えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

令和4年12月議会質問内容

◆光風会、恵利いつです。

 今月に入り、寒さも一段と厳しくなり、ほしいも作りの季節がやってきました。ふるさと納税の返礼品で大人気のようです。そのほしいもが海の向こうでも重宝されているという新聞記事がありました。FIFAワールドカップで日本チームはクロアチア戦に惜しくも敗れましたが、強豪ドイツやスペインの代表を破りました。その選手たちに速やかな栄養補給を行うための補食として、ほしいもが提供されているとのことです。東海村のソウルフードであるほしいもは世界で戦える自然食品です。ますます人気が出ることでしょう。

 では、質問に入ります。

 質問の1点目は、東海村が取り組むカーボンニュートラル政策についてです。先の三上議員の質問と方向性重なるところもありますけれども、私の視点から質問させていただきます。

 気候の不可逆的な変化を防ぐために残されている時間、ティッピングポイントというらしいです。それまでの時間は限られています。その限られた時間を世界中の多くの若者が危機感を持って捉えており、行動している様子を皆さんもご存じでしょう。我々大人より若者のほうが影響を受けるのです。国内でいえば年金問題やインフラ老朽化、放射性廃棄物など様々な負の遺産を次の世代に負わせてしまう現実があります。だからこそ国が目指す2050年ゼロカーボン達成のために、地方自治体としてもしっかりと取り組み、温暖化にブレーキをかけなければなりません。

 稲敷市では、太陽光やバイオマスを利用した地域新電力会社を来年1月に立ち上げ、再生可能エネルギーの導入による脱炭素化と電力の地産地消を図るという報道がありました。自治体出資による電力事業者の設立は、県内で初めてとのことです。ゼロカーボンを目指す挑戦的な取組と思いました。

 東海村は、これまでに省エネの取組や太陽光発電システム導入の補助政策など創エネにも取り組んできましたが、これまでの延長では2050年にゼロカーボンを達することは厳しいでしょう。

 そこで、さらなる取組が必要と考えたとき、東海村にはほしいも作りで出る残渣があるので、バイオマス発電ができるのではないかと思ったのですが、これも現状では課題があるとのことなので、今後に期待しております。

 そこで質問は、村は2050年、カーボンニュートラル達成のための政策としてどのようなことを考えているのか伺います。

 また、コロナ感染防止対策等にも配慮しながらも、エコオフィスプランの推進は求められますが、いかがお考えでしょうか。

村民生活部長 お答えいたします。

 2050年カーボンニュートラルは世界的な潮流となっており、本村におきましても国に先立ち、他自治体とともにゼロカーボンシティーを表明しております。カーボンニュートラルの実現には、再生可能エネルギーの利用促進と省エネルギー設備機器の利用促進といった創エネ・省エネ両輪での取組による温室効果ガスの発生抑制が重要と考えております。

 本村としましては、再生可能エネルギー推進のため、これまで公共施設への太陽光発電システムの設置、一般家庭の太陽光発電システムの設置支援を実施してきており、今年度からは省エネルギー推進のため一般家庭への高断熱窓設置の支援を開始しているところでございます。

 また、行政の率先行動としまして、公共施設へのさらなる再生可能エネルギー導入のため、本年度はその可能性を調査しているところであり、現在、現地調査を終え、図面等の書類調査実施と取りまとめの作業を行っている状況でございます。

 なお、行政の行動計画であるエコオフィスプランは今年度より第5次へと移行しており、前計画である第4次エコオフィスプランでの二酸化炭素排出量の削減目標以上に、カーボンニュートラルを意識した目標の設定と取組を推進しているところでございます。

◆公共施設への再生可能エネルギー設置の可能性調査を終えたとのことですが、今後の取組に期待いたします。

 私は、福島第一原発事故を見て、自宅において再生可能エネルギーをつくらなければならないと考え、太陽光発電システム導入を決めました。当時は1キロワット当たり約60万円でしたが、国や村の補助金があったので、1キロワット50万円くらいで設置できたことになりました。最近の費用は30万円くらいと聞いております。

 これまで村では再エネ普及の補助政策、補助金の額を見直しつつですけれども、粛々と継続してきたことは、とてもよいことと思います。継続は力です。しかし、これからは「住民とともにゼロカーボンを目指す」という明確な目標を、「住民とともに」ですから、住民にインパクトのあるやり方で、しっかりとアピールすることが必要と考えます。

 そこで、質問の1点は、2050年ゼロカーボン達成のために太陽光発電システムの普及の具体的な目標値を伺います。

 また、エコオフィスプランについて2点伺います。

 昨年度までの第4次エコオフィスプランは、目標のどの程度達成できたのでしょうか。また、第5次エコオフィスプランのポイントは何か伺います。

村民生活部長 お答えいたします。

 国におきまして、政府の事務事業からの温室効果ガス排出削減計画である政府実行計画を昨年10月に改定し、政府が保有する設置可能な建築物の約50%以上に太陽光発電設備を設置することを目指すとしております。

 ご質問の太陽光発電システムの設置目標につきましては、村として数値を定めてはございませんが、この政府目標は地方公共団体に対しても求めていることから、公共施設においてはこの政府目標が一つの基準となってくるものと認識してございます。

 また、家庭に対する設置目標につきましても、住宅個々の実情等もあることから数値化しておりませんが、社会情勢等を踏まえつつ現在実施している太陽光発電システム設置に対する補助制度による支援を継続してまいります。

 次に、第4次エコオフィスプランの結果につきましてお答えいたします。

 第4次エコオフィスプランは平成27年度を基準に、平成29年度から令和3年度までの5年間を計画期間と定めておりました。目標とする二酸化炭素排出量は5年間で719.1トン、2.3%の削減を掲げ、実績値といたしましては3,917トン、12%の削減を達成することができました。

 最後に、第5次エコオフィスプランのポイントとなりますが、これまでのエコオフィスプランでは、基準年度の数値に対し、過去の実績を踏まえた上で削減する目標値を定めるという手法を取ってまいりました。計画期間を令和4年度から令和8年度の5年間とする第5次エコオフィスプランでは、2050年カーボンニュートラルの実現を踏まえまして、2030年の目標値を国と同レベルに設定し、そこからバックキャスティングにより5年間の目標を定めることにより、令和元年度比ではマイナス25%という、よりチャレンジングな計画となってございます。

 この目標達成のために、職員による節電意識の向上の啓発や施設の運用方法などの改善を継続するとともに、二酸化炭素排出のより少ない再生可能エネルギー由来の電力需給を検討するなど、新たな取組を計画に掲げてございます。

◆今、答弁で、よりチャレンジングな目標を掲げたということでしたけれども、残念ながら強力なメッセージを感じませんでした。目標値を「国がこれぐらいだからその程度に」というのでは残念です。もっと必死にならなければいけないと考えます。

 50%の目標、これもかなり厳しいのでしょうが、村には電源立地交付金や電力会社からの税金も入ってきます。そのようなお金をもっとゼロカーボン政策に活用すれば、公共施設の建物以外にコミセン等の駐車場にも設置できるのではないでしょうか。コミセンは所管が違いますが、全庁的に取り組めばもっと高い目標を掲げることができるはずです。これまでと変わらないやり方でなく、ゼロカーボンに向けた村の目標値を国より高く明確に掲げ、村の本気度をもっと積極的に住民や事業者にも示すべきと考えます。例えば、読書週間とか交通安全週間というと、何かイメージしやすいですので、そういう村独自のキャンペーンのようなものを掲げてみるのはいかがでしょうか。

 日本から遠く離れたところで温室効果ガスは出していないのに最も影響を受け、住むところがなくなっている人たち、マパ(Most Affected People and Areas)と言われる人たちが今現在も増えている地球規模の危機です。役場だけでゼロカーボンを達成すれば済むという問題ではありません。

 営農型太陽光発電設置を行って、同じ面積からダブルで収入を得ている農家もあります。そのような活用もできると思います。そのほか、不動産業者や建設関係者はもちろん、村内事業者にも積極的に協力を求め、行政も住民も事業者も一緒になって取り組まなければならない、そう思えるような仕掛けがあれば弾みがつくと考えますが、いかがでしょうか。

村民生活部長 お答えいたします。

 カーボンニュートラルの実現につきましては、様々な主体による取組が必要であると認識してございます。村としましては、村民の皆様に対してカーボンニュートラルの目的となる地球温暖化防止の必要性を継続的に周知するとともに、村が実施する支援などにつきまして、様々な広報媒体の活用や地域イベントの活用、住民や事業者の協力による啓発活動など、これまで以上にアピールの場を増やし、村民全体の理解促進につなげてまいりたいと考えております。

◆温室効果ガスの排出ゼロを目指すという課題は明確ですが、残されている時間は本当に限られています。第5次エコオフィスプランは、これまで以上にチャレンジングな計画ということですから、議会も一緒になって取り組みたいと思います。

◆2問目は、防災訓練の取組についてです。

 原子力施設を抱える東海村にとって、原子力災害に備えた避難訓練は必須であり、ジェー・シー・オー事故後、これまでに村外へ避難する訓練も数回行われてきましたが、自然災害に備えた防災訓練も必要であると考え、質問いたします。

 去る10月22日に真崎地区で開催された防災訓練に、3年ぶりに参加しました。当日はコロナ感染に気をつけながらの訓練でしたが、煙体験、消火器の使い方、AED操作、ガスボンベを使った発電機操作等、とても勉強になりました。このような訓練を定期的に行う大切さを改めて感じた次第です。村の訓練状況や今後の取組について伺います。また、学校現場での取組についても伺います。

村民生活部長 お答えいたします。

 村内には、「自分たちの地域は自分たちで守る」という共助の精神に基づきまして、地域住民が自主的に連帯して防災活動を行う自主防災組織が村内29地区で結成されてございます。この自主防災組織が行っている訓練でございますが、久慈川沿いの地域では、久慈川氾濫発生時の逃げ遅れゼロを目指したマイタイムライン作成講習会などを、津波による被害が想定される地域では、地震に伴う津波からの避難訓練などを、そのほか炊き出し訓練や初期消火訓練など地域の実情に応じた訓練を実施しております。

 また、村では、これらの自主防災組織に対し、防災資機材を活用した年1回以上の訓練、点検等を行うことなどを条件に、防災資機材及び備蓄食料の購入等に要する費用の一部を補助したり、自主防災組織など地域から防災に関する指導や講習の依頼があった際には村職員も参加し、防災知識の普及啓発等を行ったりし、地域における防災力強化に取り組んでいるところでございます。

 さらに、村内小中学校においても、各種災害を想定した訓練を年に複数回実施し、自助共助への取組等、防災意識の向上を図っております。

 このような定期的な訓練は、災害が激甚化し、頻発化する傾向が見受けられる中、自助・共助・公助の取組を再確認し、適切なタイミングでの避難や災害時の防災活動を意識づけるのに大変有効であることから、村が主催する自然災害を想定した防災訓練の実施に向け、関係機関と協議、検討を進めてまいりたいと考えております。

◆防災訓練の実施に向け、検討していくということ分かりました。真崎地区は河川の氾濫や津波等の自然災害という点では心配は少ない地形ですが、答弁から久慈川沿いの地域での取組も分かりました。各地区にある自主防災組織で、それぞれに工夫して取り組まれていることが分かり、たくさんの方がご協力いただいているんだなということが分かりました。「備えあれば憂いなし」です。

 再質問ですが、村は自然災害を想定した防災訓練を行う予定とのことですが、具体的なイメージがあるのか伺います。

 また、学校で行われている防災訓練とは具体的にどのような内容なのでしょうか、お尋ねいたします。

教育部長 お答えいたします。

 村内の小中学校においての具体的な防災訓練はということでございますので、学校の実情に応じて学期に1回程度、様々な災害等を想定いたしました避難訓練を実施しております。

 具体的には、地震や火災、原子力事故、不審者を想定した訓練でありますが、村松小学校におきましては学校が立地している地形を鑑みまして、土砂災害想定した訓練を加えております。

 学区ごとに危機管理マニュアルを作成しておりますので、これに基づき教頭先生や安全教育担当教師のリーダーシップの下、避難訓練を実施いたしまして、加えて保護者への引渡し訓練なども年に1回程度行っている状況でございます。

 訓練を通しまして、児童生徒の防災意識を高め、自分の命は自分で守ることができるような力の育成に努めております。

 そのため、学級単位で並んで屋外や体育館に避難する訓練だけではなく、消火体験や煙体験などの活動を通した訓練を取り入れるなど、教師の指示がなくても、いつでも、どこにいても自分で考え、避難行動が取れるような訓練としております。

 また、休み時間中などに予告なしに訓練を実施することなどにも取り組んでいるところでございます。

 共助の取組につきましては、発達段階に応じまして、練習用のAEDを用いて、目の前の命の危険がある人を救うための訓練を通しまして、学校のどこにAEDが設置してあるのか、いざという場合のAEDの使い方について学ぶとともに、模型などを用いながら救急救命の重要性について学習をしております。

村民生活部長 村が主催します自然災害を想定した防災訓練の具体的なイメージでございますが、県や県内の他自治体では河川の氾濫、大規模地震や津波を想定した訓練を行っておりますので、それらの事例や国の中央防災会議が決定しました総合防災訓練大綱を参考に、実践的な訓練となるよう、その内容を検討してまいりたいと考えております。

◆再々質問ではないんですけれども、学校で行う防災訓練というと、私が子どもの頃、もう半世紀以上前の話だから参考にもなりませんけれども、その頃は机の下に隠れるか校舎外へ避難する、その程度の訓練だったのですが、今はかなり具体的に取り組んでいることが分かりました。自分の命は自分で守るというそのためにも、基本的なことを繰り返し訓練する教育の大切さを改めて思うところです。よろしくお願いいたします。

 さて、先日の真崎地区の訓練ですが、指導に当たってくださった方々のおかげで、訓練は具体的であり、また時に臨場感のあるものでした。ここで少し紹介させていただきます。

 消火器訓練では、慌てると炎に向かって噴射しそうですが、炎ではなく火元を狙い、少しずつ近づくこと、部屋の中で消火器を使うときは、消火剤で部屋の中が真っ白になり見えなくなるので、使用前にまず避難経路を確認し、ドアを背にして噴射する。目安として火が天井に達したら消火活動はやめてドアを閉めて逃げる。AEDについては、複数の人がそばにいるときは救急に電話をしたり、AEDを探しに行ったり、胸の圧迫を行ったりと役割を決め、冷静に対応する。緊張感を感じるほどリアリティーがありました。

 また、煙体験では背を低くしつつ、できるだけ煙を吸い込まないように口元をハンカチ等で押さえて壁際に沿って進む、そして個人的に一番苦労したのはガスボンベのつなぎ方でした。本当に良い経験でした。失敗しても経験は力になります。自主防災組織の方や自治会の方はじめ、訓練開催にご協力いただいた皆様に改めて感謝いたします。

 3問目の質問に移ります。

◆3問目は、行政が行うアンケート調査についてです。

 今回の質問のきっかけは、東海村介護予防・日常生活圏域ニーズ調査が私に届いたことです。アンケート用紙の説明書きには、10月1日現在、要介護認定を受けていない65歳以上の方から1,500名を無作為に抽出したとありました。行政が行うアンケートは、住民の課題を的確に把握し、住民に寄り添った行政サービスを提供していくために必要な調査であることは理解します。そして、調査内容によってはプライバシーに踏み込んだ設問になることも理解します。だからこそ、その扱いには細心の注意が求められます。

 さて、11月に行われた東海村介護予防・日常生活圏域ニーズ調査では、家族構成や生活状況はもとより、体の状態、地域活動、誰が愚痴を聞いてくれるか等の交友関係の詳細について、70項目以上の質問がありました。中には、現在の幸せ度を「とても不幸」をゼロ、「とても幸せ」を10とし、11段階で答えるものがありました。それほどプライベートなことを尋ねていました。

 計画策定の基礎調査となるので、私も一問一問真剣に答えました。しかし、返信用の封筒に入れようとしたとき、表に住所と名前、番号が印刷されていることに気がつき、私個人としては心情をのぞかれているようで抵抗を感じました。また、村政に関わる議員という立場から考えれば、アンケート調査において記名では回収率が下がるのではないかと疑問を感じました。

 1回目の質問は、この調査のために記名、先に印刷がしてありましたけれども、その名前が必要であったのか伺います。

 また、行政が行うアンケート全般についての基本的な考え、ガイドラインのようなものがあるのかお尋ねいたします。

福祉部長 お答えします。

 11月に実施しました東海村介護予防・日常生活圏域ニーズ調査につきましては、第9期の高齢者福祉計画、介護保険事業計画へ反映するための基礎資料となるものです。この調査では、要介護認定者を除く65歳以上、約8,300名のうち任意で抽出した方1,500名を対象に、個々の生活状況等といった国が定めた調査項目に村独自の設問が数項目入った調査内容となっております。

 今回、記名式で調査を実施した理由としましては、国が示す手引に沿って、個々の回答内容に応じて何らかの支援を要する高齢者を把握した場合、速やかに必要な支援につなげるために、調査結果と個人が照合できる必要性があったためでございます。

 また、回収した調査回答につきましては、再委託をしてはならない旨を仕様書上にうたった上で、外部業者へ委託し、集計、分析をしております。

 この結果を基に高齢者の心身の状況、その置かれている環境、その他の事情を把握し、生活状況から見た課題や各サービスニーズの必要性を捉えた上で次期計画におけるサービス提供体制を検討していく予定でございます。

総合戦略部長 お答えいたします。

 アンケートにつきましては、全庁的に統一されたガイドライン等があるわけではございません。福祉に限らず、村の各分野において調査目的や対象者に応じ、効果的な手法を検討の上、実施しているものと認識しております。

◆今回の質問が国の示す手引に従って行われたということは分かりました。言い換えれば、国からの要請があったので、それに従ったということか、まず伺います。

 2点目は、「この調査は村の高齢者福祉計画、介護保険事業計画をつくるための基礎資料とする目的以外には使用しません」とアンケートの前書きにありました。今の答弁では、個々人の回答内容に応じて何らかの支援が必要となった場合に、速やかに必要な支援につなげるために、調査結果と個人が照合できる必要があったとのことですけれども、アンケートについての説明のどこにも調査結果と個人を照合するとは書いてありません。アンケートの扱いとして間違ってはいないか伺います。

 3点目は、別の視点から2点伺います。

 1つは、限られた対象者という点です。困っている人がいるときに迅速な対応を取ることは大切なことです。しかし、今回のアンケート調査は、介護認定を受けてない村内65歳以上の8,300人の中から1,500人を無作為抽出しているので、調査対象は全体の20%未満と言えます。例えば今回のアンケート調査に抽出されなかった残り6,800人の中に支援を必要とする人がいたとしても、先ほどの答弁にあった速やかに必要な支援にはつながらないので、公平な機会が提供されているとは言えませんが、いかが考えますか。

 2つ目です。今回のアンケートの集計は外注するとのことでした。プライバシーに踏み込んだ調査内容が含まれるものについて、個人情報の漏えいがあってはなりません。集計・分析について、外注先からさらにその先へ委託、孫請というんですかね、しないことを庁内でしっかりと確認しておく必要があると考えます。どのようになっているのでしょうか、お尋ねします。

福祉部長 お答えします。

 この計画の作成に当たりましては、被保険者の心身の状況、その置かれている環境、その他の事情を正確に把握した上で作成に努めるものとされております。今回の調査は、主体は村でございますが、国の示す手引に沿って実施したところでございます。

 また、アンケートの扱いとして間違っていないかとのご質問につきましては、今回の調査目的は結果を次期計画へ反映させること、地域の抱える課題の特定に資することにございます。国の示す調査項目の考え方としましては、個別に対応、アプローチするための基礎資料として、本調査の結果を有効に活用することができるとされておりますことから、調査の趣旨に反するものではないと考えております。

 なお、村では毎年1回、原則としまして75歳以上の在宅でお暮しの高齢者全員を対象に高齢者状況調査を行い、状況に応じて必要な支援につなげているところでございますが、その上で今回の調査につきましても、支援につなげる一つのツールとして有効に活用しているところでございます。

総務部長 お答えいたします。

 東海村個人情報保護条例では、個人情報を取り扱う事務を委託する際には、個人情報の保護に関し必要な措置を講じることを規定しており、受託者に対しましては個人情報の漏えい、滅失などの防止と個人情報の適正な管理のために必要な措置を講じるよう求め、その事務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、または不当な目的に使用することを禁止し、その職を退いた後も同様に対応することと規定しております。

 個人情報の取扱いに当たりましては、従前から個人情報取扱事務委託基準を庁内に周知しております。これは個人情報保護条例の規定により、受託者に対し個人情報保護のため必要とする措置を契約上義務づけるに当たっての基準となるもので、契約の際に再委託や目的外使用の禁止の条項などを設けることになっており、今回のニーズ調査の場合も業務委託契約書においてこれを明記しております。

◆主体が村であることは分かりました。また、委託に関しては契約時に再委託、目的外使用の禁止を条項に設けているとのことで一応安心しました。でも、ニュースでもたまに見ますが、思わぬところから漏れることもありますので、あからさまな個人情報を開示したくない、不安だというのは当然のことです。アンケートの扱いに関する答弁は、かみ合っていないというより納得のいくものではありません。

 改めて1点確認させてください。今回のアンケート調査の一番の目的は何だったのでしょうか。

福祉部長 お答えします。

 今回、実施した調査の主要な目的は、高齢者の生活状況等を把握することで見えてくる課題や生活状況に合ったサービス提供体制を検討するための材料として得られた結果を次期計画へ反映させることにございます。

◆今、答弁いただいたように結果を次期計画へ反映するための調査ということですね。そのことに絞れば、回答用紙に名前、住所を記す必要はないわけです。今回のように1回の調査であれもこれもやろうとするのであれば、そのこともしっかり書くべきです。支援につなげたいので個人を特定するために名前を記載しているとか、そのようなことを明記すべきだったと思います。

 私の周りにいる65歳前後の友人10人くらいに聞きました。アンケートが届いたのは、そのうちの1人で、そのほか隣のおばあさんに相談を受けたという人が1人でした。アンケートが届かなかった人も含め、異口同音に「名前を出して個人の情報をそこまで書かなければならないの」と誰も首をかしげました。無記名であればプライバシーに踏み込んだ質問にも抵抗なく答えることができ、そしてたくさんの回答が集まり、住民のニーズがしっかり把握できます。デジタル化が進み、マイナンバーをはじめいろいろなことがひもづけされる時代です。住民の立場に立ったアンケートの在り方について、もう一度検討いただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。