えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

平成25年12月議会質問内容

 質問に入ります前に、議会で何度かこれまでに質問として取り上げてきました精神障害者のための自立訓練、就労支援の施設が東海村でようやく開所されましたので、ご紹介させていただきます。
 これまでに村内に精神障害者のための民間施設がないこともあり、行政も待ち望んでいる施設として熱い期待を寄せてくださいました。そのことが施設関係者にとっては大きな励みとなったとお聞きしています。また、村内の家族会からも待ち望まれていた施設です。私自身、東海村の精神保健福祉のボランティア活動をしていく中で、他の2障害に比べて整備がおくれている現状を知りました。このたび村内に施設ができたことに対して、やっと一歩前進したと感じている一人です。
 この施設は、ひたちなか市にある作業所の分所として運営され、しばらくは水曜日と木曜日にオープンしているとのことです。場所は須和間の県道沿いです。どなたでも見学できますので、ノーマライゼーション社会の実現のためにも、役場関係職員のみならず、議員の皆様、地域の皆様におかれましても訪問していただければと思います。
 では、質問に入ります。
 1問目は、原子力立地自治体の首長として特定秘密保護法案をどう考えるかと通告しておりましたが、6日深夜に法案は成立しましたので、特定秘密保護法について山田村長にお尋ねいたします。
 外交と国防において、そしてテロの防止やスパイ行為から国民と国の安全確保のために一定の秘密を守っていくことは必要であると私も思います。しかし、今回の法案の可決・成立までの審議のあり方、採決のあり方、その中身などに私は大きな疑問と憤り、失望を禁じ得ません。
 また、国民への十分な説明がなされないどころか、国民を愚弄するかのような形ばかりの公聴会、特に11月25日に福島市で開かれた衆議院の地方公聴会は、パフォーマンスのために福島という舞台が使われたように感じているのは私だけでしょうか。翌日には強行採決をするのであれば、どうして福島市で行ったのでしょう。原発事故の影響で、いまだに苦しい思いをしている福島の人たちを安倍政権はまたも裏切ったのではないでしょうか。意見の反映もなく、何の検討もされず、ただ聞いただけ。これでは原発で傷ついた人々の心をもてあそんだかのようで納得のいかないことばかりです。
 秘密保護法案については、ご存じのように法曹界のみならず、ジャーナリスト等報道関係、歴史学者、科学者、文化人などなど多方面から反対の声、定義の曖昧さを疑問視する声が出ていました。それは海外からも寄せられております。アメリカ大統領元顧問のモートン・ハルペリン氏の「日本政府の法案は多くの点で国際基準を満たしていない。日本政府には国内外の声に耳を傾けてほしい」という発言をはじめ、国連人権高等弁務官のピレイ氏、NSCの元高官や国際機関等からも複数寄せられています。
 慎重審議を求める多くの声をよそに、法案は強行採決されました。民主主義とはほど遠いと言える強権政治を数の力で推し進めている安倍政権に対し、私は危険、暗い、怖いというイメージしか今は湧いてきません。おまけに、昨日夕方の安倍首相の「時間を取って丁寧な説明をすべきであった。反省している」という記者会見には、あれだけの強行採決をしておきながらと正直あきれました。首相の言葉を素直に聞くことができなくなった私は、だんだんへそが曲がってきたのかなと思ったりもします。
 森雅子担当大臣は、二転三転すると言われた答弁ではありますが、原発事故は対象に当たらないと答えています。しかし、秘密とされる範囲が曖昧であるがゆえに、閣僚のもとにいる官僚が恣意的に秘密の指定を増やし、私たち国民の知らない間に秘密扱いとならないとも限りません。村民の安全を守る立場の山田村長は、この法案の成立までの経緯を含め、どのように捉えているかお考えを伺います。
  • 村長
     お答えいたします。
     特定秘密保護法については皆様もお考えのとおり、大変進め方についても議論はありますし、この成立の仕方をとりましても、大変問題があると認識しております。法案成立後のメディアの世論調査におきましても、国民のほとんどが納得しないということが結果として出ていますので、理解が得られたとは思っておりません。
     ただ、法律が成立してしまった以上、今後のことについては特に原発の所在町村の首長としては、この法律によって知る権利が侵されるということは全くあってはならないことですし、この法律に萎縮して情報が入手できなくなるというのは考えておりませんので、私はあくまでも事業所なり国に対しましては、きちんと情報の提供を求めて、しかもその情報はきちんと住民の方に伝えると。そこはぶれないで、きちんとやっていきたいというふうに思っています。私自身は、この法律の今後の運用についても恣意的な操作がなされないように、しっかり監視していき、必要に応じて国にきちんと要望なり何なりをしていきたいというふうに思っています。
     以上です。
 山田村長の心強いお答えで東海村に住んでいても大丈夫かなという気持ちになります。
 質問は、法案は参議院で可決したことにより12月6日に成立、1年以内に施行されるということですが、同じ6日に経済産業省から、原子力を重要なベース電源とする新たなエネルギー基本計画が示されました。福島第一原発の事故の検証も事故後の対応も不十分な中にありながら、安倍政権においてこのような方針が検討されているとなると、「原発事故は秘密保護法の対象には当てはまらない」という森担当大臣の言葉は秘密のうちに反故にされ、ある日突然に事情聴取されることも考えられます。
 例えば役場職員がこれまでと同じように住民の求めに応じて説明をしたとしても、あるときから罪を問われる。これは私たち議員も同じかもしれません。危惧し過ぎでしょうか。このようなことがあっては大変です。公開が原則の原子力、知る権利をしっかり守っていかなければならないと考えます。情報があるからこそ私たちは判断ができるのです。
 いろいろ懸念していますが、先ほどもしっかり、ひるむことなく情報開示を求めていくという山田村長のお答えでしたけれども、住民のために働いている役場職員を守る立場として村長はどのようにお考えか、先ほどの答えと重なる部分があると思いますけれども、もう一度お願いいたします。
  • 村長
     特定秘密そのものに直接かかわることが、地方自治体職員にはないと思います。ただ、法律を読んでいますと、内々に関するというというところ、この表現がかなり範囲を広げてしまうという懸念があると思いますので、ただそれを一々意識して通常役場職員は仕事をしておりませんので、常に現実の課題に対応して必要な情報を収集して、それをきちんと住民に提供していくと。そういう意味では、この法案に余り意識をしないで、今までどおり住民のために行政を行うという視点に立てば、そこは余り意識する必要はないというふうに思っていますので、その職員がとった行動に対しては、きちんと私は責任を持って対応してまいりたいと思います。
     以上です。
 再々質問はございません。本当にきのうの安倍首相の、とても耳ざわりのよい「何も心配は要りません」という、そのように聞こえる記者会見でしたけれども、その言葉が本当に心配な私たちにとっては、きょうの山田村長のお答えいただいた姿勢というところにすごく安心感を覚えます。よろしくお願いいたします。
 安倍首相の政権運営に心が暗くなる中、1つの光は、高校生や大学生といった若者が今回のこの大人のありさまを見て立ち上がっていることです。それは自分たちの将来が危ないと直感で感じているのだと思います。
 法案反対も含め、7割を超える国民がもっと議論を尽くすことを望んでいることが報道されている中、数日の間に法案は12回も修正されたそうです。それは一見、議論が深められているようにも思いましたが、初めの法案がいかに未熟であったか、そして抜け道だらけであったかということです。そして、その修正された中身について十分な協議も行わずに拙速に数の力で押し通したことは、1つには「この法案はまだまだ欠陥があること、そして国民の騒ぎがもっと大きくなる前に、さっさと成立させようと考えてのこと」との識者の解説を聞くと、これまでの動きがわかります。
 保全監視委員会とか情報保全観察室を第三者機関として設けるとのことですが、私は原発事故前に推進と規制が同じ経産省の中にあったことを思い出し、官僚が官僚をチェックするというこの第三者機関、どれほどのチェックができるのかと疑念を抱いてしまいます。
 安倍政権は、よらしむべし知らしむべからずと考えているのかもしれませんが、国民は3・11を経験し、そして原発事故後の国の対応を見て変わったと私は感じます。安倍首相は日本版NSCとあわせて国民を守るための法と言われていますが、私は国民を差し出す、あぶり出すことにつながらないかと危惧しています。国民主権と三権分立、民主主義の根幹が揺るぎそうで本当に怖いです。
 疑念とか危惧とか抜け道とか欠陥とか怖いとか、そういう言葉が続きましたので、次の質問に元気よく入りたいと思います。
 2問目は、文化的、歴史的資料の保存と活用、そして継承についてお尋ねします。
 11月末にステーションギャラリーで開催された堀米遺跡の展示では、限られた空間の中、木々をあしらうなどして雰囲気を醸し出す展示、また出土品に直接触れることができる展示など、歴史のロマンを身近に感じることができたすばらしいものでした。単なる縄目だけと思っていた縄文式土器にあれほどの美しい模様があること、そして、使い勝手を考えて一工夫されていることなど、縄文人の知恵を見直した思いでした。新しい展示をするためにご苦労いただいた皆様、ありがとうございました。
 質問の1回目は、これまで東海村における文化的、歴史的資料の保護、保存はどのように行われてきたのか伺います。
  • 教育次長
     それでは、東海村の文化と歴史資料の保存の状況について、まずはお答えします。
     村では、村内遺跡の発掘調査の出土品の保管については、専用の保存場所がございませんので、中央公民館や現在使われていない公共施設の「はまざく」や宿幼稚園の一部を借用いたしまして保管をしています。そのほかの掛け軸などの民俗資料、民具の保管についても同様な状況でございます。
     また、村史編纂に使用しました古文書などの資料は、所有者に原本はお返ししておりますが、一部の資料は図書館あるいは教育委員会で保管をしているところでございます。
     今後の資料の活用についてですが、引き続き中央公民館をはじめ学校や図書館で展示を進めてまいりたいというふうに思います。
     直近では12月13日から、石神城跡が村指定文化財に新たに指定されましたので、記念としまして図書館の交流ラウンジで石神城に関する資料などの展示を予定しているところでございます。ほかにはスポット展示としまして、東海ステーションギャラリーを活用しました展示なども行ってまいりたいというふうに思います。
     先ほどもお話が出ましたが、照沼小学校の建設事業で発掘された堀米遺跡の遺物の展示を駅ギャラリーで開催したところでございます。7日間の期間中で、恵利議員を含め約600名の方にご来場をいただきました。今回の展示では小学校から高齢者の方など幅広い年代の方が東海村の歴史に触れていただいたのかなというふうに思っております。
     以上でございます。
 こちら手元にチラシを置いておりますけれども、本当にすばらしい展示でありました。この堀米遺跡の展示会場を使って、照沼小の生徒さんが勉強したと伺いました。きっと照沼地域を誇らしく思ったのではないでしょうか。
 村内では生涯学習活動の成果、それも評価の高い成果がいろいろまとめられています。その一つに、一般人が読むには難しいとされる古文書の解読があります。解読が終わり、製本までされた「石神御用溜」のようなものもありますが、解読は終わったけれども、いまだデータとしてパソコンに保存されている状態のものもあると伺いました。また、民話が発掘、再生され、紙芝居やポケットサイズの本になっています。その中にはミュージカルにまでなって村民の前で上演されたものもあります。
 これら住民パワー、もちろん役場の協力があってできたことですが、この住民パワーによって、せっかくまとめられたこれらの歴史資料が今後散逸することのないように、またそれらの資料が全ての村民にとって、将来にわたって身近に活用できるような政策が必要と考えます。
 1つの提案ですが、再生された民話は既に20話を超えているということですから、これまでに描かれた紙芝居を使い、民話集として絵本のようなものをつくってはいかがでしょう。以前に製本費用としてどれくらい必要か調べていただいたところ、オールカラーで1,000部つくって130万から140万くらいとのことでした。これはつくり方とか編集の仕方で変わってくるとは思いますけれども、1つの目安としていただきたいと思います。
 このほかにも古文書、昔の地域をまとめ、解説しているものなどあるようです。これはある方から伺ったから、そういう情報だけになっておりますけれども、いっときにこれらのものを製本するのが無理ならば、とりあえずはデジタルミュージアムなど誰でも見ることができるようにしておき、数カ年計画で整えていくこともよいかと考えますが、村はどのようにお考えでしょうか。
  • 教育次長
     お答えいたします。
     文化の向上に必要なのはハード面、それからソフト面の両面による事業の展開が必要ではないかというふうに思っております。現在ソフト面につきましては各種事業を行っており、一定の成果が出てきているのではないかなというふうに私は感じております。さらなる事業の必要性も今おっしゃいましたけれども、認識をしているところでございますが、予算にも限りがございまして、何とか我々もしたいというふうには思っていますが、今後とも工夫をしながら文化の発展に努めてまいりたいというふうに考えておりますので、その辺はご理解いただきたいというふうに思います。
     それから、ハード面の充実につきましては、貴重な資料を子供たちからお年寄りまでが気軽に学び、触れられるような施設を整備したいというふうに今考えておりまして、現在、文教施設再整備計画検討委員会の中で歴史資料館を含めた資料の検定をしていただいているところでございます。検討委員会での検討終了後には議員の皆様にも内容をご説明申し上げまして、ご理解を得た上で今後の整備方針を定めてまいりたいというふうに考えています。
     以上でございます。
 今後、文教施設再整備計画検討委員会においてハード面なんかの検討がなされるということですが、その中でいろいろなご意見が出てくると思いますので、私が先に意見を言うのも気が引けるところではありますが、お願いしたいことがあります。
 例えば歴史資料館のようなものが建設されるとなったときには、日ごろから住民が親しめる工夫をし、将来にただの入れ物とならないよう工夫していただきたいと思います。先日開催された堀米遺跡の展示は、本当に楽しいものでした。一見何の変哲もない丸こい石に触って驚きました。なぜ私が驚いたか、皆さんも次の展示のときに触ってみられれば体験してみられればおわかりかと思います。そういう体験を多くの子供たちにもぜひ経験させたいなと思います。
 質問ですけれども、今回の質問について聞き取りをする中で、先ほどもありました、いろいろな事業を行っているので、生涯学習課単独で取り組むには予算的に厳しいことはわかりました。
 そこで教育長にお尋ねします。東海村の文化の位置づけはこのままでいいのでしょうか。地域の文化と接しながら生活することは心を豊かにするものでもあり、郷土愛が育まれることと思います。1955年に石神村と村松村の合併により生まれた東海村も、2015年には60周年を迎え、還暦です。これまでの郷土の財産を見直すには、よいタイミングと考えます。大切な郷土資料のさらなる活用について教育長のお考えをお聞かせください。
  • 教育長
     非常に難しい質問ですけれども、お答えしたいと思います。
     先ほど教育次長から答弁があったように、本当に村内のボランティア団体の皆さんによって東海村の民話を紙芝居に再構成したり、古文書をわかりやすく解説、解読するなど、本当にすばらしい取り組みがあると思います。また、白方小学校の建築も石神小も照沼小学校の学校建設なども、さまざまな場所で発掘調査をして、その出土品も本当に多数あると思います。また、9月29日日曜日から稲村退三展をステーションギャラリーでやったんですけれども、そういうふうな作品も多数寄贈されています。
     また、この前11月30日は駅前にブロンズ像があると思うんですけれども、あそこもちょうど酸性雨でちょっと汚れてきたので、美術連盟の方が掃除をしているということで、第3回までですか、開催された木内克展の克大賞の野外彫刻展の作品も本当に多数ありまして、そこら辺のどこに何があるかというのを今調べているところなんですけれども、そこでよく見ていくと、本村は本当に文化のまちにふさわしい要素を十分に持っているなと思っていますが、本村にこれまで一番欠けていたのは、厳しいこと言いますが、村の宝は村民の宝であるという視点で、歴史資産や文化資産を村民の目に触れる場所に置いて実際に見たり、触れたり、学んだり、体験したりする機会が少なかったんではないかなと思います。
     私は教育長になってから中央公民館の稲村退三さんの作品も見てきました。「はまざく」に行って、どのように遺物が保存されているか見てきました。やっぱり正直な話、寂しいと思います。村民の一人として、また教育現場にいた一人として、本当にもっと上手に展示すればいいんじゃないかなと思ったのは事実です。
     これからは、ここが大事ですよ。1つは、ハード面としては、歴史や文化遺産を常時展示したり、収納できる施設の整備を早急にこれはしていきたいと思います、次長から話があったようにですね。議員の皆様はご協力よろしくお願いしたいなと思います。
     あと先月の堀米遺跡の展示会の感想には、こんなことがありました。東海村での資料館がないのは不思議だ、早くつくってほしい。そういうふうな要望が10数件、正直な話ありました。そこで、資料館もただ展示するだけではなくて、今、恵利議員おっしゃったように人が集まる、触れる、体験できる。そして、ロマンを感じられる。この前の堀米遺跡の展示と同じように手づくり感がある施設にしていきたいなと考えております。よろしくお願いしたいなと思います。
     2つ目は、ソフト面ですが、これはやはり村の文化遺産を村民に知ってもらうという環境づくりを大事にしていきたいなと考えています。
     そこで、例えば東海村の文化財マップ、これなんですけれども、今ついでですが、どこにどのような文化財があるか、それも大事なんですけれども、やっぱり知ってもらう、見てもらうということを考えた場合、1時間、2時間ぐらいで、例えば内宿地区だった1時間、2時間ぐらいで散策できるとか、船場の辺は石仏が非常に多いです。船場のほうまで1時間、2時間で散策できるようなそういうふうな散策コースをつくったマップづくりのほうが住民は散歩できるんじゃないかな。そこにできれば観光ボランティアガイドの方々に協力してもらって、ツアーを組んで散歩する、そういうふうなものアイデアじゃないかなと今考えております。
     また、村立図書館や各小学校には、その地域の出土品を展示するポケットミュージアム的な考えでやっていきたいなと考えております。この前も照沼小学校の6年生の子供が見に来て、自分たちの学校の下に、こういうふうな住居があるとか、びっくりしていました。ですので、石神小とか村松小にも、そういうふうな展示場所をつくっていきたいなと今考えております。できれば私はこういうふうな視点で考えていきたいなと。やっぱり開かれた発信する歴史文化の振興に力を入れていきたいなと思います。そうすることによって、村民が見る、知る、触れる活動の充実があってこそ、歴史資産、文化資産の価値が高まっていくんじゃないかなと考えております。
     ただ、東海村60周年との関連については東海中学校の新校舎の竣工もありますので、平成26年度ありますので、そちらとの関連を踏まえて関係部署と協議をしていきたいなと考えています。
     以上です。
 何か明るい日差しが差すような文化の政策かなと思います。先ほど教育長さんもおっしゃったように、私も堀米遺跡の展示会場で女性の方とお話ししたんですけれども、その方が「今は照沼は村の外れになっているが、大昔から集落があり、このような道具が使われている文化があったと思うと何だかうれしくなります」というお話を伺いました。郷土愛とはこんなものかなと思って感じましたので、各学校にもその地域で出たものを展示したりするというものはすごくいいのかなと思います。今後ともよろしくお願いします。
 では、次の質問に移ります。
 村職員育成の基本的方針並びに専門職の育成についてお尋ねします。
 平成12年に地方分権一括法が施行されて、基礎的自治体である市町村職員の仕事は、それまでよりもやりがいは大きくなったのではないかと思いますが、その一方で抱える仕事量は増え、住民からの期待や責任も重くなったと考えます。
 そこで質問は、村職員育成の基本的方針、つまり住民に期待される職員の役割と育成のあり方について質問いたします。
 まず1回目の質問は、2つの視点から質問いたします。
 協働によるまちづくりを進める上で、住民の要望に的確に応えていくことが求められている一方、住民に一番近い村職員に対する要望は多種多様化し、増えてきている状況にあると考えます。その多様化する要望に的確に応えていくために、職員のさらなる資質の向上が求められますが、村はどのような育成プランを立てているのか伺います。
 そして2点目です。人事院勧告により公務員の削減が進められています。東海村には原子力という、他の基礎的自治体にはない大きな課題がありますので、住民の安全・安心のためには職員を削減することがよいとは私は思いません。先ほど伺うと15名ぐらいのまだ余裕があるというお話も伺いました。現状でさえ、地方分権の推進のもと権限移譲により増えた事務を効率よく行っていかなければならないという厳しい状況にある上に、来年、再来年は定年を迎えられる方が大勢出ると伺っています。このことは数年前の質問でも触れました。ベテラン職員の方が抜けた後、東海村の行政運営を円滑に行うことが求められますが、村としてどのように考え、対策をとっているのか。
 以上2点伺います。
  • 総務部長
     お答えいたします。
     まず職員育成の基本方針でございますが、村では平成14年に策定いたしました東海村人材育成基本方針に基づきまして、毎年度、研修計画を策定し、計画的に業務遂行能力の向上に努めているところでございます。
     この方針の内容ですが、3つの柱からなっておりまして、人づくり、組織づくり、環境づくりといった柱から人材育成の方向性を示したものです。具体的には研修を通じて人材開発の方向性や他団体との人事交流のあり方を明らかにしたものとなっております。
     しかしながら、策定から10年が経過しておりまして、地域主権改革の進展や住民ニーズの多様化等、本村を取り巻く社会環境の変化等に対応するため、見直しを予定しているところです。見直しの方向というのは今検討中でございますけれども、質の高い行政運営を図るため、組織的、戦略的な人材育成、人材活用の方針としていきたいと考えております。
     それから、これから役場職員がかなり多数やめていくと。そういう考え方はどうなんですか、それから職員の数もまだ定数に達していないということですが、当然ここ三、四年でかなりの役場職員の方がやめていきます。そのやめていく人数に対しましては当然職員の採用計画を踏まえまして、あるいは再任用をどうするかとか、また新たに今度、定年制も取り上げるということも言われておりますので、その辺の動向を見ながら考えていきたいなと考えております。
     以上です。
 再質問は、部署によっては専門職を育成していくということを検討すべきではないかという点からお尋ねいたします。
 村職員は、まずは村内の全体の情勢や状況を知る必要がありますので、ある時期までは、それはある年齢なのか役職なのか、そのある時期までは一般職としてローテーションで回ることは必要でしょう。その後、希望をとるとか、または適性を評価するなどして専門職への選択肢を設けてはいかがでしょうか。特に原子力部門や農業部門などは専門職の育成を望む声がありますが、どのようにお考えでしょうか。
  • 総務部長
     専門職の育成についてですが、行政職員は大きく建築、それから土木関係、保健師、保育士、社会福祉等の技術系専門職員と事務職員に分けられます。職務上の専門知識が必要な部署へは技術系専門職員を配置しているところでございますが、住民ニーズの多様化や行政の高度化に伴いまして、さらに専門知識を持った職員の配置が必要となっております。
     しかしながら、幅広く、あらゆる行政分野に対応していくためには、当然職員数にも限りがありますので、現在村では原子力部門につきましては原子力専門技術者を配置しております。それから、農業部門につきましては農業技術者を配置しております。それから、消費生活相談員やスクールカウンセラーなど必要な部署に非常勤職員として専門職員の配置を行っているところです。
     私たち職員は基本的にその部署の職務の専門家でありますが、事務職員の専門職化につきましては、村の職員規模や非常勤職員の配置等を総合的に勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
     また、人事異動に伴いまして、職務水準が大きく変動することのないよう引き継ぎ等を綿密に行いながら継続性の確保にも努めてまいりたいと考えております。
     以上です。
 いろいろ専門職の方、原子力は原子力の専門職とか、いろいろな部署で専門職の臨時の方を採用なさって、そういうところをカバーされていることは承知しておりますけれども、住民からは全体を継続的に俯瞰していただいて、そういう感じのところを求める声があるのかなと思います。そのことも含めて、山田村長のほうに質問させていただきたいと思います。
 11月に各コミセンで開かれた活ミーティングにおいては、住民と膝を突き合わせ、いろいろなご意見をお聞きになり、また率直な意見交換がなされ、有意義な交わりをされたことと想像します。大変お疲れさまでした。
 その場で職員育成について話題があったかどうかは、項目を見ると職員の対応についてというのがありましたけれども、それと重なるのかどうかわかりませんけれども、以前、村内を回っているときに住民の方から専門職の必要性についてご意見をいただいたことがありますが、ご記憶でしょうか。
 私がこれまで住民の方々から相談を受けた中にも、担当者がかわるたびに計画が頓挫したり、話が通じなかったりするという内容のことが幾つかあります。話は続きまして、「役場は逃げているのかな」とも言われます。そこで、「それはないでしょう」とか「それもありかな」などと冗談まじりに話せる方はまだ大丈夫と思いますが、中には落胆し、2回、3回と続くと行政不信、そして怒りに似たものに変わっている方もいます。こじれてしまうということですね。
 住民は問題が解決の方向へ向かわなければ関心を持ち続けているわけです。そこに配置がえにより、こじれていることを知ってか知らずか、新たな担当となった職員は窮地に立たされることになります。そこから話の糸口を見つけていかなければなりません。能力はあっても、その能力を発揮する前に精神的に滅入ってしまうことにもなりかねません。このような状況では、もったいないです。
 山田村長は県職員としてのキャリアをお持ちです。そして、東海村に来られて村長になっていただき、村の職員に、ここ4年近く職員とともにお仕事をなさる中で、こうあってほしいと思われるようなところ、そういうものがおありでしょうか。こういう理想とするところ、求めるところがおありでしたらお聞かせください。そして、先ほどのスペシャリストの育成も、あわせてお答えお願いいたします。
  • 村長
     お答えします。
     職員の育成のあり方なんですが、タウンミーティングを通してお聞きしたのは、まだまだ一部接遇のところからなっていないという職員がいるというふうには言われてしまいました。それはショックだったんですけれども、それ以外、通常の事務では、やはり特に交渉事はきちんと、先ほど部長も引き継ぎをやらせると言っていましたが、そこが徹底していないということで、そこの話がつながっていないということで住民から不信感を招いてしまうと。役場の人事異動では、当然ながら課長、課長補佐、担当と3人が一度にかわるというのは滅多にあり得ないことなんで、きちんと事務は仕事をやりながら引き継げると。単なる文書の引き継ぎじゃなくて、1年間通してちゃんと流れを踏まえて課題とか経過も全部引き継げるようになっているはずなんで、そこはもう一度徹底したいと思いますし、さらにやはり課長、課長補佐まで管理職の者にきちんと自分たちが責任を持って住民に答えるというところを少し徹底したいと思います。どうしてもやはり上の人、上の人に判断も含めて委ねる傾向がありますので、そこは自分できちんと判断できるようにしてもらいたいなと思います。
     スペシャリストとゼネラリストですけれども、私自身、今回タウンミーティングやりまして、全ての課題について村民の方からご意見を伺いました。正直答えられないものもありました。ただ、私はそれなりに全部局を3年ちょっと見てきましたので、それなりには知っていましたので答えられましたけれども、1人の職員で全村的に村のことを全て熟知するのは難しいと思いますので、そこは個人としてやれるところと組織としてカバーできるところと、そこはきちんと努力してやりますが、特に原子力等のかなり専門性を有するところは、ある程度職員が長く在籍しないとならないのかなというふうに思っていますので、そこは人事異動の中で、そういうところが途切れないように、きちんと役場として対応できるような体制で今後進めていきたいと思います。
     以上です。
 大丈夫です。ありがとうございました。これで終わります。