えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

令和5年6月議会質問内容

◆光風会、恵利いつです。

 質問に入る前に、給食つながりということで、先ほどの江田議員への答弁に関連して述べさせていただきます。

 私は議員になった当初、給食費は基本的に親が払うものと思っていました。しかし、貧困などの格差の拡大をはじめ社会状況の変化について議員として学びを進めるにつれて、給食の無償化を考えるようになりました。国政においても、野党はもとより自民党からもようやく公立小中学校の給食無償化を目指すようなお話が出ております。何より小中学校の学びは義務教育です。「食育」という言葉があるように、学校給食も教育の一環と考えると、学校給食法そのあたりの見直しも含め、給食の無償化は時代の流れであり、既定路線にあると私も考えます。

 では、1問目の質問に入ります。

 オーガニック給食を実現するための政策について質問いたします。

 今、オーガニック給食を求める声が全国に広がり、有機栽培された、いわゆるオーガニック農産物を学校給食に取り入れる自治体が急速に増えています。昨年10月26日に開催された全国オーガニック給食フォーラムを得て、今月6月2日、全国オーガニック給食協議会が設立しました。このような動きからも、学校給食のオーガニック化もまた既定路線になりつつあると考えるところです。

 現在、村は学校給食で地産地消に力を入れています。そのことはすばらしいことです。しかし、慣行栽培を軸とした現在の生産体制を続けていては、有機農産物を給食に提供することは難しいと考えます。有機栽培への転換が求められます。全国的な学校給食のオーガニック化の流れに後れを取らないためにも、村内生産者が安心して有機栽培に移行できる支援策が求められます。

 そこで、1回目の質問は2点です。

 1点は、教育長にお尋ねします。学校給食の全国的なオーガニック化の流れについてはどのように捉えられておられるか伺います。

 2点目は、有機栽培等の状況について、国や本村の取組について伺います。

教育長 お答えいたします。

 1点目のご質問の学校給食のオーガニック化の動きについてどのように捉えているかについてでございますが、オーガニック食材を学校給食へ取り入れる自治体が出てきていること、また令和5年6月の全国オーガニック給食協議会の設立などの動きは、学校給食で使用される食材の安全性への意識の高まりの表れであると認識しております。

 本村の学校給食への導入については、食材の安定的な確保や価格面などの課題を解決していくことが前提となりますが、今後オーガニック食材を使用した給食提供の実施の可能性について検討してまいりたいと考えております。

産業部長 産業部からは、有機栽培等の現状というところについてご説明いたします。

 本村に限らず、全国的に慣行栽培による農業が主でありまして、一部の地域で先進事例として有機栽培に取り組まれていると、そういうところはありますけれども、いまだ主流とは程遠いという現状にございます。

 そのような中にあって、農林水産省は令和3年5月にSDGsや環境問題に対応し、これからの日本の農業が目指すみどりの食料システム戦略、こういったものが示されました。この中では低リスク農薬への転換、総合的な病害虫管理体系の確立・普及に加えまして、ネオニコチノイド系を含む従来の殺虫剤に代わる新規農薬等の開発によりまして、化学農薬の使用量50%減、耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%にするというようなことが掲げられました。

 国は、これらの高い目標の実現に向けまして、各地域の状況に応じた資材、エネルギーの調達から、いわゆる農林水産物の生産、流通、消費に至るまでの環境負荷低減と持続的発展に向けた地域ぐるみのモデル的先進地区の創出、こちらを支援しております。

 一方で、村のほうでございますけれども、村のほうでは化学肥料と農薬の使用量、こちらを半分以下に抑える茨城県特別栽培農産物認証を受けました生産者、こちらと禁止農薬や化学肥料、遺伝子組換え技術などの不使用、こういったものによります有機的管理を行う、いわゆる有機JAS規格に定める認定を受けた者、この2つに対しまして村単独補助であります環境にやさしい農作物栽培奨励補助金、こちらを交付しております。

 今後は、生産者や消費者が有機栽培、それによります有機農産物について理解を深められるよう情報発信を行いまして、その認知度や、いわゆる需要の高まり、これによりまして将来の学校給食への有機農産物の提供につなげていければと、そのように考えているところでございます。

◆需要の高まりというところですね。

 私は1年半前に環境サミットに参加したことで、子どもたちにはオーガニックの食材を食べさせてあげたいと強く思うようになりました。子育て中のお母さんの声に耳を傾けても、やはりオーガニック食材を使った給食への希望は大きいです。

 役場職員の地道なお仕事のおかげで、聞くところによると生産者が少しずつ増えていると聞きます。希望が持てるところです。答弁では、課題はあるものの前向きな答えをいただけたと思います。教育長が言われた食材の安定的な確保という点が私も最も大きい課題と考えます。できるところから少しずつでも変えていく努力が必要と考えます。

 そこで、再質問です。

 疑わしきは規制や禁止をするという予防原則の観点から、学校給食用食材には、EUでは使用が禁止されているネオニコチノイド系のような農薬、これはミツバチの帰巣本能を壊す、ミツバチが巣に帰る、そういう本能を壊すということで話題になりました。それはミツバチだけでなく、人間の脳神経の発達にも悪い影響が心配されている化学農薬、そのような農薬を使用しない、もしくは使用を少なくしてもらう、そのようなことはできないか伺います。

 2点目です。有機農産物の生産量を増やすには、生産者が有機栽培に挑戦しやすくなるような環境づくりが求められます。

 例えばオーガニック給食の導入が進んでいる千葉県のいすみ市では、農機具などを無償で貸し出したり、当初は普通米の1.5倍の価格で自治体が買い取ったりして支えてきたそうです。今ではブランド米「いすみっこ」として販売されています。有機栽培に取り組む農家の不安に寄り添い、自治体が支える仕組みづくりについて、いかがお考えでしょうか。

 以上2点お伺いいたします。

産業部長 まず、1点目の農薬に関しましては、これまでも国の定める農薬の使用基準、使用方法などに基づきまして、農業生産法人やいわゆる生産者の皆さんがそれぞれ適切な取扱いを行いまして、病害虫の駆除・防除、こちらに努めてまいったところでありますが、今般JA常陸から有機農業、有機栽培に取り組んでまいると明確な意向を伺いましたので、農薬の使用につきましては、この取組の広がりに比例して減量に向かうものと思われます。

 次に、2点目の有機栽培・有機農産物につきましては、全国の先進的な事例を参考にしながら、現在の村独自の制度、こちらを見直すなど有機栽培の知識を深め、生産者が特色のある農業に取り組むことができ、消費者がさらに安心安全に食べられるというような有機農産物の生産、消費体制、この環境や仕組みを研究して情報発信をしてまいります。

 最後になりますけれども、村では今年度より、農地を将来にわたって確保し、地域農業を維持していくために目指すべき地域農業の在り方を、農業者や地域の皆さん、関係者の皆さんと話合い、考え、明確化する地域計画、これまでは「人・農地プラン」と申し上げておりましたが、この地域計画の策定に着手しております。今後、様々な地域の農業関係者と座談会や研修会などを通しまして、話合いの場を設けていく予定であります。その中で有機栽培に関する先進事例の紹介や意向の確認など、理解を深め、機運を高める取組を行っていきたいと、そのように考えております。

◆国の基準できっちり定められたような使用をしてくださっているというところは分かるところです。ただ、国の基準が後追いで変わっていくこともありますので、東海村としては積極的に、より安全な農作物を作れるような支援をしていただけたらと思います。

 その基準なんですけれども、気候も違うので、それぞれの国の定める基準というのに違いがあるのでしょうが、ネオニコチノイドについては様々な視点から、その影響、特に子どもたちの発達に関する影響が懸念されていました。ようやく国や地元JAが動き出したかという思いです。

 ちなみに、東海村で行ってきた空中散布、かなり今は精度がよくなって限られた範囲に散布しているようですけれども、チアメトキサムはネオニコチノイド系農薬で、EUでは2018年に屋外使用禁止になっています。早く見直されるとよいと思います。

 全国に広がる学校給食のオーガニック化の流れに後れを取らないため、また生産者が有機栽培にチャレンジできる農業政策を打ち出すためには、村長の力強いリーダーシップが必要と考えます。村長いかがお考えでしょうか。

村長 お答えします。

 先ほど教育長が答弁しましたように、オーガニック食材を学校給食へ取り入れる自治体が出てきていることや、食材の安全性への意識が少しずつ高まっていることは認識しております。

 また、農業分野において国がみどりの食料システム戦略を示したことも含め、全国的に持続可能な食料システムの構築や環境負荷低減への取組が進められているところでございます。

 村としましては、まず全国オーガニック給食協議会への参加を決めたところでありますので、先進事例の研修などを通してオーガニック給食導入の可能性を調査してまいりますとともに、生産者や消費者に有機栽培や有機農産物を理解してもらうための取組や関係者の機運醸成を図ることから始めたいと考えています。

◆機運醸成から村長自身図っていきたいというところで、ありがとうございます。

 今回、質問するに当たり、生産者にも意見を伺いました。有機栽培に取り組むことはできるが、販路に不安があるとのことでした。仮に学校給食用として公共調達するとなれば、チャレンジする人は確実に増えるようです。先進自治体がそうであったように、方針が決まれば結果はついてくると思います。

 2月に東京新聞が見開きで出されたんですけれども、先進事例なんかも載っておりますので、また参考にしていただけたらと思います。私の手元にあります。

 今回、東海村が全国オーガニック給食協議会へ参加されたことは、茨城オーガニック給食プロジェクトで活躍している多数のグループの大きな励みになります。議場ではお礼を言う場ではないのでしょうが、本当によかったです。ありがとうございます。これから期待するところです。

 先日、茨城新聞に出ていた記事ですが、5月にJAなめがたしおさいの主催で開かれた食料安全保障講演会の中で、東京大学大学院農学生命科学研究科の鈴木教授は、減化学肥料・減農薬、できれば有機自然栽培、これが世界の潮流であることは間違いないと、しっかりと主張されたそうです。みどりの食料システム戦略で方向性が示されたことで、各地のJAも動き出しました。これを見ると、結構長いスパンで考えて、2040年までにネオニコチノイド系どうのこうのという感じで、ちょっと長いかなというところですね。そういうところも国の方針はゆっくりなので、今後、村長のリーダーシップの下、有機栽培へチャレンジする農家がさらに増え、オーガニック食材の提供につながることを願います。

 次の質問に移ります。

◆2問目は、LGBTQ+多様な性を認め合える社会づくりについての質問です。

 LGBTについて、平成26年、今から8年前になります。初めて議会で取り上げました。性自認で深く悩んでいる子どもがいると知ったことがきっかけでした。当時より耳にすることが多くなったとはいえ、国会議員や地方議会議員の差別的発言に触れるとき、当事者はどれほど傷ついているかと想像し、心が痛くなります。

 WHO世界保健機関では、1990年に国際障害疾病分類から同性愛の項目を除外し、同性愛は精神病ではないことを世界に宣言しました。同じくWHOは、2019年にはトランスジェンダー、日本語で言うと性同一性障害ですね、その性同一性障害を、それまでの精神障害の分類から除外し、性別不合に変更したとのことです。つまりLGBTは病気ではないということです。

 しかし、国会議員や地方議員の差別発言が報道されるように、LGBTQと表現される多様な性に対する理解不足から生まれる偏見や差別は、今もいろいろなところに潜んでいます。

 質問の1点は、男か女かだけでなく、性や愛に様々な形があることを知って、一人ひとりが自分らしく生き、誰もが安心して暮らすことのできる社会実現に向けて、村の制度等にどのように反映されているのか伺います。

 質問の2点目は、条例についてです。東海村男女共同参画推進条例に基づいて、令和3年3月のパートナーシップ推進プロジェクト、こちらの概要版ですね、プロジェクトに行動計画がまとめられています。これは概要版ですが、中を見るとLGBTについてしっかりと取り上げられています。このときにはQ+はありませんが、同じ適用と考えます。

 東海村男女共同参画推進条例8条に「何人も、家庭、学校、地域、職域その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的な取扱いを行ってはならない」とありますが、県の条例は19条で「性的指向及び性自認を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない」とあり、より明確であると思いまず。短く言うと、性別による差別と性的指向及び性自認を理由とする差別です。県条例のほうが分かりやすいと考えます。改正したほうがよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

村民生活部長 お答えいたします。

 まず、村では一人ひとりが個性豊かに生き生きと暮らすことができ、互いに自己実現を図ることができる社会実現に向け、村・村民・事業者及び教育関係者の責務等を明記した男女共同参画推進条例を平成19年に施行しております。この条例において、村は施策を総合的、計画的に推進するための行動計画を定めることが規定されていることから、現在、令和3年度から令和7年度までの5か年を計画年度といたしました第5次男女共同参画推進計画を策定し、その基本方針の一つに性の多様性の尊重を掲げているところでございます。

 LGBTQ+を含む性的マイノリティーの方々は、社会の偏見や生活上の困難に直面されています。村としては、性の多様性の尊重という基本方針に基づき、職場、地域、家庭等のあらゆる場面において、多様な性の在り方を正しく理解するための活動を促進するため、性的マイノリティーを含む人権問題の意識啓発や人権特設相談所の設置など、誰もが自分らしく生きていける社会の実現を目指して、その意識醸成に取り組んでいるところでございます。

 次に、条例改正の考え方についてでございますが、現在、国において性的マイノリティーへの理解促進を目的とした法案等について広く議論されているところでございますので、この国の動向等を注視しつつ調査研究を進めてまいりたいと考えております。

◆条例については、おっしゃるように国で検討されている最中というところです。分かります。それで、東海村では、行動計画の中でしっかり示してあるので、改正を急ぐものではないかなとも思うところですが、検討よろしくお願いいたします。

 究極のところは自分らしく生きることができる、そんな寛容な社会になればよいと考えております。

 さて、LGBTQを自認するのは小学生から高校生ぐらいの年齢が多いようです。ちょうど思春期と重なり、多感な時期に気がつくことが多いのかと思います。ある調査では、13歳、14歳頃が最多とありました。子どもたちが不安や自己否定につながらないような取組が求められます。学校での取組について伺います。

教育長 お答えいたします。

 LGBTQ+を含む性的マイノリティーに関する学校での対応については、児童生徒に対して日常の教育活動を通じて人権意識の醸成を図るとともに、当該児童生徒が相談しやすい環境を整えることが重要であると考えています。

 そこで、学校では、いかなる理由でもいじめや差別を許さない生徒指導や人権教育を推進するとともに、性的マイノリティーとされる児童生徒が安心して学校生活を送ることができるように教職員が悩みや不安を抱える児童生徒のよき理解者となるよう努めています。

 また、性的マイノリティーとされる児童生徒には、自身のそうした状態を秘匿しておきたい場合があることなどを踏まえ、児童生徒が希望する教職員に相談できる体制を整えたり、タブレットを活用してオンラインで相談できる窓口を設置したりするなど、日頃から児童生徒が相談しやすい環境づくりに努めています。

 性的マイノリティーへの理解を深め、当該児童生徒に対するきめ細やかな対応を実施するために、村教育委員会では今年度8月にNPO法人RAINBOW茨城より講師をお迎えして、教職員の研修を実施する予定です。児童生徒については、発達段階を考慮し、特に中学校において講演会を実施して理解啓発を図っております。

 また、具体的な支援の一つとして、現在東海中学校、東海南中学校とも校則における制服の見直しを行い、ジェンダーレス制服の導入の準備を進めているところです。

◆ジェンダーレス、まさしくそのあたりかと思います。

 先日テレビ番組で、トランスジェンダーのお子さんの中学生後半から大学に通う頃までの成長記録を見ました。中学に入学してスカートをはくことがとてもとても苦しかったと言っていました。また、SNSを使って友達にカミングアウトするときの緊張した不安げな表情と、友達から「これまでと何も変わらないよ」と返事を受け取ったときのほっとした喜びの顔、そしてその後の前向きに活動する様子は堂々としたものでした。受け止めてくれる人がいるということは、子どもたちにも大きな自信につながると思います。

 ある当事者の方に伺ったところ、学校の先生方は勉強しているので受け止めてもらえるとのことでした。とはいえ、相談するのにも勇気が要ることです。せめて子どもたちが性の在り方で自己否定しないように「性自認はありのままでいいんだ」と発信していただければと思います。

 続いて、村長にお尋ねいたします。

 県のパートナーシップ宣誓制度により、東海病院とは連携できているようですが、そのほかは曖昧です。統計的に見ると、これはあくまで統計、数字を職員数に掛けてみるとというところですが、役場職員の中にも10人から40人前後ぐらいのLGBTQに該当する方がいることになります。

 村長は寛容なお考えの方だと私は思います。村長としてのお考えを改めて伺うことで当事者の安心につながればと思いますので、村長のお考えをお聞かせください。

村長 お答えします。

 国内ではLGBTという言葉の浸透率が8割に上っているという調査結果もありますので、知識としては一定程度認知されてきているのかと思いますけれども、本質的な理解というところはまだまだというふうに感じます。

 そういう意味では、多様な性を認め合うというこの意識醸成の研修等は必要だと思いますが、それをやりつつ、ただLGBTという言葉を殊さらクローズアップし過ぎるのもいかがなものかというふうに思っていますので、私は先日、福祉まつりの日に「みんな違って、みんないい」と。笑顔でつなごう東海村の最初は「みんな違って、みんないい」。あれも本当一人ひとりの多様性を認め合う、お互いが思いやるという本質的なものなんで、やっぱりそういうところをしっかり地域づくりに反映していきたいなというふうに思っています。

◆村長おっしゃるとおりLGBTQ+とかという言葉をもう使わなくていい世の中になる、そこが究極、目指すところかなと思います。本当にありがとうございます。

 今の村長のお考えを聞いたところで、ほっとされた職員さんたちもいらっしゃるんではないかと想像します。議員としての質問の範疇かどうか曖昧なところがあるので、最後に意見として述べさせていただきます。

 県のパートナーシップ宣誓制度を受けた場合、東海病院においては家族同様の扱いになるとのことですが、例えば村職員がパートナーシップ制度を届けた場合、役場職員の休暇制度など福利厚生はどのようになっているのでしょうか。もし差があるようでしたら、その差をそのままにしておくことは差別につながると考えます。差別が起きないように今後取り組んでいただけたらと思います。

 次の質問に移ります。

◆3問目は、投票率低下を改善するために何ができるかについてです。

 選挙は民主主義の根幹ですが、近年、全国的に投票率は低下傾向にあるようです。資料を出していただきました。見やすくまとめていただき、ありがとうございます。この資料からも分かるように、過半数に届くか届かないの投票率では、民主主義という政治システムが機能しなくなり、政策に民意が反映されにくくなると考えます。特に若い人の投票率が低過ぎます。一番身近な政治の場である私たちが臨んでいる東海村議会議員選挙も、前回はどうにか過半数を超えている程度です。住民の政治離れは我々議員にもその責任があることを自覚し、住民に開かれた議会を目指さなければなりませんが、一方、教育の果たす役割や行政の取組も大きいと考えます。

 1回目の質問は、投票率の低下をどのように捉えているか伺います。

総務部長 お答えします。

 本村における投票率の状況は、資料のとおりとなっておりますが、年代別では特に若年層の投票率が低い傾向にあります。これは全国的にも同様の傾向であり、総務省が18歳から20歳を対象に実施した調査によりますと、投票に行かなかった理由として「選挙にあまり関心がない」「投票に行くのが面倒」といった要因が挙げられております。

 村選挙管理委員会では、昨年の茨城県議会議員一般選挙におきまして、産業・情報プラザアイヴィルに試験的に期日前投票を設置したほか、東海村白バラ会とともに村内の大型商業施設等との連携による新たな形での啓発活動を実施するなど、東海駅の利用者や買物客が投票しやすい環境づくりや投票への働きかけなどに取り組んできておりましたが、最も重要なことは、これ以上社会に対する無関心が広がらないよう有権者が若い段階から政治参加の重要性を認識していただくことであるものと考えております。

 そのため、今後、新たに国の主権者教育アドバイザー制度を活用し、選挙権年齢を迎える高校生等に対し、有識者の指導により、主権者として求められる力を育成する機会を設けることで、自ら積極的に投票に参加する意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。

◆東海駅の利用者や買物客が利用しやすい環境づくりで、アイヴィルに期日前投票所を設けられたことは、とてもよかったかと思います。皆さんのいろいろなアイデアで投票率アップにつながっていけばなと思います。

 再質問は、子どもたちへの主権者教育、政治教育について伺います。

 若者の政治参加を促すため、政治離れに歯止めをかけるために、平成27年6月に選挙権が18歳に引き下げられ、法令改正が行われましたが、大人が考えるように、そのようにはいかず、若者の投票行動にはつながっていません。ある調査による若者の声です。「学校現場での政治教育がほとんどなかった」「政治について語り合う場もない」「18歳になったら投票と急に言われても、どういう人に投票してよいか分からない」「学校での政治や選挙に関する授業がもっとあったらよかった」「投票しても何も変わらない」などの声が寄せられていました。子どもたちへの主権者教育、政治教育はどのようなことが行われているのかお伺いいたします。

教育長 お答えいたします。

 小中学校における主権者教育は、単に政治の仕組みについて必要な知識を習得させるだけではなく、主権者として社会の中で自立し、他者と連携協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を地域の構成員の一人として主体的に担う力を発達の段階に応じて身に着けさせることを目的としており、主に社会科や家庭科、特別の教科道徳、特別活動、総合的な学習の時間において行われています。

 社会科では、課題を追及したり解決したりする活動を通して、個人の尊厳や民主主義といった現実社会について判断する際に必要な概念を多面的、多角的に考察したり、構想したりすること、社会的事象に関心を持ち続けること、情報発信者の意図などに留意して情報を収集することなど、主権者に必要不可欠な資質能力を育成しています。その中で選挙については、茨城県選挙管理委員会で作成したガイドブック、小学校6年生向け「かけがえのない一票 願いはわたしたちの手で」、中学校3年生向け「18歳のわたしへ 民主主義の主役はわたしたち」を活用して選挙に対する知識や関心の涵養に努めているところです。

 特別活動では、学級会等を通して児童生徒にとって一番身近な社会である学級や学校の生活上の課題を見出し、課題を解決するために話し合い、多様な意見のよさを生かして合意形成ができるようにしています。

 また、学級や学年、生徒会の代表者を選ぶ多数決や選挙を通して、政治に参加する方法を体験的に学んでいます。

 今後も各教科等の内容を指導する時期や内容同士の関連づけを図った教育課程の編成を工夫し、主権者として求められる力を教科等横断的な視点で育成していきたいと考えています。

◆今、教育長がおっしゃった「民主主義の主役は私たち一人ひとりであり」というところは本当にそう思います。そのことを教育の場でしっかりとお伝え願えたらと思います。一人ひとりがいかに幸せに暮らせる社会になるか、その一つの方法が選挙であるということですが、それをどのように伝えるか、我々議員にも問われているところです。

 私は、政治は生活に密着している、特に基礎自治体の選挙はまちづくりの方向を決める身近な選挙であることなどをもっと若者にアピールしていかなければならないと、改めて考えております。

 子どもや若者の声をまちづくりに生かす一つの方法として、子ども議会や若者議会開催があります。臨場感のある体験は大きいです。しかし、以前に行っていた子ども議会のやり方では、先生方への負担が大きかったと思います。そこで、私たち議員が企画運営する子ども議会を行ってみるのもよいと考えました。

 例えばエンジョイ・サマースクールの一つとしてエントリーし、執行部の協力も得て議場を使い、子どもの声を聞く、子どもの傍聴もオーケー、親御さんの傍聴もあるので、議場に足を運ぶ住民が増えることになります。まずは、ほかの議員の皆さんに提案して賛同をいただいてになりますが、行政の協力も必要です。

 議会内の意見がまとまってのことではありますが、今後、子ども・若者向けの企画や例えば土曜日曜・夜間議会開催などとなったとき、そのときは執行部の協力はいただけるでしょうか、お尋ねします。

総務部長 お答えします。

 議員ご提案の土曜日曜議会の開催等の対応についてでございますが、住民に開かれた議会の実現に有益であるとの考えの下に、執行部側に要請があった場合には適宜対応してまいりたいと考えております。

◆質問は3回しましたので、ちょっと意見を述べさせていただきます。

 エンジョイ・サマースクールについては、今年の夏には間に合わないようです。来年の夏休みまでに、我々議員は改選を控えていますので、ちょっと悩ましいところではありますが、実現したらよいと考えます。

 提案が2点あります。

 育児中の方が傍聴しやすいように、乳幼児の一時預かりなどの対応ができるとよいと考えています。

 また、この辺は難しいところかもしれませんが、選挙権について1点申し上げます。村内には研究者をはじめ外国籍のまま長年お住まいで税金を納めている方がいますが、選挙権はありません。外国籍住民への地方参政権は憲法上禁止されていないと、平成7年に最高裁が判決していますので、外国籍住民の地方参政権についての検討が今後あってもよいかと思います。

 以上で私の質問を終わります。