えりいつ だいすき東海村 クローバー通信
恵利いつの村議会報告
平成26年3月議会質問内容
- 議員になり7年目になりますが、時に感慨深い場面に臨むことがあります。その一つが12日行われた東海中学校卒業式への出席です。昨日の岡崎議員や村上議員と同じく、私も感動を覚えました。不便な学習環境の中で立派に育ってくれた卒業生たち、そしてその子供たちをしっかり見守り、導いてくださった教育関係者の皆様に、心からの賛辞と感謝を申し上げます。
今回の質問は委員会視察や会派視察、研修等に触れながら進めてまいります。
1問目の質問です。環境都市宣言と自然の恵みを生かした持続可能なまちづくりについてお尋ねいたします。
環境都市宣言については平成22年3月議会に1度上程されたものの、その後、取り下げられた経緯があります。前回の議会答弁の中では、今はタイミングを外してしまっている状況とありましたが、その後どのようになっているのか気になっているところです。東海村は、これまでにも環境政策に力を入れてきましたが、改めて環境都市宣言というよりは環境モデル都市を目指すという明確な方針を打ち出すことが必要ではないかとの思いから、村長に質問いたします。
村長の所信表明の中にも、環境先進都市を目指して新たな取り組みにチャレンジしたいとありました。昨日までの代表質問に対するお答えからも、山田村長が環境政策に重きを置かれていることを感じました。東海村では環境問題に関心の高い方の割合が多いと感じます。ボランティアグループや自治体の活動など、さまざまな取り組みが村内あちらこちらで行われていますが、現状では環境先進都市、つまりモデル都市というところまではいかないと思います。やはり目指すところを明確に表明することで意識が高まり、やりがいが大きくなり、活力が増し、目標を達成する。つまり、この村が環境モデル都市としての評価を受けるということになるのではないでしょうか。そうなれば農産物のブランド化、エコツーリズムの企画、環境関連産業の誘致などビジネスチャンスが生まれ、東海村の活性にもつながるでしょう。何より村民の誇りになると考えます。
所信表明では、ほかにも農業政策課を新設するとありました。農業、農地を経済的視点の産業としてのみ捉えるのではなく、公共インフラや環境、教育、福祉として捉えるという取り組みは実にすばらしい発想と感じました。そのイメージをさらに膨らませ、実績を積み上げることで環境モデル都市に近づくと思います。
環境モデル都市を目指すこと、その姿勢をアピールすることに対して、村長はどのようにお考えでしょうか。
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- 村長
お答えします。
環境都市宣言につきましては、昨年12月でも議会で質問もありましたが、今のところ私は都市宣言をするつもりはありません。都市宣言はあくまでも理念を語るだけで、中身が見えてこない。理念はきれいな言葉幾らでも書けますので、ただ実際には何をするかというのが大事なので、宣言することよりも、私はその環境モデル都市を目指したいとは思っています。
これは環境省が認定するもので、全国でもまだ20数カ所、県内ではつくば市がもう既に選定されていますが、今年3月で奈良県の生駒市がやっぱり選定されていまして、ここは環境自治体会議の同じメンバーですし、地球の環境を考える会という、またちょっと小さな自治体の集まりなんですけれども、ここのメンバーでもありまして、そこの山下市長がかなり環境いろいろなことをやっていまして、今回生駒市の提案概要を見ましても、生駒市というのは本当に太陽光発電なり、小水力なり、再生可能エネルギーの推進、そういう資源循環型のエネルギーのそういうところの促進なんかもしていますし、あとはやっぱりコミュニティ交通で電気自動車の促進とか、あとはやはり食で地産地消みたいなもの、それでブランド化するとか、掲げている内容というのは今東海村でもやっているようなこと、これ東海村はやっているんですが、要するにばらばらなんですね。
1つにまとめて打ち出すということが必要なんで、こういう形でモデル都市の選定を受けるということは、これ国のお墨つきをもらうことなんで、これによって東海村の存在も全国に知れ渡るということになれば、そういうモデル都市をぜひ見学したいという方が集まってくるでしょうし、職員自身も今ISOもやっているし、いろいろやっているんですが、なかなか一つ束としてまとまっていないので、まとめるものとしては、こういうものにどんどんエントリーしていく必要があるのかなというふうに思っていますので、環境は自分の政策の中では柱にしたいと思っていまして、環境を中心に据えると、そこには農業もエネルギーも、これ環境は自然環境だけじゃなくて、生活環境、いろいろな幅広いものがありますので、ここを中心に据えればいろいろなものがかかわってきますので、ぜひここをもうちょっと目に見える形でやっていきたいと思っていますので、来年以降、環境対策をしっかりやっていきます。
以上です。
- 村長がすごく勉強されていること改めて関心いたします。環境を柱にしていくというお考え、私も先日の講座の中でそのような話を聞き、実にすばらしい、村をまとめていくのにすばらしい方向性だなと思って感じておりましたので、その部分しっかりと議員の立場として一緒にやっていけたらと思います。
住民と行政が今、村長もおっしゃったように同じベクトルになっていくというか、行政の中でもばらばらというところで、住民もいろいろな活動やっていますので、関心は高いわけですけれども、まだそれが1つになっていないというところは、私も残念ながらとういう状況であることを感じるところがあります。そういうところで、住民と行政が共有する理念のもとにまちづくりを進めた例として、少し長くなりますが、視察をしてきた2つの例をご紹介したいと思います。
総務委員会で視察した愛知県大府市では、市制施行当初から健康都市づくりを市の方針として掲げてきたそうです。今では国や県の研究機関や施設など、また健康長寿関連産業などが進出し、隣町の東浦町も含み全体面積252ヘクタールに及ぶ健康長寿の一大拠点、ウェルネスバレー計画が確実に進められていました。1つの自治体ではできない大きな事業が、健康都市づくりという目標を明確に打ち出し、推進してきたことで、国や県の支援が受けやすくなったようです。そして、健康、医療、福祉、介護施設が充実する一方、経済的な側面としては関連産業が集まり、研究施設との共同で新たな企業ができ、雇用が生まれる。それが市の安定、発展につながっているようでした。
もう1点、会派で視察した熊本県水俣市では、水俣病の実態、そして「水俣」、これは世界に通じる「水俣」ですけれども、「水俣」というマイナスイメージからのまちづくりについて学んできました。
水俣病については、ここでは詳しく触れませんが、1点申し上げれば、水俣病をめぐる問題は原子力問題、福島に通じるところが多々あると考えさせられました。逆境の中からの水俣市のまちづくりは、水俣病やそれに伴う偏見や差別という苦難の歴史を乗り越えるべく、環境、健康、福祉を大切にする産業文化都市を目指すことを掲げ、市民、企業、行政がベクトルを合わせて取り組んだ結果、水俣市は2008年に環境モデル都市として全国で6自治体選定されたうちの一つに選ばれました。
全国に先駆けたごみの分別収集は、東海村のモデルにもなっています。現在、水俣市では24種類に分別しているそうです。資源再生の関連企業、瓶や紙、缶など種類別の会社ですので、一つ一つは大きな規模ではありませんでしたが、そのような企業で工業団地ができつつありました。ルーチンな仕事には障害者の雇用も生まれているようです。2011年には日本の環境都市の称号も全国で初めて受けています。そのようなまちづくりの結果、農産物も水俣ブランドとして人気が出ています。前向きで魅力あり、力強い水俣市になっていると私は感じました。
いろいろと申し上げましたが、この2つのまちづくりを見ると、行政や職員、そして住民の持っているベクトルの向きが同じになることで、さまざまな相乗効果を生み出し、活力のあるまちになっていると思いましたので、紹介させていただきました。
再質問は、2つの視点から提案を含めてお尋ねします。
1点は、資源の有効利用として分別、再利用のさらなる取り組みが必要ではないかと考えます。それは、ごみの減量化につながります。現在、村の抱える課題はどのようなことがあるのでしょうか。また、これから取り組もうとしていることがあるのか、経済環境部長に1点お伺いいたします。
2点目は、総合政策部長にお尋ねします。代表質問の中で江田議員の環境関連の企業誘致についての質問に対して、TOKAI原子力サイエンスタウン構想を推進する中で企業誘致などを考えていきたいと答えられたと思いますが、具体的に何か期待するものがあるのかお伺いします。というのは、環境モデル都市を目指すとすれば、環境関連産業の振興を図ることが必要と、江田議員と同じように私も考えるからです。誘致には一定の条件をつける。例えば環境評価のISO取得の義務づけや、緑地を一定割合保有することなどです。そのかわり、税の優遇措置を講ずるなど企業にとってのメリットも提示する。理想ですが、東海村に進出することがその会社のステータスになるぐらい、そのくらいの大きな夢、施策を持って環境問題に取り組む。そして、会社を積極的に誘致することが経済的にも持続可能なまちづくりにつながると考えますが、いかがでしょうか。
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- 経済環境部長
お答えいたします。
現在、村では資源物16種類の分別収集を行っているところでございます。先ほど水俣市は24種類というお話ございましたが、それまでではありませんけれども、分別収集に当たっているというところでございます。
しかし、最近この資源物の収集量が減少して、燃えるごみが増加するという傾向であります。この原因といたしましては、本来資源物として収集されるべき紙類やプラスチック製容器・包装など燃えるごみに混入されていることが考えられます。このため、少しでも資源物を出しやすい環境を整えるということから、分別のため、紙製容器・包装の専用収集容器、これを作製するため準備を進めているところでございます。
また、資源物分別の徹底について、村の広報紙などによりまして改めて周知するなど、資源化向上に努めていきたいと考えております。
さらに、今年度から小型家電リサイクルの取り組みを始めたところでございます。新たな再資源化の取り組みにつきましても、さらに調査、研究を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
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- 総合政策部長
部原地区への企業誘致につきましては、既に先の代表質問でお答えしたとおりであります。環境と調和のとれた企業を誘致することは、一昨日の江田議員の質問にお答えしましたが、村民の平穏で豊かな暮らしを守るために大変重要なことであると認識しております。
一方、村はTOKAI原子力サイエンスタウン構想で最先端の原子力科学や原子力基礎基盤研究とその産業・医療利用の拠点づくりを推進するとお答えいたしました。それは具体的に何を期待しているのかと申しますと、本村はJ-PARCやBNCTなど高いポテンシャルを有しておりまして、特にBNCTにつきましては、医療分野で中性子を発生させる加速器を利用した放射線治療に係る産業振興が大きな可能性を秘めていると思っております。これら先導的プロジェクトには産学官連携での整備が必要です。まだ未知の部分が多分にありますが、本村のBNCT施設の近くに進出してきたいという話をしている企業があるとも聞いておりますので、これらの情報が得られるようにアンテナを高くし、持続可能なまちづくりを目指し、環境と調和のとれた企業の誘致に努めてまいりたいと、このように考えております。
また、誘致に当たっては議員のご質問の中のご提案は意見として受けとめまして、今後、研究させていただきたいというふうに思います。
以上です。
- 再生資源回収には住民の協力が不可欠です。行政が少しでも資源の出しやすい環境を整えることが住民との協働のまちづくりを発展させていきます。よろしくお願いいたします。
それから、企業誘致についてですが、病巣を切らずに治せるBNCTの可能性については、物理学と医学の芸術的コラボレーションと、これは個人的な表現ですが、私はそう思っております。大いに期待している一人です。BNCTに関する企業が東海村に進出し、それに関連する企業や会社が後に続くことになれば、これは東海村の待ち望むところだと思います。
原子力サイエンスタウン構想の具現化も積極的に進める必要があります。進出したい企業があるんであれば、佐藤部長の力でしっかりとハートをつかんで東海村に呼び寄せていただきたいと思います。放射線を利用した産業もいいですし、やはり環境関連産業も誘致、進めていただきたいと思います。
東海村は37平方キロメートルですので、限られた面積の中で、あれやこれやの企業誘致は大変入るかなって、それはうれしいことでしょうけれども、そういうことであれば那珂台地ということで那珂市と一緒に取り組んでもいいですし、ひたちなか市と取り組んでもいい。東海村がどんな村になりたいか。そのために近隣の自治体との協力、つながりを持つことも大切と考えます。
それで、東海村で東海村の人が資源の出し方、非常にきれいな状況で出されると伺っております。そういうせっかく村内で集めた資源です。村外からのそういう分別したものも一緒に入れて、村内で再利用まで持っていければ、さらにいいのかなと思います。
- まだ続きます。再々質問ですね。東海村は、1つには自然環境がそこそこに豊かに残っています。2つ目は、再生資源エネルギーの導入に対しても東海村も村民も積極的です。ごみの分別にも力を注いでいます。ベクトルを合わせることで環境モデル都市が近い夢になると私は考えます。
再々質問は提案です。
環境モデル都市を目指すに当たり、職員が基本的な知識や方向性を学んでおくことは、横断的な環境政策を推進する上で、横断的な取り組みが必要になったときに協力体制がとりやすくなります。環境政策を基本のところで理解してもらうために、全職員を対象とした研修会があるといいのではないかと考えます。そのような取り組みについていかがお考えか、経済環境部長にお尋ねします。
もう1点、いろいろお話をさせていただきました。考えを述べさせていただきましたけれども、村長の環境に対する思い、最後にもう1回お尋ねしたいと思います。
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- 経済環境部長
お答えいたします。
議員からのご提案でございますが、第5次総合計画あるいは村の各種計画を下から下支え、後押しするということで、新たな視点である東海村生物多様性地域戦略、これを展開していくということで、職員への意識づけも必要になってまいります。住民の協力を得る、あるいは職員内のベクトルを合わせるということで研修のほうは考えております。例えばこれまでもISOですとか認知症サポーター養成、こういったものを通じまして全職員を対象に取り組んでまいっておりますので、同じように職員の間にも広げていきたいと考えております。
以上でございます。
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- 村長
お答えいたします。
最初の質問で環境モデル都市を目指したい、これは環境政策課の職員には言ってありますが、まだ全職員に向けて言ってはありませんで、私、持続可能なまちづくりで土地を含めたまちづくりと人づくりと活づくりと、これを中心にずっと来たので、またここで環境を出すのかという話にもなるかもしれませんけれども、私の思いがちょっといろいろありまして、ただ環境に対する思いは、これはこれで持っていますので、年度当初のできるだけ早い時期に全職員に対して私の考えをきちんと伝えたいと思います。
この環境については生物多様性地域戦略で言いましたけれども、これも結果的に26年度、具体的な事業が入っていないと。ここは本当に自分としても情けないというふうには正直反省しています。これもモデルとしてといっても、何ができるんだということになりますので、より具体的なミッションをきちんと示して、職員の意識づけはしていきたいというふうに思っていますので、26年度の取り組みをぜひみていただければと思いますので、よろしくお願いします。
以上です。
- 力強い村長のお言葉ありがとうございます。しっかりと期待して見させていただきます。
では、2問目の質問に入ります。
核燃料サイクル研東海再処理施設におけるプルトニウム溶液及び高放射性廃液の固化・安定化の実施について質問いたします。
2月26日に開かれた全員協議会において、サイクル研から説明を受けましたが、私にとっては結構ボリュームのある内容でした。説明はきちんと要旨を押さえ、誠実に対応していただいたと感じました。ただ、時間の制約があったためでしょうか、立て板に水のごとくに流暢だったので、理解が追いつかないところもありましたので、確認の意味も込めて質問いたします。
1点目は、26日に行われた全員協議会における説明の中で、高放射性廃液の量が、これまで公表されていたのは約394立方メートルでありましたが、今回の説明では約430立方メートルに増えていました。なぜ増えたのか、村はきちんと把握していたのかを伺います。
2点目です。東海村内に高放射性の廃液が大ざっぱに400あるとすれば、六ケ所村には240ぐらいある。つまり六ケ所村より東海村内に保管している量が多いことを村民が余り知らないのではないかと思います。全員協議会では、原子力発電所と比べ発熱量や水素の発生量が極めて少なく、機器の溶融や水素爆発に至ることは考えにくいとはいえ、高レベル放射性廃液については潜在的なハザードがあるので、固化・安定化が必要と伺いました。ハザードは危険、潜在的なハザードとは「外面には、はっきりあらわれず、内面に存在する危険がある」ということになります。約400立方メートルは1メートルの立方体が400メートル先まで続く膨大な量です。早く固化してほしいと私も思います。
しかし、原子力機構が保有する使用済み燃料の再処理を行う施設としては、サイクル研のみと認識しています。そこで、資料提出をお願いいたしました。機構が保有し、固化・安定化が必要なプルトニウム溶液、高放射性廃液の種類と量についての資料の提供ありがとうございます。資料について補足説明の必要があればお願いいたします。そして、今後の計画について伺います。
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- 経済環境部長
お答えいたします。
まず、高放射性廃液の量の数字の違いでございますが、原子力機構のホームページ上で公開されている高放射性廃液の保管量は394立方メートル、これは平成25年2月1日時点の数字でございまして、一方で先日、全員協議会の説明資料の中にありました保管量430立方メートルについては、平成25年8月5日時点の値でございます。
この違いでございますが、平成25年7月に実施されております液移送操作によるものでございます。具体的には東海再処理施設には分離精製工場と高放射性廃液貯蔵場、この2つの施設があります。安全機能がより充実している高放射性廃液貯蔵場のほうに一元管理できるよう平成25年7月に分離精製工場のほうから移送をしたわけでございますが、この際に硝酸にて希釈をして移送しております。見かけ上といいますか、硝酸を入れましたので430立方メートルに増加しておりますが、高放射性廃液に含まれる放射性物質の総量は変わっておりません。
次に、今後の計画というところでございますが、東海再処理施設では施設内に保管している硝酸プルトニウム溶液及び高放射性廃液の固化・安定化を進めるということになっております。平成26年1月末現在の保有量は硝酸プルトニウム溶液が約3.5立方メートル、高放射性廃液のほうが約417立方メートルとなっております。プルトニウム溶液については、平成27年度までに安定化処理を完了する計画となっております。また、高放射性廃液につきましては、安定化処理終了に約20年を要する見通しでございます。その詳細につきましては、提出いたしました資料のグラフを見ていただければと思います。
グラフの見方のほうは、資料ナンバー3のほうがプルトニウム溶液の安定化処理を、今年度末3月でございますが、から始めまして、26年度、27年度で処理を終えるというこのグラフの薄い水色のもので見ていただければと思います。それから、高放射性廃液のほうの安定化処理につきましては、平成45年過ぎのところまで棒グラフがありますように、長期間かかるということでございます。こちらは今後の推移を見なければなりませんが、ガラス固化体の保管施設についても、増強していく必要が当然、将来的には出てくるのかなというふうに捉えておりますが、まだ具体的なところには至っていないというところでございます。
以上でございます。
- 数字の増減については理解できました。
再質問は、核燃料廃棄物の処理、保管等について村の考えを3つの視点からお伺いいたします。
まず1点は、現在ある高放射性廃液の処理に20年かかるとのことですが、これまでも予定どおりにいかなかったこともあるというより、今現在、予定どおりにいっていないわけですが、本当にできる見込みなのか。安全第一であることは言うまでもないことですが、期間を短くするような働きかけを村はしないのか伺います。
2点目は、3・11の福島第一原発事故を経験し、また東海村にある高レベル廃液の昨年12月の新聞報道等もあり、心配している住民も多いと考えます。高放射性廃液の処理が完了するまでに約20年かかるのであれば、潜在的ハザードとはいえ、住民も不安に感じているのではないでしょうか。村として住民の意識調査を行う予定などないのか伺います。
3点目は、今、東海村内の機構にある廃棄物はどのように処理する予定でいるのか、そして村としての取り組みはあるのかを伺います。
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- 経済環境部長
お答えいたします。
まず、高放射性廃液の処理の20年を短くできないかということでございますが、サイクル研のほうでは原子力規制委員会からも、20年かかるということについての指摘を受けているところでございます。これを解消するために、現在使用しているガラス溶融炉から、より多くの液体を扱うことのできる設備への更新などが検討されているようでございます。村では事業所の廃棄物の状況を四半期ごとに報告させるほか、廃棄物の保管状況について立入調査を行い、安全に保管されているかなどを確認しております。
次に、保管状況についての住民意識調査の件でございますが、現在のところ、そういった住民意識調査につきましては検討をいたしておりません。住民の不安払拭のために、例えば事業所ごとに放射性廃棄物の保管状況について広報を行うなど、今後、事業所と広報について検討していきたいと考えております。
それから、3つ目の村内に保管されている放射性廃棄物全体ということでございますが、最終的な処分場が決まっていないことから、それまでの間はそれぞれの事業所に保管されるということになっております。これにつきましては、長年の懸案事項でもございます。村としても、このことについては早急に解決するよう国に求めていかなければならないというふうに考えております。
以上でございます。
- ありがとうございます。再々質問ではないが、核燃料サイクルの今後について国の方針がはっきり決まっていない状況ですので、これ以上質問しても答えに困られるだけかと思いますので、最後に私の考えを述べさせていただきます。
原発というトイレのないマンションを地震国日本に54基も推進してきたところに大きな問題があることは、誰もが認めるところと思います。原子力発電からのエネルギーの恩恵にあずかりながらも、後始末について無関心、または見過ごしてきた私たちも反省しなければならないと私は考えます。そして、後世に対する責任があります。だからこそ福島という現実を直視し、そこから今後の原子力政策を考えていかなければならないと考えますが、現安倍政権に私は失望の連続です。
村内に現在ある放射性物質を保管し続けることについて、どこにも持っていきようがないわけでありますから、村内にとどめ置くことも仕方がないと個人的には考えます。しかし、現在どれだけあるかを漏れなく確認し、この部分は核防護の面からも確認はしてあると思いますけれども、後出しがないようにしっかり確認していただきたいと思います。そして、今後、安易に外から持ち込まれることがないよう、増えることがないように、しっかりとした対応をお願いいたします。
原子力機構には現在、村内に保管している燃料のほかにも「ふげん」や「もんじゅ」等の燃料がありますが、それらが特定秘密保護法のもとに我々の知らないうちに村内に搬入されることはないのか、そしてその他の情報についても機構からきちんと出るのか、不安を訴える声もあります。
12月議会で村長は、事業所には情報提供をしっかりと求め、住民に公開していくと、きっぱりとお答えいただきました。住民に軸足を置いた山田村長の明快でさわやかな答弁に「安心した」という声も届いています。情報公開があってこそ安心・安全につながりますので、村長には住民を守るという強い気持ちで今後とも村政に当たっていただくことを重ねてお願いして、私の質問を終わります。