願いしたいと考えております。それでも管理が難しい場合は、今ご提案をいただいた近隣の方や事業所等に地域貢献の一環として里親制度の導入も含めて、よりよい方策を検討してまいりたいというふうに考えております。
     以上でございます。
 質問の前に一言述べさせていただきます。
 何も植えていない植樹ますは、かえって危険です。長い間、植栽のない植樹ますであったので、地域の要望がそのような形になったのかとも考えます。地域と協議をされたということですから、決定を覆すのは難しいでしょう。植樹ますを塞ぐことは予算をつければいつでもできます。もう少し検討いただけたらと思います。
 そして、街路樹のある例えば筑波学園都市のような街を見れば、ほとんどの方は緑豊かな潤いのある街と思われるのではないでしょうか。つくば市は計画的に開発されたところなので、そのまま東海村がまねすることはできませんが、水戸市はガーデンシティーと呼ばれているそうです。東海村もガーデンシティー東海を目指せば、初めに申し上げました原子力サイエンスタウンにふさわしいまちのイメージに近づくのではないか、そして3月議会で答弁をいただいた環境モデル都市を目指すにふさわしい取り組みになると考えます。
 次の質問に移ります。
 次は、2問目は、ゆるキャラ、イモゾーファミリーを生かしたまちおこしについて質問いたします。
 昨日、町内を歩いたら、イモゾーファミリーがこれまでになく目につきました。今回の質問の陰が薄くなった気もしますが、せっかく取り上げましたので、これからのイモゾーファミリーの活躍を後押しする思いを込めて、明るく元気に質問したいと思います。
 東海村は原子力発祥の地という矜持がありながらも、原子力はよくわからない、難しい、原子力サイエンスタウン構想って何と言う住民も少なからずいます。そして、福島第一原発事故後は、怖いと言ったマイナスのイメージに加え、住民の間に原発再稼働について賛成、反対、どちらとも言いにくいなど微妙な空気があります。
 このような状況ではありますが、観光協会はいろいろな仕掛けをして頑張ろうとしています。一例がこういう本をつくったり、あとストラップをつくったりとか、いろいろされております。その一つにイモゾーファミリーがありますが、これは「イモゾーファミリー芋づる式に大集合!」ということで誕生しました。
 この家族ですが、2012年12月から数カ月間の募集期間を経て、全国から625点もの応募があったようです。昨年その中からイモゾーといもジィの新たな家族が選ばれました。私も5人分のキャラクターを応募しました。自分ではいいできと思って頑張って出したのですが、惜しいことに選ばれませんでした。このイモゾーファミリーを積極的に生かしていくことで村の明るい話題提供ができると考えますが、いまだに認知度や露出度は低いのではないかと感じています。
 調べてみますと、日本中に1,500を超えるゆるキャラがいて、ゆるキャラグランプリという人気度を競うコンテストがあるようです。有名なところで2011年熊本県のくまモン、2112年愛媛県のバリィさん、2013年、お隣栃木県のさのまるとなっています。どのキャラクターも1人単体です。複数のキャラクターだったのは17位、宮崎県のみやざき犬の3匹、3体が上位で、55位に4体、62位に2体、81位にムジナもんと仲間たちが7体となっています。
 それらを調べて思うのですが、観光協会がイモゾーを大家族としたこの企画はすばらしいアイデアであります。3世代である、お芋と干し芋の地場産業、そして、いもジィと干しバアは国際結婚など、アピールする点はいっぱいあります。グランプリ入選も夢ではないと手前みそ的ではありますが、希望はあります。
 このすばらしいイモゾーファミリーをそれぞれの個性に合ったいろいろな場面で登場させると、東海村を楽しく村内外にアピールできると考えますが、いかがでしょうか。
  • 副村長
     イモゾーファミリーを生かしたまちおこしについてお答えいたします。
     本年4月の組織改編によりまして、村長公室を設けました。その中にまちづくり推進課を設置しておりますが、まちづくり推進課では商工観光、それから企業立地担当、これらが観光協会事務局を担っておりまして、昨年のI~MOの祭りにおいて発表されましたキャラクターであるイモゾーファミリー、これにつきまして実質的にこの担当が管理しております。
     昨年度末、チラシを作成してイモゾーファミリーの誕生を広く周知しており、村内外のイベント等における配布、JR東海駅や偕楽園、茨城空港などへのチラシの設置も行っております。
     また、東海高校の生徒の皆さんにも本村を知って感じていただくため、イモゾーファミリーのチラシのほか、観光マップの配布を行ったところでございます。さらに、イベントが開催される際にはイモゾーファミリーのキャラクターキーホルダーを製作、販売するなど、知名度アップのための取り組みを展開しております。
     イモゾーファミリーキャラクターの利活用につきましては、まちづくり推進課に情報発信担当が配置されております。これを踏まえまして、今年度からさらに積極的に取り組んでいくこととしております。具体的には広報「とうかい」への紙面への登場、それからフェイスブックでの活用、また今年7月頃予定しております村の公式ホームページのリニューアル、こちらに合わせまして、トップページや専用ページへの登場を予定しております。
     しかしながら、ご指摘のとおり、まだまだ認知度が低いものと考えておりまして、今後さらなるPRに取り組む必要があるものと考えておりますので、観光協会と連携しながらPR方法などを検討してまいる所存でございます。
     以上でございます。
 私は昨日気づいたのですけれども、本当にイモゾーファミリーの7人そろったプリントされたものが庁内にたくさん張ってあって、ああ、こういうアピールを今され始めたのだなと感じました。村民に愛されること、村民の間に浸透し、親近感を持ってもらうことがまずは大切と考えます。
 私個人としては愛着が湧いていますが、知人の中には余りかわいくないと辛口の人もいます。それでも何度も見ていれば次第に愛着とか煩悩とか、そういうものが湧いてくる、もしくは植えつけられるものです。そのためには、いろいろな場面、例えば駅にイモゾーファミリーの看板を置き、歓迎ムードをつくる、防犯の呼びかけ看板や公園表示などもに登場させる、人目のつくようにすることです。水戸では、みとちゃんをマンホールのふたにも登場させると聞いております。
 そこで、ちょっと自分でバッグをつくってみたのですが、前に村長にもちらっとお話ししていますけれども、こういう紙袋ですね。こういうものを例えば「にじのなか」で干し芋のパック詰めを買ったりしたときに、ほかの紙袋で差し上げるより、どなたかにお土産にするよりも、こういうものに入れて手土産にする。あとは地元のお菓子を手土産にするときの入れ物など、こういうのがあればいいのかなと思います。もっとも、そのデザインはもっと洗練されたものにして持っていれば、電車の中などでも目立ちます。
 とはいえ、費用対効果を考えなければなりませんが、取り組み方で可能性はいっぱいです。経費をかけなくても、先ほども副村長のほうの答弁にもありましたが、広報紙にもっと登場させる、フェイスブックとかホームページ、そういうところに登場させることで村民の目とか村外の方の目にも頻繁に焼きつけるということが愛される一歩かなと思います。地域の企業とタイアップするなど、全庁全村でイモゾーファミリーを活用する取り組みが東海村の元気につながると考えています。
 この質問をするに当たり、耳にしたことですが、イモゾーファミリーのポロシャツをつくるお話が進んでいるようですね。これからの季節、クールビズにぴったりの企画と考えます。例えば9月議会のときにイモゾーファミリーのポロシャツで議会に臨むとしたら、話題性もあり、テレビ局や新聞社など取り上げてくれるのではないでしょうか。かなりの露出度で東海村をアピールできると考えます。これについては議会運営委員会や議長が決めることでしょうから、ポロシャツができ上がりましたらアイデアとして提案したいと思います。想像の翼を広げるとまだありますが、質問がそれますので、これくらいにします。
 そこで、再質問は今後の取り組みについて伺います。今イモゾーといもジィ2体のぬいぐるみしかありませんが、今後、着ぐるみの数を増やす計画はないのか、どのようにお考えでしょうか。
  • 副村長
     お答えいたします。
     議員がおっしゃるとおり、せっかくイモゾーにも家族が増えましたので、広くPRしてまいりたいと考えております。
     着ぐるみについてですが、現在観光協会においてイモゾーといもジィの2体を保管、管理しております。イベントなどでも今活躍をしているところでございます。実情をお伝えいたしますと、この着ぐるみにつきましては観光協会の会員と事務局員、これらが交代で着用しイベントなどに参加している状況にあります。今後、他の着ぐるみを製作することとなるようであれば、多くの会員の参加を求め、またボランティアの協力をいただけるような体制、そういったものをつくり上げまして、その活用方法について助言を行うなど観光協会の活動を支援していきたいというふうに考えております。
     以上でございます。
 もしも7体できたときに、本当に中に入る方を考えると大変なことだと思います。場面場面で、ここには干しバアがいいとか、ここにはいもジィがいいとか、そういう使い方も今後できるのかなと。大きなイベントのときには、もしも7体できた暁には7体そろうというのは、かなりのインパクトがあると思いますので、いろいろな運用を考えていただきたいと思います。
 ゆるキャラを村民みんなで応援するという、こういう緩い話題が東海村の元気につながればとの思いで質問させていただきました。
 3問目に入ります。
 3問目です。原子力発電問題についてお尋ねいたします。
 関西電力大飯原発3、4号機差しとめ請求に対する福井地裁の判決は、福島第一原発事故で今なお避難されている13万人を含め、将来への影響を心配している人、再稼働に疑問を持っている、あるいは反対している人々の心の痛みに寄り添った判決であると私は感じました。
 関西電力は控訴していますので確定したわけではありませんが、今回の判決内容は国民にも大きなインパクトを持って受けとめられていると思います。特に「人格権は憲法上の権利であり、人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においては、これを超える価値をほかに見出すことはできない」と格調高く論じられている点、そして原子力発電所の稼働は、法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものであるとした点、そして原子力発電所に内在する本質的な危険などです。
 これまで自分自身、再稼働是非の判断の基準をどこに置いてよいのか迷う部分もありましたが、判決要旨の丁寧な理由説明により、一つ一つ解決され、私の中の基準がしっかりとしました。また、勉強にもなりました。東海村内では、これまでいろいろな業種が日本原電の稼働によってその恩恵を受けてきたところであり、直面する経済活動への影響と再稼働を同じステージで考える傾向があります。しかし、そこはやはり別次元で論ずるべきものであり、原発の再稼働については以前の議会でも申し上げましたが、トランスサイエンスの考え方を用いるべきと考えます。
 福井県大飯原発に関しての判決でありますが、その内容はどの原発にも通じる基本的な考え方を示しているものです。山田村長の見解を伺います。
  • 村長
     お答えいたします。
     関西電力の大飯原子力発電所の福井地方裁判所における判決につきましては、私も新聞報道等で承知しております。その後、控訴もされておるという状況の中で、私はこの議会という公の場で意見を述べるというのは、申しわけありませんが、差し控えさせていただきたいと思います。
     ただ、感想としましては、福島原発事故後という中で出された判決なのかなというふうに思っていますので、これも一つの司法の判断ですので、今後の行方に注視していきたいと、そのように思っています。
     以上です。
 今の山田村長のお立場だと、それとまだ確定していないという部分でコメントは差し控えられるというところ、ちょっと聞きたかったところあるのですが、お立場上仕方ないのかなと思います、こういうまだ確定していないという部分で。ただ、この判決はやはりしっかりと受けとめて、今後の判断のところにしっかり受けとめていただきたいと思います。
 この判決の後半、被告のその余の主張についての判決文で、「原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根をおろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」とあります。私もここはそのように思います。福島で立ち入ることができなくなった、帰ることができなくなったところがありますけれども、それは本当に国というか、国土を今失っている状況ではないかなと考えます。
 ちなみに、現在の貿易赤字の原因は為替の変動の影響のほうがずっと大きいことは、2010年比の燃料費の増加と貿易赤字の推移を見れば明らかです。国策に反するこの種の判決をされた裁判官が、その後どのような待遇を受けてきたかというこれまでの事例があるにもかかわらず、この判決に携わった3人の裁判官、裁判長、樋口英明さん、裁判官、石田明彦さん、そしてもう一人、裁判官、三宅由子さん、この3人の裁判官の方々は難しい判断を避けることなく、その良心に従いながら覚悟を持ってこの判決要旨をまとめられたことに私は深く頭が下がります。そして、勇気をいただきました。今後、高裁、そしてほかの原発再稼働差しとめ裁判において、どのような判決が出るのか、この高邁な判決文をどのように評価するのか、今後もしっかり見ていきたいと思います。
 再質問は、東海第二原発再稼働問題に対応するために所在地域首長懇談会と県中央地域首長懇話会、そしてようやく進められている安全協定の見直しの関係はどのようになっているのか伺います。午前中の相沢議員とかぶる分もありますけれども、簡単にお答えいただけたらと思います。
  • 村民生活部長
     お答えいたします。
     午前中もお答えいたしましたけれども、これまで原子力所在地域首長懇談会と県央地域首長懇話会、それぞれで日本原子力発電と安全協定の見直しについて打ち合わせを行ってまいりましたが、原子力所在地域首長懇談会は東海村、それから県央地域首長懇話会は水戸市が座長となりまして、東海村、水戸市、那珂市、ひたちなか市のこの4市村についてはどちらの組織にも入っております。今年3月に覚書を締結した時期から、この2つの組織の11市町村が合同で対応してまいりました。先月5月30日の会議の際に、関係自治体とは今後とも11市町村の枠組みで取り組んでいくことが必要ということで一致したところでございます。
     今後の取り組みといたしましては、これまでに日本原電に対して要求している安全協定の自治体の枠組み拡大が重要なものとなってくると考えております。
     以上でございます。
 次の質問も相沢議員と重なるところがありますけれども、質問させていただきます。
 避難計画についてです。しっかりとした安全な避難計画ができるまでは再稼働はあり得ないわけですが、PAZ圏内にある東海村ですが、具体的にはどのように避難しようとしているのか、現在お考えのところを伺います。
  • 村民生活部長
     避難計画についてでございますけれども、午前中にやはりお答えしたところなんですけれども、PAZ圏内の避難につきましては、予防的防護措置の考え方に基づきまして、放射性物質の放出につながるような事象が発生した時点で段階的に実施することになります。具体的には震度6弱以上の地震が発生した段階で警戒事態となり、災害時の要支援者が避難の準備をするということになります。さらに、原子炉冷却剤の漏えいや原子力発電所において全交流電源喪失が5分以上継続したような場合に、まず要支援者が避難し、同時に要支援者以外の一般の住民の避難準備が開始されると、そういう順序となっております。
     なお、PAZ圏内につきましては、どのような順番でといいますか、発電所からの距離とか、そういったことで段階的な避難を行う、そういう考えは現在のところございません。
     以上でございます。
 重ねて質問お答えありがとうございます。
 この質問に取り組むに当たり、私は個人的に福祉施設の方数人から直接お話を伺いました。ある方は、入所されている方々の体調、あとはデリケートな性格を考えると避難はとても不安がある、そして経営者の方は、若い職員の将来を考えると被ばくはさせられない、心が痛むと言われました。また、大勢の入所者さんを一体どこで引き受けてくれるのでしょうかという不安の声、命を危険にさらす避難はしない、できない、入所者の方々と一緒に自分はここに残る覚悟を決めていると言われる責任者の方もおいででした。
 そういうお話を伺っている脇に、ストレッチャーで入所された方がいらっしゃいました。そのときに、やはり避難計画とても大変だと、特に要支援者の方の避難計画は簡単ではないと改めて思いました。
 このように避難については各施設条件が違いますので、その経営者の考え方も違うと思います。避難計画策定に当たっては、それぞれの施設へ出向き、状況を確認した上で、実効性のある計画にすべきであり、また、できないことはできないと報告することも必要であるという考えを持ちました。
 1点、最後に紹介ですけれども、チラシをいただいたのですけれども、「逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者」という映画が今月末にあるようです。このときにはご自身車椅子に乗っていらっしゃる茨城大学非常勤講師の有賀絵理さんのお話も伺えると、これに書いてあります。ぜひ関係者、こういうものを見て、ちょっと想像、本当にそうなったときにどういう対応ができるのかできないのかというところを考えていただけたらと思います。
 以上で私の質問を終わります。