えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

平成30年6月議会質問内容

 今回の質問は4問です。少し早口になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 1問目です。これからのまちづくりには、単位自治会の状況に応じて集会所のような地域住民が集まれる場所、活動拠点が複数あってもよいのではないかという視点から質問いたします。
 平成29年9月議会に真崎地区の住民から「単位自治会には1つの集会所」という現行の条例見直しを含めた請願が提出されました。請願には真崎地区という限定された地区を例に挙げていましたが、請願者の真意は、ますます高齢化するこれからのまちづくりには地域で集い、支え合うために身近なところに活動拠点が必要というものでした。まさにこれからの地域のあり方を大きな視点で捉えての提案でした。その請願は、当時の建設農政委員会における審議を経て12月議会に「自治会の活動支援に関する決議」が提出され、全会一致で可決されました。
 一口に単位自治会と言っても、面積、加入者数、集会所の活用状況など違いがあります。そこで資料を出していただきました。この資料から、単位自治会という区分けで改めて見ますと、真崎地区の住民が請願されたこともうなずけます。
 質問は、12月議会で議決提出を受け、村ではどのような検討がされてきたのか、また今後の見通しについて伺います。
  • 村民生活部長
     お答えいたします。
     先の12月議会において請願自体は不採択となりましたが、当時の建設農政委員会から提出された発委につきましては、議員ご案内のとおり可決されましたことを重く受けとめております。
     単位自治会が複数の地域活動拠点を保有することにつきましては、その必要性を検討していくことの重要性は認識しておりますが、東海村自治会集会施設建設事業費補助金交付要綱に基づく集会所限定で考えますと、いささか難しいものと考えております。
     単位自治会の中には、現在の集会所の建てかえもままならない自治会もありまして、また5年後の建てかえを目指し、検討委員会を立ち上げた自治会もございますので、第一義的には耐震も考慮した建てかえが優先されるべきものと考えております。
     しかしながら、地域コミュニティーの維持や住民自治の振興、人口減少や高齢化も踏まえた対策は必要であると考えておりますので、今後、村全体の方向性を検討してまいりたいと思います。
     まずは単位自治会間で不公平となることがないように、各自治会長の率直な意見を伺いたいと考えております。単位自治会が抱える事情や活動状況も伺いながら、自治会長と協議をしてまいります。また、今後は地域の方々と協議を行う場面を増やすことで、住民の皆さんのお考えやご意見も吸い上げてまいりたいと考えております。
     以上でございます。
 不公平にならないようにという考えは大切です。ただ、基準をどこに置いているかです。不公平という概念に捉われ過ぎると超高齢化、お一人様世帯の増加、人口減、税収減などなどこれまでに経験したことのない社会変化、それも急激な社会変化への対応が間に合わなくなります。行政にも意識改革が求められています。地域の意向がまとまることが大前提ではありますが、歩いて集える地域活動拠点はこれからのコミュニティーづくりに必要であり、地域において顔の見えるつながりができることにより、社会的孤立をなくすための共生支援体制もできると考えます。いかがでしょうか。
  • 村民生活部長
     お答えいたします。
     先ほども申し上げましたとおり、地域コミュニティーの維持や住民自治の振興、人口減少や高齢化も踏まえた対策は必要であると考えておりますので、自治集会所に限らず村としての方策を模索してまいりたいと考えております。
     以上でございます。
 村として方策を模索していくということ、よろしくお願いします。つながることが大切ということを先週のNHKの番組でやっていました。見られた方もいらっしゃると思います。全世界で行われている研究を通して、人とのつながりがあることが寝たきり予防に最も効果があることが証明されたそうです。介護予防の対策、最大の対策とも言えます。ぜひ前向きにご検討ください。
 次の質問に移ります。
 小中学校における不登校の児童生徒の実態と教育現場の取り組みについて伺います。
 この質問のきっかけは2つあります。1つは、東海中学校の卒業式に参列し、欠席している子どもの多さを目の当たりにしたこと、もう一つは、不登校状態にあるお子さんがいるお母さんにお話を伺ったことです。なぜ不登校の子どもがこんなに多いのかと正直今も不思議な思いです。
 およそ十七、八年前、我が子が中学校に通っていたころ、全校生徒で不登校は1桁だったのではないかと記憶しております。当時、中学校の空き部屋で不登校だった生徒さん三、四名と一緒に勉強する機会が数カ月ありました。その経験から不登校支援について議会で何度か取り上げました。その後、図書館の建てかえに合わせて、その一角に教育支援センターたんぽぽクラブの部屋が確保されました。同じころ、各学校へスクールカウンセラー配置の充実も図られたので、学校へ行きづらくなった子どもたちの支援もしっかり整ったと安心していました。でも、現在、不登校になっている子どもが数倍にも増えていることに驚いています。
 質問は、まず不登校児童生徒の実態についてお尋ねします。資料ありがとうございます。この数字は周りと比較してどのような状況でしょうか。また、要因として、どのようなことと把握されていますか。教育支援センターたんぽぽクラブへ出席すれば、学校へ登校したことになりますが、たんぽぽクラブの利用とその後の経過はいかがでしょうか。
 さらに、不登校対策として教育現場ではどのように取り組んでいるのか、具体的な対応について伺います。
  • 教育長
     初めに、本村における不登校児童生徒の状況についてご説明いたします。
     提出資料の資料3に平成26年から28年度の1年間の不登校の状況が書いてありますけれども、これは1年間で30日以上の欠席者数です。30日が抜けていまして、申しわけありません。
     平成28年度を例に挙げますと、全国の不登校児童生徒の出現率は小学校で0.48%、中学校で3.01%となっております。本村の出現率は小学校で0.49%、全国とほぼ同じですが、中学校が恵利議員ご指摘のとおり多くて5%の出現率で非常に高くなっております。人数で言えば中学校は62名になっております。私も喫緊の課題と捉えております。
     不登校の要因は昨年度の調査の結果ですが、最も多いのが不安など情緒的困難、これが34.2%、ついで発達障害またその疑い、家庭環境の問題等が29.2%、無気力が24.4%と続いています。これは一連の15年前というか、私の息子の時代等に比べて違うところです。以前は無気力型が結構多かったというのが現実です。また、これらの要因が複数にわたって複合型と呼ばれるケースが全体の中で24.4%を占めておりまして、要因を1つに特定するのが難しいというのが現状かなと考えております。
     次に、取り組みの状況ですが、各学校では子どもたち一人ひとりの置かれている状況を考慮しながら、家庭訪問したり放課後登校を促したりして、少しでも学校復帰につながるような支援をしているところでございます。また、複合型が多いため、学校現場だけで解決することが難しいケースも増えてきておるため、ケース会議を開催して先ほど恵利議員がおっしゃったとおり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとか発達支援センター、教育支援センター等と連携を図りながら支援をしているところでございます。
     たんぽぽクラブ、教育支援センターとの関係ですけれども、教育支援センターに例えばまず家庭で一歩外へ出ようと、出させて、そこで教育支援センターにおいて、その教育支援センターでエネルギーを蓄えながら、今度はじゃ放課後登校してみようという助走指導をしながら学校復帰に向けて取り組んでいるところでございます。
     以上です。
 一人ひとりの子どもの状況に応じてチームをつくり、懸命に支援されていることがわかりました。しかし、それだけの支援体制を組みながらも、中学校では平成26年度、先ほど言われたように42人、そして27年度が52人、28年度が62人と10人ずつ増えています。昨年、平成29年度は64人の生徒が不登校ということです。
 多感なこの時期、思い悩むことがあり、不登校という形で一時避難することも時には必要でしょう。でも、心配なのは長引くことです。学校という集団の中で、さまざまな価値観やそれぞれの違いを認め合いながら社会性を身につける大切時期に、集団生活から長く離れることによる影響です。もちろん時期が来ればしっかり自立し、学業を修め、社会に羽ばたいていける子どももいます。でも、その中の何%かは引きこもりになり、やがて大人の引きこもり問題に発展しかねないことです。そうなると、子どもたちにとっては人生の選択肢が狭まります。そして、社会的にも大きな損失につながります。そのようなことを考えると、学齢期にしっかりと支援し、かかわっていく必要があります。
 東海中では不登校の生徒が約40名、1クラスが空っぽになっている状況です。不登校の子どもが今のように多いと、学校へ行かないこと、そのことが特別な状況でなくなり、不登校の連鎖を招きかねません。憂慮すべき状況です。人は人の間にあって成長するもの、東海村で育つ子どもたちに対して私たち大人の責任として、これまでの支援を再検討し、さらにどのような支援法がよいかを真剣に模索し、新たな対応をとらなくてはいけないと考えます。
 そこで、再質問として2点提案いたします。
 これまでの対応とは違う方向を見つけるためにも、プロジェクトチームを立ち上げて、さらに真剣に取り組まないといけないと考えますが、いかがでしょうか。
 そして、2点目です。不登校の子どもを抱える保護者の集いを提案します。希望者が集い、悩みや心配事を共感することで保護者の心が幾らかでも軽くなれば、それが子どもへよい影響となるかもしれません。いかがでしょうか。
  • 教育長
     お答えいたします。
     答弁する前に、東海中学校の話が出てきました。確かに東海中学校、現在30人以上の不登校生徒は多いです。ですけれども、この前、村長教育委員学校訪問で村長も一緒に訪問してきたんですけれども、子どもたちの表情もいいし、先生方の表情もいいし、学級の雰囲気は非常にいいです。なぜそんな学校生活の中で不登校が多いんだろう。私も考えてしまいます。
     今現在、小中学校で話し合い活動を大事にしながら授業をやっています。だけれども、その少人数の話し合い活動の中になかなか入れない子どもも正直いるわけです。だから、そういうふうな子どもたちが能弁に話せることが表現力としてすばらしいんではなくて、「先生、誰ちゃん、僕そこがわからないんだよ」ぽつりとつぶやく、そういうふうなのをしっかりと受け入れられるような話し合い活動を大事にしていこうと考えていますので、学校現場も一生懸命取り組んでいるということをまずご理解いただきたいなと思います。
     じゃ、お答えいたします。
     不登校は先ほども答弁いたしましたように心因性の問題や保護者の養育能力の問題や経済的な問題など、要因が多様で複雑でございますので、福祉関係やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門家を交えて、それぞれの立場から今何ができるか、支援ができるか、いつ誰が、どのような支援をしていくのが最適かということで、子どもたちそれぞれに変えていきます。ちょっとある家庭に支援をすれば親が押し出してくれるような家庭はそういうふうな形で行こう。親がちょっと養育能力がないところは、子どもが一生懸命サッカーやっている、野球やっている、それを中心にして支援していこうということで、精選して最適な具体策を今考えているところでです。
     2つ目の保護者同士の交流会というか、親の学習会はどうかということなんですけれども、保護者同士の交流会も一つの方策だと私も考えております。ただ、現在のところはその子どもや家庭に即した最適な支援内容を検討しているところでございます。
     特に小学校では、例えば1年生のときに10日以上休んだ子どもが2年生でも10日以上休んでいるかどうか、3年生でも10日以上休んでいるかどうか。意外と6年間10日以上休んでいる子どもがいるわけです。この子はどちらかというと不登校予備軍です。大体休むのは3日か4日だと思います。中学校へ来たとき、ちょっとした友達関係とかで不登校に入るケースがあります、思春期で。ですので、小学校のほうで1年生で10日以上休んだ子どもを2年生ではどうか、3年生ではどうかということで追跡して丁寧にかかわっていこうと考えています。その子どもたちが5年、6年に、やっぱり10日以下、調子悪くて休んだとか、そこまでしっかりしていこうと、そういうふうな取り組みを大事にしていきたいなと思います。
     ですので、この不登校関係はちょっとしたことで解決したというか、一過性のものとはせずに、継続的なかかわりを大事にしながら、ちょっとしたことでも、やっぱりへこたれない、そういうふうなしなやかな子どもたちを育てていきたいなと考えております。
     以上でございます。
 ケース会議が開かれていることを知りました。皆さんの賢明な対応で登校できるようになった児童生徒が何人もいることでしょう。そのことは本当にすばらしい結果です。そして、先生方、それからいろいろな関係者が努力されていることも十分わかりました。でも、昨年度、中学校の64人が不登校という現実があります。だから、さらに手だてを考えなくてはいけないと思うのです。
 プロジェクトチームには専門家だけでなく、例えば不登校の子どもを抱える親の目線を入れるとか、そのことで支援の方法に気づきがあるかもしれません。さらに、今、教育長がおっしゃったように子どもの目線ですね。その子どもの目線、学校に楽しみがあれば子どもは登校するでしょう。行きたくなる学校とは何か、今の学校の問題は何かなど、子ども目線で指摘してもらうことも参考になると考えます。この辺は共通するのかなと思います。
 続いて、再々質問ですけれども、多様性を認め合う教育への取り組み状況について、2つの点から質問いたします。
 グローバル化と言われて久しいですが、日本には個性よりも集団の中ではみんなと同じでなければいけないというような価値観があり、そのことで個性や多様性を排除することがあるようです。「みんな違って、みんないい」と多様性を認め合うことができれば、いじめや偏見、差別がなくなるでしょう。
 そこで、質問の1点は、外国籍の子どもたちへの対応についてです。東海村で生活している外国籍の子どもたちの教育現場での支援、そして子どもたちの様子を伺います。
 2点目は、性的マイノリティーLGBTの子どもたちへの対応についてです。法務省関係の有識者は、人口の3から5%がLGBTと言っていますが、専門のシンクタンクLGBT総研が10万人を対象に行った調査では7から8%が性的マイノリティーであるとした結果が出ています。また、2013年に民間団体、命リスペクトが行ったLGBTの学校生活実態調査によると、自分がLGBTであるかもしれないと気づいた時期は、小学校6年生までが31%、中学1年から3年までが39%、高校1年から3年までが22%となっています。LGBTかもしれないと悩んでいる子どもの約70%は、中学までに悩み始めているということです。どのように対応されているのでしょうか。
 2点お尋ねいたします。
  • 教育長
     お答えいたします。  お答えする前に、不登校関係の親の学習会は、教育支援センターたんぽぽクラブでは行っています。相談員さんとあと親を交えて、どういうふうなかかわりをしているのか家ではという話し合いをしていますので、お知らせしたいと思います。
     外国籍の子どもに対して、学校現場では丁寧な対応と支援に努めているように私は感じております。また、子どもの状況に応じて日本語ボランティアの方の指導も受けております。
     昨年度、本村には外国籍の小中学生が15名いましたが、学校現場では友達との生活を通して言葉や日本の生活習慣を覚え、我々大人が思った以上に生活に早く順応していると聞いております。村内の小学校において外国籍の子どもに対して、からかいやひやかしといった報告などは現在のところ耳にしておりません。
     続いて、性的マイノリティーLGBT、いわゆる心と体の性が一致しない子どもに関してだと思いますけれども、その対応については現在のところ子どもや保護者からの相談はございませんが、専門家をお呼びして、まず先生方が学ぶ研修が必要かと考えております。
     以上でございます。
 外国籍のお子さん、うちの前も登校しているんですけれども、とてもいい表情で登校しているので、私もその子だけ、ご兄弟かな、安心しているというか、みんなもそうであればいいなと思います。
 それから、LGBTですけれども、初めて質問したときよりも近頃はこのLGBTの言葉を耳にする回数は増え、認知度は多少上がったと思います。でも、悩んでいる子どもたちの環境はそれほど変わっていないのでしょう。相談がないことで無関心にならず、相談しやすい環境をつくっておいてください。
 続いて、3問目に入ります。
 公共施設の長寿命化を考える中で、文化センターにおけるバリアフリーの取り組みについて伺います。
 東海村においても少子高齢化が進むとともに、税収減が現実のものになっている現状において、国が提唱する「新しくつくることより今ある建物を賢く使う」という考えに基づき、文化センターも長寿命化が進められていると伺っています。
 まず、文化センターの長寿命化についての考えを伺います。また、バリアフリーの取り組みについてもお尋ねします。
  • 教育部長
     お答えいたします。
     東海文化センターは昭和51年に東海村民会館として開館し、現在までに40年間、東海村民の文化・芸術の拠点施設としてコンサートや講演会等多くの村民に親しまれております。
     ご質問の文化センターの長寿命化でございますが、公共施設等の総合的かつ計画的な管理の基本となる東海村公共施設等総合管理計画に基づきまして、耐用年数60年に長寿命化期間10年を加えた70年の使用を目指して日常点検を行い、予防保全の維持管理に取り組んでいるところでございます。これまでに耐震化工事、屋上防水工事や外壁塗装工事など計画的に改修を行ってきており、平成30年度と31年度にかけましては、音響設備の更新工事を行う予定としております。引き続き長寿命化に努め、公会堂としての機能を確保してまいりたいというふうに考えております。
     続きまして、バリアフリーでございますけれども、車椅子席を設置したほか、平成21年度には玄関前にスロープの設置及びピロティー部分にトイレを設置するなどの改善をしてきたところでございます。
     以上でございます。
 これまでバリアフリーへの取り組みはわかりました。手前みそですが、今言われたトイレの新設とスロープの設置は、私が議員になって提案し、改善されたことです。きっかけは、敬老会のときにトイレへの階段からロビーまで長い行列をつくっている光景を見たことでした。福祉のまちづくりを目指しているというのに高齢者や障がい者に優しくないと思い、提案しました。すばやく対応してもらえたと記憶しております。
 再質問は、今後のビジョンについてお尋ねします。
 40年経過した建物をさらに30年使っていこうとするのであれば、建物の延命だけではだめです。使い勝手が悪くて利用率の低い箱物になりかねません。管理計画とは、建物をただ維持することが目的ではなく、快適な建物として使い続けるための計画でなければならないと考えます。
 今年度と来年度で音響施設等の更新というのは、とてもいいことだと思います。公共施設等総合管理計画の取り組みで、これからさらに30年使うと決めたからには、今後どのような文化センターを目指すのかビジョンを伺います。
  • 教育部長
     お答えいたします。
     文化センターにおけるバリアフリー対応につきましては先ほど答弁いたしましたとおり、必要な措置は講じてまいりましたので、まずは、移動等に困る場合には、これまでのように人的な支援を継続してまいりたいというふうに考えております。
     現時点におけるバリアフリー化の予定でございますが、文化センター正面のアプローチ部分の段差解消がございまして、交流館整備に伴う中央公民館の撤去に合わせて取り組んでいきたいと考えております。このほかバリアフリー化につきましては、施設の利用状況を注視しながら必要性を検討してまいりたいと存じます。
     以上でございます。
 必要な措置を講じた、そしてこれから利用状況を注視しながら検討していくとの答弁でしたが、東海文化センターをしっかり見た上でのお答えかどうか疑問です。
 私の反省を込めて申し上げますと、私の目線も結局健常者の目線でしかなかったと今回の質問をまとめる中で感じました。今いただいた答弁も同じことです。健常者の感覚の域を越えていません。先ほど言いましたようにスロープの改善を提案し、改修された。でも、今もスロープの部分には屋根がない。雨の日どうやって移動するのでしょうか。あと一歩の配慮が足りなかったと反省しています。どうぞこれからの改修にはあと一歩の配慮を忘れずに検討してください。
 1点提案いたします。福祉の充実を掲げている東海村らしい文化センターを目指すのはいかがでしょうか。近隣の文化センターとは差別化し、近隣にない機能を備えることで利用者は増えると思います。今回は提案にとどめておきます。
 1つ、イベントの紹介をさせていただきます。6月16日土曜日13時30分から、心のバリアフリーを目指してとして、にじいろコンサートという音楽会が催されます。医療的ケアを必要としている車椅子の子どもたちも鑑賞に来るそうです。心のバリアフリーから施設のバリアフリーにつながればと思います。
 次の質問に移ります。
 (仮称)歴史と未来の交流館について計画を疑問視する声がいまだに多く寄せられている現状を踏まえて質問いたします。
 旧光風会として、この建設について頭から全てを反対しているわけではないことは、これまでの質問で取り上げるたびに申してきました。
 日本は既に極めて急激な人口減少社会に向かっています。特に15歳から65歳、生産年齢人口の減少で見ると40年後には生産年齢人口、つまり支える側の人が総人口の50%にまで減るそうです。一方、社会保障費は増加の一途、まさに縮む日本です。東海村も例外ではありません。そのようなことから予算規模12億円の交流建設に対して、これまで疑問を呈してきましたが、6月1日の全員協議会において示された最新の概算見積額は15億8,900万円、約4億円も増加になっていました。これからオリンピック開催の対策で資材費等高くなること、それから人件費の高騰も考えられます。そのようなことを考え、今は白紙に戻して考え直すべきではないかという思いに至っております。
 通告していた既存緑地の調査についての質問は、先の全員協議会における説明を受け、26本残すことがわかりました。
 さて、行政では、これまで建設について反対する声や疑問の声は余り届いてないと言っています。しかし、私には議会報告会や街角アンケート、そして署名などを含め、たくさんの方々から今回の計画のような建物は必要ない、新しくつくるより今ある建物、例えばアイヴィルをもっと有効利用すべきという声が届いています。私が昨年参加したコミセン6カ所での説明会と村政懇談会において、自分でメモしたものと担当課がまとめたものを比べてみました。改めて意見の受けとめ方が行政とはずいぶん違うなと感じました。
 私のメモのほんの一部を紹介します。
 東京に行けば立派な遺物が見られる。わざわざ村で建てる必要があるのか。さまざまが多過ぎて絞り込みができていない。大切な文化財と言いながら耐震性のない建物になぜ遺物を置いている。よいことを並べ理想はいいが、中身がわからない。貴重なものというのであれば、この程度でいいのか。広域で連携も必要。照沼の子どもたちが自分で行けるのか。いろいろなことができるということは全てが中途半端。箱物の維持管理費、人件費、今後の税収減にどのように対応しているのかなど、たくさんメモしていました。
 質問1点目は、行政は何をもって反対の意見が届いてないと言われるのでしょうか。昨年度6つのコミセン、私は全てに参加しましたが、6つのコミセンでの説明会ではどのような意見があったのか、また住民意見を村長や教育長にしっかりと伝えているのか伺います。
  • 教育部長  お答えいたします。
     平成29年9月議会にも恵利議員より同様のご質問をいただいておりました。昨年6月の座談会での意見の内容でございますが、財政面などの理由から中には建設を不安視するご意見もありましたが、施設の必要性について前向きな多くのご意見、ご提言をいただいており、これらについては村長、教育長にも報告し、共有を図っているところでございます。その後の7月の村政懇談会においては、村長自らが「財政を不安視する声も聞いているが、交流館を整備することによって住民サービスに影響を及ぼすことはない。財政運営についても問題はない」との説明を行っております。
     続きまして、建設費の概算見込み比でございますけれども、これまで目安としていた建設費につきましては、平成25年頃の基本計画策定時の村内公共施設の建設状況を参考に、村が提示したものであります。また、6月1日に全員協議会でご説明いたしました工事費の見込み額15億8,900万円につきましては、実施設計において行った交流館の拡充後の平面計画に必要な機能や各種の設備等も加味した現時点での概算費となっております。基本計画時点では、博物館としての保存、展示機能に必要な設備などを整備することとした機能拡充を予測できなかったということもございまして、結果的に工事費を見込めなかったものと考えております。
     以上でございます。
 申しわけありません。私もこういうこと聞きたいなというところが少し抜けておりまして、大変失礼いたしました。その辺で新たな建物を必要論で語ると意見の相違、平行線になりますので、財政面について質問したいと思っておりました。全員協議会において新たに示された建設費ですが、これまでの12億の予算が一気に15億9,800万円に膨れ上がっています。予想はしていましたが、やはりこの金額は驚きです。
 それでお答えいただいたのは、この12億円の建設費が15億8,900万円になることは、建設費全体では3割増し、交付金7億円を引くと村の持ち出しはこれまでの5億円から約9億円の予算額になります。その8割増しですね。そういうことに対してどう考えるのかというところでお尋ねしようと思っておりました。それは見積もりが甘かったということですけれども、その辺わかりました。
 プロポーザルはどのような条件で決めたのか、仕様書はどのようになっていたのか、まず1点お尋ねいたします。
 そして、先ほどの答弁に村長が村政懇談会で言われたことは私のメモにもありました。心強い言葉ではあります。でも、財政運営は問題ないとは何年先までを視野に言われているのか、失礼を承知で言わせていただければ、社会が縮小していく中で右肩上がりの過去の景気に頼るのは危ういと考えます。旧光風会では住民の理解が得られないことなどを挙げ、異論を唱えてきましたが、力及ばずでここまで事業は進んできました。これまでにかかった経費約3,700万円は大きな金額ではありますが、今回当初予算より4億円も増えたことを考えると、勇気ある後退、つまりもう一度この計画そのものを初めから考え直すべきと考えます。そのような事例はここ数年、県内の自治体でも幾つかあります。
 議会において昨年3月、住民理解が十分と言えないままに進められたことに対して、全会一致で付帯決議が出されました。その後、担当課の行ったアンケートでは8割の方が建設賛成もしくは理解でした。しかし、私が学生とともに調査した結果では、8割が疑問もしくは反対、参考までに言えば、4月15日のみすずの会報告会において予算等説明を行った後のアンケートでは、9割以上の方が疑問もしくは反対でした。大きく乖離しています。どちらがより民意を反映しているかということは、調査の前提条件が違いますので判断しにくいと考えます。
 そこで、再質問の1点は、先ほどのプロポーザルの条件に加えての再質問です。先のアンケートの乖離を正すためにも、12億とした予算が15億8,900万に膨らんだという説明を盛り込んだアンケート再調査を提案いたします。いかがお考えですか。
 もう1点です。村では公共施設等総合管理計画をまとめるに当たって、公共施設カルテをつくられています。よくできていると思います。質問は、交流館建設に当たって、このカルテのような管理運営計画をつくったのでしょうか。12億円のときの管理運営と15億8,900万円では違いがあるのではないかと考えます。どのように変わったのか教えてください。
  • 教育部長
     お答えいたします。
     まず、プロポーザルにつきましては、設計会社の人的な体制や取り組み実績、技術力等を総合的に判断し、すぐれた設計者を選定したものでありますことから、例えば建設費を条件として選定したものではございませんということでございます。
     続きまして、アンケートの再調査のご提案だと思いますが、昨年交流館活動への住民ニーズの把握を目的にアンケートを行い、多くの意見を平面計画見直しや設備機能面に反映させたところでございまして、この内容につきまして広報等を通じて住民に周知してまいりたいというふうに考えております。
     もう一つカルテについては、施設の維持管理費の長期計画の見通しについてのご質問と思いますけれども、施設の維持管理費につきましては実施設計完了時に見込み額を積算いたします。今後、詳細設計を進める中で電気設備、機械設備の仕様や規格など維持管理が効率的に行える設備機器を選定いたしまして、施設の長寿命化に努めてまいりたいというふうに考えております。
 維持管理費への影響について質問をしておりますけれども。
  • 教育部長
     今回の建設費の維持管理費への影響でございますけれども、建設費と維持管理費、この12億円から15億円に増えたということで、必ずしも相関が認められるものではないと考えておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、経済性や管理コストも十分考慮して設計を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたしたいと思います。
     以上でございます。
 確認します。設備機能面に住民の意見を反映したものを広報等で周知するので、アンケートの再調査はしないということですか。
 建設費が現時点で3割も高くなりました。その中で村の持ち出し分5億円の見込みが9億円と8割増しになりました。これでは前提条件が違ったのではないですか。新たな情報を提供した上でアンケートを行い、民意に問うべきと考えます。再度お尋ねいたします。
 もう1点です。全員協議会において太陽光システムは設置しないと聞きました。この建設計画は白紙にすべきとは思っていますが、村の再生可能エネルギーに対する今回の考え方は、驚きを超えて非常に残念に思います。環境モデル都市を目指すと言っていたあのころの政策はどうなったのでしょう。ランニングコストを下げるようにしますと言いながら、なぜ太陽光発電システムの導入を見送ったのかお尋ねいたします。
  • 教育部長
     お答えいたします。
     まず1点目のアンケートの再調査でございますが、交流機能の拡充後の平面計画や現時点での概算見込み額など、先日の全員協議会でご説明いたしました内容も含めまして広く周知を図ってまいりますので、改めて調査を行わない考えでございます。
     続きまして、太陽光発電システムを設置しないこととした経緯でございますが、設備費用や維持管理費とこれに対する発電電力量効果を勘案しまして設置しないこととしたところでございます。したがいまして、歴史と未来の交流館につきましては、第4次エコオフィスプランにおいて公共施設の照明をLED照明へ改修し、電力消費の削減を図るとの方針に鑑みまして、館内設備の省エネ化に配慮した施設とする考えでございます。
     以上でございます。
 非常に残念です。東海村は以前から太陽光発電導入に補助金を出してきましたが、その政策を否定することにならないかと考えます。特に3・11以降は学校の改築に合わせて、また既存建物に、そして屋根貸しや駐車場への設置など再生可能エネルギーの導入に力を入れてきました。答弁で言われた「館内施設の省エネ化に配慮した施設とする」とは、今では当たり前のことです。さも立派なことに取り組んでいるように言われても、私は理解できません。
 初めの建設費を少なくしておいて、数年後に載せるのですか。私は建築の専門家ではありませんが、屋根の上につけるものは、建てるときに一緒に計画するほうが工事も楽でトータルコストも抑えられるものではないかと考えます。資材、人件費の高騰なども予想されます。このまま進めるとどこまで上がるのか、これからが心配です。
 以上で質問を終わります。