えりいつ だいすき東海村 クローバー通信
恵利いつの村議会報告
平成24年9月議会質問内容
- 質問項目に「東海村版おひさま発電所」と書きましたが、これは6月議会において質問しました内容の一部をさらに具体的な形で提案させていただくものです。議事録を確認して、もう一度申し上げます。
再生可能エネルギーの自給率アップのために、いろいろな方法はあります。できる限り低コストで効率よく、そして地元産業にもしっかりと還元できる、そのような仕組み、要はアイデアであり、システムづくりがうまくできるかということであります。村全体でエコタウンを目指すために、国の政策を活用するとか市民出資の発電所の誘導など幅広い視野から最新の情報を得て云々と質問いたしました。東海村では、公共施設使用電力の20%を再生可能エネルギーで賄うという目標達成の政策の一つとして、太陽光発電システムの導入を進めていますが、この計画を進めていく中に南信州おひさま発電所のようなシステムが取り入れられないかと考えます。
1回目の質問は、飯田市において市民参加で行われている南信州おひさま発電所の取り組みをどのようにお考えでしょうか、副村長に伺います。
- 副村長
お答えいたします。
議員ご指摘の南信州おひさま発電所ですが、調べましたところ飯田市におきまして2004年5月に市民から費用を集めたと。1口10万とか50万とか、それで2億ぐらい集まっているんですけれども、そういうお金を集めて市内の保育所へ太陽光発電を設置したと。公共施設中心に38カ所ということでスタートしたというふうには伺っております。
本村でも今後、基幹避難所であるコミュニティセンターに、使用電力の20%を賄うということを目標に順次整備を進めていきますが、この後「絆」ですとか体育館につきましては、かなりちょっと大きくなりますので、それも直営で全部設置するというのはなかなか財政上難しいということがありますので、この市民出資型による推進というのは非常に参考になると思います。私のほうで、ほか調べたんですけれども、風力なんかでは鹿嶋のほうでもそういうのをやっていますし、今度、京都のほうでもそういう組織を立ち上げるような話も聞いていますので、各地でそういう動きが出てきているということでありますので、そこについては検討していきたいというふうに考えています。
- ありがとうございます。私も同じように思っております。この飯田市のこの事業は、環境問題に取り組みながら地域の活性化にもつながっているようです。再質問では、今おっしゃったように東海村でも、このような取り組みができないかという視点からの質問をさせていただきます。
村内のいろいろな事業所さんを巻き込んで共同体をつくり、価格においても技術レベルにおいても競争できるようになれば、例えば1事業者では受注できないような公共施設への設置工事を請け負うことも可能になります。協力事業者それぞれの技術を出し合い、協力し合うことで村内業者のレベルがアップします。それは私たち一般住宅への設置やメンテナンスにおいてもメリットのあることですし、企業体となることで屋根貸し事業、自己資金がなくても太陽光発電システムが設置できるというこの屋根貸し事業を展開することもできます。また、一般市民は副村長もおっしゃったように出資という方法で参加できます。
今、商工業者が心を痛めていることの一つは、原発ストップによる地元経済活動への影響です。東海第二が再稼動しなかったら村の財政はこれから先どうなるのかという不安の声も届いています。もちろん経済は私たちの生活において大きな問題ではありますが、東海第二に対する個人的な見解は、これまでにも申していたように再稼動はストップです。福島の現実を見ると、ふるさと東海村を守るために何が一番大切かという原点からスタートすべきだと私は考えます。そして、ただ不安に陥るのではなく、危機感を持ち、行動を起こすことで新たな何かが生み出されると考えます。原子炉の寿命とされる40年経過まで残り6年です。今がチャレンジのときです。
村の将来を考えている商工業者のグループがあります。そのうちの数人に東海村版おひさま発電所構想をお話ししてみたら、関心を持っていただきました。行政と住民が一緒に考え、行動することでオープンで、公平公正な仕組みができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
-
- 副村長
太陽光発電の推進につきまして、地元商工業者と連携して進めるという話でございますが、私もその意見に賛成です。
県内で鹿嶋市のほうで公共施設に太陽光発電を設置するときに、地元の建設業者に協同組合をつくってもらって、そこに維持管理をお願いするという仕組みでスタートしている事例があります。ただし、実際にはその太陽光発電はメンテナンスに余りお金がかからないので、うまく機能していないというのも聞いております。ですから、その辺の事情はよく聞きました上で、基本的には村の環境政策として再生可能エネルギーを進めていくと、導入を進めていくというときに、単に外国製の安いソーラーパネルを設置するというだけじゃなくて、そこに地元の産業を絡めないかという視点で物事は考えたいと思いますので、ほかの事例を研究しながら東海村にとってどういう形で進めていくのが一番いいのか、そこはきっちり検討していきたいと思います。
- 質問ではありませんけれども、ちょっと意見を言わせていただきます。
まちづくりにおいて、地元の商工業者が元気でないとまちは暗くなりがちです。商いとは本来それぞれの事業主が切磋琢磨、努力するものと考えますが、時には行政がほんの少しかかわる、つまり呼び水の役をすることも必要ではないでしょうか。商売の枠を超えてつながることで新たな可能性が生まれるかもしれませんし、まちの活性にもつながるでしょう。そのためには、だれでも参加できるようにオープンであり、公平な仕組みであることが原則であると考えます。
2番目の質問に入る前に、太陽光発電に関して1点意見を述べます。
今年度の太陽光発電システム設置補助枠120人を9月初めで既に20人ほど超えたそうです。とはいっても、昨年度もキャンセル待ちがかなりあったようですが、最終的には予算枠内で希望者全員に補助できたということですから、人数だけで判断するものではないのですが、今後、設置希望者が増え、予算枠を超えるようであれば予算の増額も考えていただきたいと思います。
また、補助金額のあり方につきましては、システム設置価格の低下も進んでいますので適宜検討し、急な打ち切りとならないように取り組んでいただきたいと思います。要望です。
次の質問に移ります。
2問目は、甲状腺検査についてです。この件については、これまでに3人の議員から同じ質問がされていますので、検査を導入するまでの経緯はわかりました。私の考えていることを述べた後、質問いたします。
放射線の人体への影響については、いろいろな資料を見比べ勉強してみますと、専門家の間でも意見が分かれているところといいますか、見方が違っているようです。一昨日の質問の中でも、ICRP、国際放射線防護委員会の意見について触れられましたが、私も以前はICRPがすべての基本、ICRPから出ている数字が最も信頼できる安全基準と思っていました。3・11以降、改めて勉強してみたところ、ICRPは物理学者の数学的方程式の発想で主に外部被ばくで評価するのに対し、ECRR、欧州放射線リスク委員会は、医学的視点から低線量被ばく、内部被ばくの影響を評価しているといった違いがあることがわかりました。
3・11前にはECRRの存在を知らなかったので、事故後、ネットで見つけたときはECRRに対して、うさん臭いグループがセンセーショナルなことを言っているのかと懐疑的に見ていました。しかし、調べるほどに、福島第一原発事故の影響は物理学者の視点ではなくECRRの医学的視点からとらえるほうが納得できます。また、東大の児玉龍彦教授は、低線量内部被ばくについて、ゲノム、つまり人体の遺伝子レベルでその影響を心配されています。医学は日進月歩です。
一方、今回の福島第一原発事故の比較にCTスキャンのように一時的に高い線量を当てる医療行為を例に挙げたりすることは、根本的に比較の対象が違うと考えます。また、身近にある昆布や肥料、花崗岩などから放射線が出ていることを、東海村の子供たちの多くは学校の授業や科学のイベントなどで体験していると思います。身近に自然放射線があることを学ぶことは大切なことです。加えて、これからは、今回の事故により放出された人工放射線核種と違うことを学ぶことも大切なことです。そして、正しく怖がるための教育が大切と考えます。
では、甲状腺検査について3点質問です。
検査の実施に向けてどの段階まで進んでいるのでしょうか。また、検査内容と検査対象についてお尋ねします。聞くところによると、超音波検査に加えて血液検査も行ったほうがよいそうです。いかがお考えでしょうか。
また、小児特定疾患対象は20歳までですが、このような補助対象となっている方々等についてどのようにお考えでしょうかお伺いします。
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- 福祉部長
お答えいたします。
お答えする前に、けさの新聞報道でありましたわけですが、福島県で実施しております県民健康管理調査の中でお1人甲状腺がんが見つかったと。これは18歳までの子供さんの中でということなわけですが、これはまだ60名の中でお1人見つかったという結果でございますので、注意しなければならないのは、この数字は増える可能性があるということでございます。国のほうがどういう評価をするのか、これから出てくるんだろうと思いますが、そちらを待つほかないのかなと思っております。
そういうこともありまして、福島第一原発事故にかかわる健康影響調査というのは、国が責任を持って実施すべきだろうと思いますし、ジェー・シー・オーの事故のときには80年間、住民の健康調査を継続するための費用というのが県のほうに国から交付されておりまして、今回もそのようにあってしかるべきであり、責任というのは当然ながら東京電力が負うべきであろうと考えております。
その上で被ばくに関する検査というのは血液検査、それから牛久市などが導入しましたホールボディーカウンター、それから甲状腺超音波検査等がありますけれども、事故後1年半が経過していること、それから福島県や他市町村での検査内容や結果等を勘案した上で、東海村では甲状腺超音波検診を実施することとしたものでございます。
甲状腺の検査には血液検査というものも確かにございますが、年齢の小さいお子さんへの血液検査というのは手技的に困難であること、それから身体的影響というのを考慮しなければならず、実施しないこととしたものでございます。
今、実施に向けてどのような段階かということでございますけれども、村立東海病院だけで当初やるということで計画していたわけですが、東海病院だけですと検査人数が限られまして、検査のほうがなかなか進まないのではないかという懸念がございましたけれども、茨城県も必要性を理解していただいたようで、茨城県総合検診協会のほうで遅くとも年明けぐらいからは検診に協力していただけるよう調整に入っていただいておりまして、さらに日立メディカルセンターのほうも協力の申し出をいただいております。この2つが協力していただきますと、当初考えておりました検診のペースを早めることができまして、早い段階で中学生までの検診が行えるものと期待しております。
対象といたしましては、1歳から中学3年生までの希望される方を予定しておりますけれども、現時点では特定の疾患の方を対象にするということは考えておりません。検査の実施後、結果等も含め検討しまして、必要があれば特定疾患等の対象者のほうも拡大について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
- 質問ではありません。何かお1人見つかったという新聞報道はまだ、きょうは質問に精いっぱいでしたので見ておりません。やはりまた心痛められている親御さんも多いことと思います。しっかり検査いただくことが安心につながると思います。
議員個々人の考え方も、また議員に届く住民の声も、いろいろあることは当然のことです。新聞発表のあったその後、数人から「安心につながります」という声が届いています。
また、原子力関係にお勤めだった男性から「東海でなぜ検査が必要なのでしょうか」という疑問の声も届きました。福島へ支援に行っているというその方の経験からすると、東海村の線量を見たとき、東海村では身体に異常が出るほどの影響はないであろうということでした。私もそうであってほしいと思いますが、村内で最も高い12マイクロシーベルト・パー・アワーが測定された白方コミセンのケヤキの木の周りで、事故直後に子供さんが何も知らずに遊んでいたので心配しているという方や、国の発表に対して懐疑的になっている方など、不安を抱えている方々のことをお話しすると、「不安を軽くするということでは有効かもしれませんね」と納得されました。
福一の爆発後、東海村にもプルームの流れが来ています。このようなことを考慮すると、だれも確信を持って安全とは言い切れないと思います。ですから、希望者に行うこの甲状腺検査を否定する理由はないと考えます。不安でない方は受診されないでしょうし、村が検査体制を整えたことで不安をあおられたという方がいるのであれば、その方々の深層にも、もともと不安があるわけです。福一の事故に伴う不安は、個人の責任ではありません。検査結果が異常なしであれば、それが一番いいのです。
村のある女性から、「震災後、原発が怖くなりました。とても不安で精神的に滅入っていますが、家族が原子力関係なので、いろいろ言えません」と、ご家族に気を使って耐えていらっしゃることを伺いました。原子力関係者が多く住む東海村です。小さなお子さんを抱えて不安を抱いていても、素直に不安を出せない状況があるのであれば、周りの子供たちの検査結果が異常なしであることで少しは安心につながると私は考えます。
3問目の質問に入ります。
3問目は、排水路の維持管理について伺います。この件は、昨日の岡崎議員の質問に対する答弁で理解したところもありますが、私なりの視点から質問いたします。
住民から、排水路の中や土手に草が生い茂っているが、大雨による急激な増水時には水はけが悪くなり、田畑への影響が心配されるという情報が届けられました。そこで、現地調査を行い、担当課にこのような現場の写真を持参して相談したところ、予定されていた作業を一部前倒しでやっていただくことができました。排水路は農業用排水路も兼ねているのですから、下水道課でも経済課でも、どちらが担当してもいいように考えますが、そうではないと伺いました。排水路の維持管理についてどのように計画しているのかを伺います。
また、関係地域、そして関係者とのコミュニケーションはどのようになっているのか伺います。
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- 建設水道部長
それでは、排水路の維持管理につきましてお答えいたします。
下水道課が管理しております都市排水路は東部、西部、北部、中央排水路の4つがございます。その排水路の整備目標は、10年確率、降雨時間雨量50ミリ相当で想定されます雨量を当面の目標で整備をしてまいりました。
昨日の岡崎議員からの質問でも説明をさせていただきましたけれども、9月6日の雨は20分間で40ミリを超えます時間雨量で直しますと100ミリを超えるようなすさまじい豪雨でした。これからも時間雨量が100ミリを超えるような集中豪雨が国内で頻繁に予想されることから、さらなる整備の必要性が叫ばれまして、最小限の被害にとどめることが求められております。この排水路は土地改良の農業用排水路も兼ねておりまして、圃場内の湛水を一定時間内に排水する目的でもあるため、流下能力を阻害しないよう、維持管理につきましては計画的に実施をしてまいりたいと考えております。
排水路の維持管理についてですが、排水路内の草ですとか、それから繁っている藻みたいなものですね。それから、土砂の堆積による流下能力の阻害をするようなことにつきましては、逐次対処する責務があると考えております。年2回の草刈り、それから土砂のしゅんせつ、さく板等の構造物等の修繕を重点的に維持管理を行っております。しかし、現在行っている維持管理が十分でないのは承知しておりまして、状況に応じまして、必要性が生じた場合には随時対応してまいりたいと考えております。
今後は地域関係者とのコミュニケーションということですが、今までは大きな事業、それから重要な事業につきましては、土地改良区の維持管理のほうに説明をさせていただきましたが、小さな軽微なこのような維持管理等につきましては、自治会長さんには説明をしたと思うんですが、地権者のほうまでなかなか周知ができませんでしたので、これからの事業の計画や工事等がある場合には、当然土地改良区はもちろん地権者の方とも説明をして実施してまいりたいと考えております。今後の維持管理については地域の皆様と対話する機会をさらに深めまして、ご理解、ご協力をいただけるよう進めてまいりたいと考えております。
以上です。
- 私も6日の日、5時過ぎに西部排水路と中央排水路の様子を見に行きました。ピークを過ぎていたのもしれませんが、その時間でもかなりの水量で、竹瓦では前回現地調査をした様子とは全く変わっていました。また、細浦の中央排水路わきの道路は交通どめの対応がされていました。担当課においては豪雨の中、危険回避のための迅速な対応お疲れさまでした。水路を拡張すれば問題は解決することでしょうが、それが簡単でないことは理解します。昨今の異常な集中豪雨のときには、これまではなかったところにもオーバーフローが起こることを視野に入れる必要がありそうです。
田畑でため置くことで家屋への浸水被害を抑制する効果もあるとの答弁でしたが、竹瓦では民家が水田とほぼ同じ高さに建っているところがあります。住民の不安に寄り添い、地域の方々にも理解を求めておく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
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- 建設水道部長
議員さんのおっしゃるとおり、竹瓦では水田とほぼ同じ高さにお住まいの方もいらっしゃるということは確認しております。できる限り家屋の浸水被害を抑えまして、地域住民の方々に安心と安全な生活ができますよう維持管理には努めてまいりたいと考えております。
また、コミュニケーションも先ほど申しましたけれども、地域の方となるべくとってやっていきたいと、こう考えております。
以上です。
- 再々質問ではありません。ぜひ出前講座のようなもの、ミニ説明会などを開かれることを提案いたします。そういうことをやることで、関係者が一堂に集まって管理方法の確認や作業時期の相談等を行政と地域が一緒に行うことで、行政が計画していることに理解が深まり、地元の方々との協働による管理と安全確保が進むと考えます。よろしくお願いいたします。
4問目に入ります。
文化の振興に対する教育長のお考えも含めて、村所有の文化財の生かし方について質問いたします。
ちょっと早口になります。すみません。
人・自然・文化が響き合うまちづくりを第4次総合計画で掲げ、昨年度より第5次総合計画に基づくまちづくりとなりましたが、これまでの理念は継承され、さらに発展していくものと考えます。文化をうたった第4次総合計画ではありましたが、住民から村は文化面への力の入れ方が弱いのではないかという声も出ています。文化を芸術作品や埋蔵文化財のようなものだけでとらえているわけではありませんが、例として挙げますと、これまで村が所有している文化財が私たち住民に親しく鑑賞され、生活の中で触れられているかというと、十分ではないように感じます。東海村所有の文化財はどのように管理されてきたのか、また今後、私たち住民の中にどのように生かしていこうとしているのかを含め、文化の振興に対する教育長の熱き思いをお聞かせください。
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- 教育長
じゃ、文化財の生かし方についてお答えしたいと思います。
議員もご承知のことと思いますが、文化財には建物や絵画、民俗芸能、貝塚や古墳、埴輪など出土品ですね、あとは東海村でもそうですけれども、樹齢何百年という古木など長い歴史の中で生まれ、はぐくまれ、守り伝えられてきた本当に貴重な公共の財産だと考えています。また、文化財は日々私たちが生活していく上で歴史的な重みを伝えてくれたり、教養を磨く機会や活力を与えてくれる大変貴重なものだと考えています。
本村においても、文化財保護審議会を通して貴重な文化の保存や継承に努めてきましたが、文化財を広く村民に知っていただく、身近に感じていただくという視点から考えますと、議員ご指摘のように取り組みが若干弱いのではないかと考えています。
そこで、8月の日にちは忘れたんですけれども、村の文化財保護審議会でも審議員の皆様方には文化の保存や継承だけではなくて、審議員の皆様も村民に知っていただく、見ていただくという視点からご意見をいただきたいなと、そういうふうな話もしました。発掘調査で出土した例えば土器や貝塚など埋蔵文化財を例にとれば、これからこういうふうな展開をしていきたいなと考えています。展示発表が終われば倉庫に保管しておくのがこれまでの現状だったんですけれども、広く村民の方々に鑑賞していただくために、村立図書館や村の中央公民館、学校など公共施設ですね、コミセンも入ると思いますけれども、そこをうまく活用して定期的にミニ展示会を開くなどの企画を考えていきたいなと考えています。
また、現在の東海村の文化財のマップなんですけれども、これは平成16年3月現在の文化財一覧なんですけれども、もう古くなりましたので、これも来年度一応考えているんですけれども、見直しを図る時期だなと考えています。それは、今年亡くなられた俳優の地井武夫さんじゃないですけれども、ちい散歩のように散歩がてらちょっと近くの史跡をめぐってみたいなと。散策コースがわかるようなマップづくりというか、いわゆる村民目線で、やっぱりこのマップが利用できるような視点で考えていただきたいなと、今、生涯学習課の若い職員が考えておりますので、楽しみに待っていていただきたいなと思います。
また、大人向けでは、私も行ってきたんですけれども、スカシユリ自生地と例えば液状化現象の観察会というのをやってきたわけなんですが、それも子供たちに向けて、例えばスカシユリ自生地と史跡めぐりなど、子供たちにとって魅力を感じるような事業を生涯学習課で進めていきたいなと考えております。
なお、これはPRなんですけれども、国の有形登録文化財に指定されている照沼家の住宅のかやぶき屋根のふきかえ工事が今年度2月に予定されています。かやぶきのふきかえを見たことがない方々がたくさんいると思いますので、できるだけ一般公開をして見ていただきたいなと考えております。
保管に関しては、現在福祉施設だった「はまざく」や中央公民館の倉庫に保管しておりますが、これからいろいろ整理統合しながら村中央公民館の建てかえを見据えて、よりよい環境の中で保管していくし、あと定期的に展示していこうという考えでおりますので、よろしくお願いしたいと思います。
- ありがとうございます。文化と一言で言っても本当に幅広いことが、教育長の深くて広いお考えから改めて確認させられました。今、教育長からお話しいただいたところと私がこれから述べるアイデアも重なるところがありますけれども、お聞きいただきたいと思います。
その前に2点、気になるところが、図書館横の野外ステージの利用がないことがちょっと残念だと思うのと、役場5階の壁画の管理は、何か立派な壁画があるんですけれども、身近に接するのはいいけれども、例えばお子さんがぺたっとやっていいのかなというふうな危惧もしておりますので、その辺のところ気がつきましたので申し上げておきます。
そして、東海村には才能豊かな方々が所属されている文化協会があります。その中にある美術連盟を中心とした有志の方々で、村内に点在している彫刻品2体をクリーニングしていただいたとお聞きしました。制作するだけでなく、今あるものをいかに美しく保つかという視点から、ボランティア有志による文化活動がされたようです。すばらしい活動であると思います。ご存じない方も多いかと思いましたので、紹介させていただきました。
そこで再質問は、文化の振興のために文化協会や地域の有能な人を活用すべきではないかという考えからの質問です。
例えば彫刻に関して言いますと、村内にはあちらこちらに芸術的な作品が設置されていますが、もっと関心を持っていただけるような仕掛けが必要ではないでしょうか。存在を意識してもらう仕掛けです。広報紙に解説つきでシリーズで紹介するとか、先ほどご紹介があったような観光マップなどに盛り込むとか、学校教育や生涯学習講座などで鑑賞ウオーキングを実施するなども一つの方法かと思います。そのときには芸術に明るい方の案内がつくと、私のように浅学な者でも芸術を2倍3倍楽しめますし、解説をされる方にとっては自分の特技が地域に生かされることになります。生涯学習として学びの場であり、学んだことのお披露目の場にもなります。彫刻だけではなく、埋蔵文化財でも貴重な動植物でも同じことです。地域◯◯博士とか◯◯解説員などの称号を授与することも、さらなる励みにつながると考えます。
再質問は、文化振興のために、また文化財の保全のために文化協会はじめ造詣の深い住民にもっと協力をいただくことがあってもよいのではないかという考えですが、いかがでしょうか。
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- 教育長
さまざまなアイデアありがとうございました。
私も考えておりまして、まず1点は近隣の市町村のほうで、今いろいろ地域ボランティアに取り組んでいる方々が多いですので、どういうふうな形で地域でいろいろ歴史的な文化的な本当の詳しい方々が活躍しているか、そこら辺をまず調べていきたいなと思います。
それと、ボランティアでいろいろなやっぱり史跡調査をして残している方もいますので、そういうふうなボランティア団体とか、やはり先ほど議員ご指摘のように文化協会にはさまざまな専門的な知識を持っている方々ですね、そして実践している方々がいらっしゃいますので、そこら辺にも呼びかけながら、やはり文化財、村民が文化的な価値の高い生活をしていくということは文化財をいかに村民の方々に知らせる、見てもらうということが大切だと思いますので、できるだけそういうふうな視点でボランティアとか文化協会を活用していたきなと考えています。
以上です。
- ありがとうございました。
最後の質問、5問目の質問は、全国に広がっている原発問題に対する市民の抗議活動について、村長にお尋ねします。
市民による抗議活動は、昨年3月末にネットによる呼びかけで約300人が首相官邸前に集まった自主的な行動が始まりとなり、時に10万人を超える規模にまで大きくなっています。今では首相官邸前や国会議事堂前にとどまらず、全国26道府県にも広がり、思い思いの抗議活動が起きていると報道されています。このような市民による自主的活動の盛り上がりと、全国に広がっている現象についてどのような感想をお持ちか伺います。
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- 村長
私自身も大変な民衆運動の盛り上がりだなと思っております。私は60年安保もよく存じておりますし、その前の江戸時代の「ええじゃないか」となると、私もまだ生まれておりませんでしたが、私が生まれる75年ぐらい前でありましたので、ちょっと「ええじゃないか」は無理なんですが、あの安保闘争のころはよく知っておりますし、それ以来の70年安保もありましたですが、70年安保は私はよくわからないんですが、60年安保闘争以来の盛り上がりだなと思っています、国会周辺は。
しかし、その60年安保とはえらく質が違うなということは、あの時代は日本の戦後10年ちょっとというような時期でありましたので、日本のこれからの行く末といいますか、日本の方向をどう決めるかというようなことでありましたし、また米ソの冷戦の渦中というようなことでありました。そういう中では政党も非常に理念がはっきりして政党間の違いもありましたし、また労働組合というものも戦後、非常に強くなったわけでありますので、政党、そして労働組合という組織的な運動の展開というものもありました。もちろん私は高校生でありましたが、高校生でもあの安保闘争には参加するということで、国民的な盛り上がりはあの時代もありましたが、それとはまた違うということ、その主体が全く個人的な参加が中心的な色彩を帯びていると。
もちろんいろいろなグループはその中で生成し、成長はしているわけなんですが、それとは違って、そのグループにしましても非常に個人的な参加でつくられているというふうなことですね。特にまた女性が多いと。若い女性が多いということもあります。これはそういう点で私は日本の民衆運動といいますか、日本の国民が国の国家権力に対して異を唱えたというふうなことでは、これは歴史的な事件というのはおかしいですが、歴史的な事象だと思っております。それくらい実は福島の事故というものは、まさに21世紀文明の分岐点的な、21世紀の世界の方向性を決めるほどの大きな事故であったと、事件であったと思うんですね。
福島の被害、これはまだまだわかりません。収束というようなことはとても言える話じゃございませんですが、まだまだわからない。これは空間的にも、その影響範囲がどこまで広まるかわからない。そして、時間的にもわからない。その解決策を人類は持っていないというふうなことがあります。損害賠償だけでも5兆円、6兆円というようなことを言われますが、じゃその5兆円、6兆円で物は解決しない。解決しません。物質的に、あるいは金銭的にというようなことで何か解決したとしても、心の面、精神的な面というものは大きな痛手を与えていくというようなことでございますので、私はこの福島の火種はいつまでたっても消えないだろうと。
しかし、それに対して今の政府の解決というものは、原発政策1つを見ましても方向転換を明確にできないでいる。今の姿勢、脱原発依存と言っていますが、このことは言わざるを得ないけれども、しかしその明確な方針は出されていない。工程表は示されていない。何となくうやむやにして、すべての原発を再稼動に持っていくというようなことをするのではないのかねというようなことで、まさに福島原発事故のけじめが全然つけられていないというふうなことがありますので、この点では私はそういうことがまだまだ結局国会前、首相官邸前、あるいは全国各地での金曜日の抗議集会ということにつながっているんだろうというふうに思っております。
このものは例えば7月中の盛り上がりと、大飯原発が稼動させられて、それに対しての抗議というようなその後のエポックございませんですが、また別な動きが政府内で起きるということになれば、また私は燃え上がるんだろうなと思っております。そのことを私は政治家はきちんと、消費税と社会保障の一体改革だとか何かやって言っていますし、今その中でごたごたして解散だ云々やっていますが、そのことを今の政治家はきちんととらえられていないでいる。そのこともまた大きな不満になっているだろうと思っていますが、そういうことから私自身はきちんと、東海村に原発がありますので、その立地の村長として行動していきたいと思っております。
- 私自身、大飯原発再稼動の後、7月29日に行われた国会議事堂包囲キャンドルナイトに参加してみました。今のところ、私の考えは反原発ではなく、脱原発のスタンスですが、市民の抗議を自分の肌で感じること、この目で確かめ、シュプレヒコールを生で聞いてみよう、空気を感じてみなければという思いからの参加でした。このような抗議活動に参加したことは多分、人生で初めての経験です。ですから、デモ行進の列に合流がうまくできるかなど多少の不安はあったのですが、全く抵抗なく参加できました。
そこで、そで触れ合ったたくさんの方々と「なぜ再稼動ストップなの」、参加のとき「きっかけは何ですか」など率直な会話をしました。東海村に住んでいると言うと、村上村長が原発立地自治体の首長という立場にありながらも、勇気ある発言をされていることをどなたも称賛されていました。何人と話をしたか数えていませんが、その中のお1人は練馬かどこかの元区長さんでした。住民の命と財産を守る首長という同じ立場を経験している、その方も立派だとほめられていました。その集会は脱原発を訴える場ですから、称賛の声ばかりというのは当たり前とも言えます。
それより先、5月に東京で開催された講座に参加したときにも、これは全国から参加者がありましたが、そのときも交流の時間になると、市長さん数名のほか各地の議員さんからも声をかけられ、被災地の議員さん二、三人とも話をしました。その講座は、原子力問題とは関係のない分権時代の地方自治のあり方についての勉強会でしたので、参加者が偏っているというものではありませんでしたが、村上村長に対する評価がとても高く、正直言って日ごろ畏敬の念が少し足りなかったかなと反省しました。井の中のカワズが大海に出て、次々とごあいさついただくことに戸惑いを感じたくらいです。
この勉強会には、県内の首長さんも数名来られていました。「陰ながら応援しています」と言われる方や「何かあったら応援に駆けつけますよ」と言ってくださる方まで、男性女性を問わず村上ファンが全国に広がっていることを身をもって知りました。このときは男性が多かったです。
7月に参加した勉強会では、女性議員の方々との会話が主でした。東海村と東海村長はこんなにも注目されているのだと驚きをもって再認識しました。
そして、東海村民からも1年後の村長選において、村上村長の続投を望まれる声が届けられています。私個人の考えは、この質問をしながらも正直複雑なところはあります。運命と一言で言うには余りにも無理を強いているような、しかしこれだけ大きな課題と多くの方々の期待が重なり合ったうねりを前にすると、運命として現状を受け入れていただくしかないという思いです。
前回の村長選のときには、「クリーンな村政のため、あと1期頑張ってください」と4人の議員で頭を下げました。村上村長ご自身は、村長職を起承転結のストーリーで締めくくるため、4期目を「結」、つまり結びとして取り組まれてきたのは十分承知していますが、昨年の3・11で大きく状況は変わりました。原子力を誘致したとき以来と言っても過言ではない大きな課題に直面しているふるさと東海村を守る人、そして守れる人は村上達也をおいてほかに見当たりません。村民の期待をどのように受けとめられるか、そして次の村長選をどう考えていらっしゃるのかを伺います。
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- 村長
大変おほめにあずかりまして、穴があったら入りたいような気がしておりますが、私は3年前に4期目というようなことで村長選に出たわけでありますが、今、起承転結というふうなことで「結」だというような覚悟で、この3年間やってまいりました。
当然、時代はどんどん変わりますから、課題はいつでも新たに生まれてくるというようなことで、いつになったらそれを終結するんだと。先ほどの原発事故の収束じゃありませんが、終結だということは言えないわけでありますが、しかし私の生身の人間としての終結は確実に近づいてきているとも私は思っております。そういう点では間もなく来年2月には70歳になるというようなことからいいまして、一個の人間として最後の決算、個人的な意味でのけじめというものも一個の人間としてやりたいなというふうには考えております。
その気持ちが強いんでありますが、一方ではあの3・11が起きたというようなこともありまして、その中で特に原発問題というものが先ほども話をいたしましたですが、まさに21世紀の世界の歴史を変えると。その分岐点として2011年があったと。その課題ということについても、ここに原発が存在するという地域の首長としては、その問題についても解決していかなければならないのかなと。けじめをつけなければいかんのかなというような気持ちもありまして、今のところそういう責任意識と、一方では、やはりもっと若くてエネルギーのある方で、村民をぐいぐいと引っ張っていってくれる人が名乗りを上げてくれることを期待しているという、極めて今のところ複雑な気持ちでいるというところであります。何かもやもやとした発言しかできませんですが、それは私のほうの人生も最終章に入っているというようなこともありますので、ご理解いただきたいなと思いますね。
けさも本棚を見ましたら、この本を読もうと思って買ったんだよな、この全集を買ったんだよなというようなことがありまして、これを何とか棺おけに入る前に読み通してみたいというふうなことを改めて感じたりしまして、しかし一方では、やはり原発問題、それから東海村の新しい道筋というもののレールを敷いていかなければならないなというふうな、今そういう気持ちと2つに分かれながらいるというような状況でございますが、皆さん方のいろいろとご意見もあると思いますので、そういうものをお聞きしながら、また考えていきたいと思っております。
以上です。
- 村長の率直なお気持ちありがとうございます。
長期政権は避けたほうがよいという一般論がありますが、私も基本的にはそのように考えます。しかし、これから突きつけられるであろう東海第二の再稼動問題はじめ地域経済、村政運営と厳しい局面を想像しますと、ここは経験豊かな村上村政に頼らざるを得ないと多くの方々が考えています。そして、村長と語りたいと思っています。これまで以上に多くの村民に心を配り、そして心をつかんでください。村民は村長を待っています。
これで私の一般質問を終わります。