えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

平成30年9月議会質問内容

 猛暑が続いた今年の夏、全国で相次いで自然災害が起きました。災害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早く平穏な生活に戻られることを願います。
 私たちは、想定外が積み重なるとまさかの事態が起きること、そして自然の猛威に人の力は及ばないことをまたも見せつけられました。東海村の海岸線には原子力施設が並んでいます。いろいろな安全対策がとられているとはいえ、自然の猛威の前に私の不安は大きくなりました。
 それでは、通告に従って質問いたします。
 1問目は、少子社会における村立学校の将来ビジョンについてお尋ねします。
 人口減に向かっている今日の日本の姿は、合計特殊出生率からして1970年代に決まっていたことで、今さら慌てても既に手おくれと言われています。
 東洋大学根本教授の研究によると、国が示す小中学校の適正規模を基準に統廃合が進んだ場合、全国の小中学校は2050年のころには現在の3分の1程度に減少するということです。もちろん地域差があります。都道府県別に見ると、人口の少ない県では今の10分の1に減ってしまうことも予想されています。現在は子どもの数が増えている東京都や大阪府、愛知県でも半減する見込みということです。先ほども申しましたが、国が示す小中学校の適正規模を基準に統廃合が進んだ場合です。
 東海村の出生率は現在も県内でも高い位置にはありますが、やはり減少傾向にあります。小学校6校の中には中丸小学校のように児童数が急激に増えている学校も今はありますが、これも一時的なことだろうと考えます。
 社会保障・人口問題研究所の直近の発表によりますと、村の年少人口、ゼロ歳から14歳です。その村の年少人口を2015年と2045年、この30年間の差で比較すると2,200人以上減少すると推計されています。そのようなことから、今後、年少人口の減少により徐々に学校の空き教室が発生することが十分に予想されます。これからの学校のあり方をどのように考えるか伺います。
  • 教育長
     お答えいたします。
     本村においても、年少人口の減少が予測されます。社人研の推計によれば現在の1学年400名前後から2045年には1学年250名前後の児童生徒数になることが見込まれており、新たな学校のあり方を検討する時期に来ていることは確かだと考えております。
     本年度より照沼小学校は小規模特認校として英語教育に力を入れるなど特色ある教育活動に力を入れておりますが、その照沼小学校にも空き教室がありますので、とうかい村松宿こども園の子どもたちが定期的に照沼小学校を訪問して、小学校の図書館で読み聞かせや絵本を読んだり、2階の芝生で遊んだりという施設の有効活用を図っているところでございます。
     また、園児・児童数が減少しております石神幼稚園、石神小学校につきましては、3歳児から12歳児までを見通した連続性のある質の高い教育内容、そして活動を図るために石神小学校敷地内で幼稚園教育もできるような施設や運用面での検討を現在行っているところでございます。
     また、他の学校についても、余裕教室の増加が見込まれる学校についてはコミュニティスクールの取り組みを通して、そういうふうなことを話題にして地域とともに、よりよい活用のあり方を探っていくことも一つの方策かなと考えております。
     以上でございます。
 石神小学校の取り組み、すばらしいと思います。また、今、照沼小学校でも村松の幼保一元の子どもたちが行っているということで、小学校との交流ができたりして、とてもすばらしい取り組みかなと思います。
 もとに戻りますけれども、石神小学校の取り組みですね。古い園舎を建てかえるのではなく、既存建物を利用する。縮めながらも機能をフルに活用させるこの取り組みは、コストの縮減だけでなく、教育的効果も生み出せそうだろうと期待しております。
 再質問は、答弁の中にありました照沼小学校の英語教育に力を入れるとかの特認校の取り組みについてですが、4月の制度開始からこれまでを振り返って、教育委員会ではどのように評価されていますか。
  • 教育長
     お答えいたします。
     照沼小学校の小規模特認校制度は今年度よりスタートしましたが、村内の他学区から5名の転入学児童を迎えました。NLTの先生が英語の授業以外の音楽や体育の中にも入って、英語に触れる機会を増やしているところでございます。10月の小中音楽祭にぜひご参加いただきたいなと思います。照沼小学校の子どもたちは英語の歌を歌う予定でおります。また、ICT教育においても、プロジェクター型電子黒板を高学年教室に試験的に導入していて、学習方法の工夫改善に取り組んでいるところでございます。
     1学期が経過して制度利用者の保護者の方にアンケートを実施したところ、まず1つは、きめ細やかな教育を受けることができる、もう一つは、特色ある英語教育や、やっぱり照沼小ならではの米づくり等、そういうふうな魅力あるカリキュラムがあり、概ね好意的な意見をいただいております。
     また、当初懸念しておりました交通機関についても、保護者のほうから負担を感じてないと現在のところというふうなご意見をいただいておりますので、教育委員会としては順調な滑り出しかなという評価をしているところでございます。
     それで、小規模特認校として照沼小学校が新たな教育のモデルとして取り組んでおります。これからプログラミング教育も後半やっていくわけですけれども、そういうふうな取り組みの成果をほかの小学校、中学校に波及していきたいなと考えております。
     以上でございます。
 概ね順調に進んでいることがわかりました。今の答弁に対して、教育長に再々質問させていただきます。その後に副村長にお尋ねしたいと思います。
 まずは教育長にお尋ねします。昨日、そしてただいまの答弁を伺って、照沼小学校に行くと魅力的な勉強ができそうというふうに私も思いました。そこで、例えば特認校という魅力に来年度、大勢の希望者が出た場合はどのように対応されるのでしょうか。これが1点目の質問です。
 そして、ちょっと疑問に思うところですけれども、公立の義務教育課程の学校ということを考えると、教育内容に大きな差があってよいのだろうかと思うところがあります。言いかえれば、公立小学校という場において教育の格差を生じさせないかという疑問です。英語とかプログラミングとか、そのような差が出ないのかなというところちょっと疑問です。そのあたりどのようにお考えか。
 そして、3点目は、答弁の中で照沼小学校の取り組みから得られた知見を他の小学校に還元するとのことですが、先ほど言いました教育の格差を生じさせないためにも、他の学校に還元するのはいつごろを予定されているのか。格差を生じさせないためには早い方がいいと思うんですけれども、いつごろを予定されているのか伺います。
 最後、教育長もう1点です。特認校で得た知見を他の小学校へ還元すると、どの学校も同じになり、先ほど言いましたように義務教育課程においての格差に対しては疑問を持っている部分はありますけれども、その特認校の魅力がなくなり、一時しのぎの対症療法に過ぎないのではないかなと心配する部分がありますが、いかがでしょうか。
 教育長には以上4点。
 続いて、副村長には視点を広げて質問いたします。
 これからのまちづくりにおいて少子化や人口減少は問題ではなくて、もう前提ですね。今後は学校施設のあり方にとどまらず、村内の公共施設全体でその利用方法を考えていかなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
  • 教育長
     お答えいたします。
     まず1点目の照沼小学校が非常に特色ある教育活動をしていて、そこに転入生が多くなったらばどうするのか。正直な話、そこまでは考えておりません。ただ、そのくらい特色ある教育に取り組んでいて魅力あれば行くということは、それだけ照沼小学校の教育活動がいいということですよね。ほかにつなげられるということもあると思います。うれしい悲鳴にしたいなと、正直な話思っています。今のところ、どういうふうに抽選するかとか、そんなのは考えておりませんので、ご理解いただきたいなと。
     2点目の特認校として特色ある教育活動することが教育の機会均等に差が出てくるんじゃないかという質問なんですけれども、これは大きく考えたら例えば公立6校でこの近くでは日立一高の附属中学校がございますよね。あそこも公立ですよ。あそこでも特色ある、これから医学とかやっていく。そうすると、それも含めてなんですけれども、私たちは義務教育の中で、これだけは子どもたちにつけていきたいな、こんな力をつけていきたいな。それは大前提に置きながら、基礎的、基本的な学力をつけていきながら、プラスアルファのことはその学校の特色だと思うんです。私はやはりプログラミング教育で1つ言えるのは、きのう答弁したことですけれども、5時間授業を照沼小学校で実践してみます。それをほかの小学校5つの学校の先生方も一緒に見ながら、こういうふうにやれば、ああいうふうにやればということで、来年からもうすぐ実践していきます。ですので、照沼小学校だけどうのこうのということはないと思います。
     それと、これまでも先進的に取り組む学校が1つあって、それを見ながら模倣しながら新たな学校づくりをしていくということが大事ですので、そこら辺の教育の機会均等に差があるとかって、そういうふうなことはないと思います。
     それで、あと他の学校への還元、どの時期に還元するかということについては、これはいろいろな研究発表会とか校内研究やっているときに、ほかの学校の先生にも来てもらっていますので、正直な話、あしたから還元できる部分は還元していきながらですね。ですので、これは私たちも指導室で学校現場を回りながら、どの学校にも同じような取り組みができるような体制づくりをしていきたいし、照沼にはない特色ある教育を白方小学校でやっているはずです。そういうふうなものを大事にしていきたいなと考えております。
     答弁になったかどうかわかりませんけれども、以上です。
  • 副村長
     人口減少時代を迎えまして、公共施設マネジメントの推進は重要な取り組みの一つであると考えているところでございます。そのようなことから学校をはじめとする全ての公共施設等を対象としました公共施設等総合管理計画を策定し、また個別施設ごとの長寿命化計画の策定を進めているところでございます。これらの計画を生かしていくためには、施設の現状の把握と今後の推移を的確に把握することが非常に重要でありまして、また新たな行政需要への対応といった点を見きわめながら、計画の見直しを適宜図っていくことが必要となります。
     これらの取り組みを進めながら、地域の置かれた状況等にも配慮しつつ施設の更新や有効活用等の検討を進めてまいりたいと思います。
 再々質問までしましたので、質問ではありませんけれども、照沼小学校、特認校に対する取り組みについてはわかりました。それと、そういう格差にならないような仕組みをちゃんとやっていけるというところで照沼小学校の取り組みが、すばらしい取り組みがほかの子どもたちにもしっかりと波及するような教育をよろしくお願いいたします。
 来年度、殺到したときには考えてないというところでしたけれども、最初に。そういうことも考えられるかもしれませんので、その一定のルールづくりみたいなものも用意されていたほうがいいのではないかと思います。老婆心でした。
 それで、公共施設の有効利用については、縦割り行政の垣根を低くして、これまで以上に進めていくべきと私も考えます。まさに今ある建物を賢く使うという国が提唱していることです。そして、その前に国はもう一言「新しくつくるより」と言っています。なぜ国は「新しくつくるより今ある建物を賢く使う」とわざわざ提唱しているのでしょう。高齢化社会に続き、少子化、人口減が前提となったこれからの社会において、新たな建物をつくろうとするときは、よほど先を見据えた考え方、そして住民の理解と合意を得ておくことが大切かと考えます。
 次の質問に入ります。
 文化センターの長寿命化計画についてです。
 築40年を経過した東海文化センターは、平成28年度に策定された東海村公共施設等総合管理計画により、さらに30年使う計画であることが6月議会の質問でわかりました。議員になってこれまでの10年の間に、住民からは「人・自然・文化が響き合うまちと第4次総合計画で掲げている東海村の文化センターとしては残念な施設」「使い勝手のよい文化センターに建てかえないの」、また「足の不自由な人は2階を利用できない」などという声をいろいろな方からいただきました。これまでの議会質問でバリアフリー化やトイレ、控室の空調などの問題を取り上げ、改善につながった部分もあります。
 しかし、これからさらに30年使い続けるとなると、大がかりな改修が必要と考えます。なぜなら、40年前の建設当時と違い、現在はライフスタイルの変化や価値観の変化により、住民ニーズは多様化、複雑化し、誰もが気軽に文化芸術を楽しむことができる環境整備が求められているからです。
 6月議会のとき、文化センターで「にじいろコンサート~心のバリアフリーを目指して」という催しが開催されることを案内させていただきました。コンサート当日は村長はじめ行政関係者や議員も足を運ばれていたので、その様子はおわかりの方もおいででしょうが、少しお話をさせていただきます。
 客席では中通路や最前列にたくさんの車椅子、車椅子といっても吸引機や点滴のような装置などが装備された結構大きな車椅子が並びました。文化センターの理解と協力によって医療的ケアを必要としているお子さんとご家族が音楽を楽しむ時間が持てたのです。車椅子があれほどホールに入ったコンサートは、40年前には実現しなかったでしょう。終了後、近くでいらしたご家族数組にお話を聞かせていただいたところ、「子どもと一緒に家族でコンサートを楽しめた」「ほかの会館ではこのようなコンサートはできない。感謝している」などの感想をいただきました。水戸市をはじめ近隣のまちからも来られていたようです。
 そこで質問は、文化センターはほかの箱物と違って特別の機能や快適性を求められる建物です。これからの30年間、住民が有効に使うことができる文化センターとするための長寿命化計画について伺います。
 また、文化センターを中心としたグランドデザインについてどのようにお考えなのか伺います。
  • 教育部長
     お答えいたします。
     文化センターの長寿命化、リニューアルの考え方でございますが、現在都市整備課において長寿命化計画の策定作業を進めており、今後30年間利用していくという計画でございます。
     長寿命化に加えまして、利用状況を注視しながら、可能な限り利便性を向上させる施設改修の必要性を検討してまいりたいと考えております。
     2点目の文化センター周辺のグランドデザインについての考え方でございますが、交流館建設に並行いたしまして、平成32年度ないし33年度の早期には旧中央公民館を解体撤去いたしまして、交流館、文化センター、中央公民館の共用の駐車場として整備する予定でございます。
     旧中央公民館の撤去により、文教エリア一帯における開かれた空間が生まれますので、イベントの実施やにぎわいづくりにも寄与できるような整備を検討してまいりたいと考えております。
     また、文化センターと一体的な施設であります中央公民館につきましては、平成37年度までの長期リース施設でありまして、現時点においてリース期間終了後も継続的に利用することを考えております。
     以上でございます。
 中央公民館については、先ほど江田議員への答弁でもある程度わかりました。ただ、中央公民館、今の中央公民館はプレハブ、生涯学習の拠点である公民館がプレハブの公民館で、使い勝手が悪いと聞いています。10年間はという前は、そういう住民の方も何か10年後にはとか、いつかは変わる、プレハブだから変わるのかなという期待もあって、今使っていらっしゃる部分もあるかと思うんですけれども、その後も使い続けるという部分で皆さんどうなのかなというところです。
 あと、お声として伺う分には、運用面においても、文化センターとの連携が取りにくいとも聞いています。そのあたりの改善はどのようにお考えなのか伺います。
 また、長寿命化計画についての答弁は、何だか答えていただいたようでつかみどころのない答弁だったかなと思います。それで、再度その点についても質問いたします。策定中と言われる長寿命化計画はいつごろできる予定でしょうか。また、可能な限り利便性の向上に向けた施設改修を検討と言われました。利便性の向上の一つとして、障がい者に優しいということがあります。障がい者に優しいということは、もちろん一般の方にも優しいということになります。どのような文化センターを目指すのか、お考えを伺います。
  • 建設部長
     お答えいたします。
     建設部からは1点目、2点目についてお答えいたします。
     1点目の長寿命化計画の策定時期につきましては、武部議員の質問においても答弁いたしましたが、政策会議への説明また議会への説明、パブリックコメントの実施などを経まして、本年度中の策定を目指しているところでございます。
     次、2点目の長寿命化計画の具体的な内容でございますが、各施設の基本情報、また劣化度調査の結果を踏まえまして、今後30年にわたる改修工事等のロードマップを示す予定をしております。
     なお、改修工事等とは建築物を長寿命化させるために必要な外装改修工事と改築工事のことでございまして、内装のリニューアル工事等は含んでおりません。
     以上でございます。
  • 教育部長
     お答えいたします。
     公民館との運用面での改善策でございますが、公民館と文化センターにおいては条例の目的に沿いまして、それぞれ管理を行っているところでございます。これまでも施設間で協議をしながら改善を行ってきているところでございますが、今後もより施設運営が行えるように引き続き協議を重ね、検討してまいりたいと考えております。
     以上でございます。
 ぜひその連携がうまくいくように、建物自体も使いづらいところに連携もうまくいかないと、せっかく隣にあるのにもったいないなと思います。そこはよろしくお願いいたします。
 再々質問に入ります。
 平常時の年間利用者は約4万人あると聞いています。音楽や芸能を見に文化センターに行かれる方は、非日常を楽しむためにチケット代を払って見に行かれるわけですね。でも、文化センターのトイレは思い出してください。階段で下に下っていきます。そして、これは女性しかわからないでしょうけれども、女性用トイレの半分は和式です。全部を洋式にする必要はないと思いますけれども、半分が和式というのは、今の高齢化社会にどうなのかなと思います。男性用のトイレには入ったことがないので、ちょっと確かめていませんけれども、トイレがそういう状況ですね。やっぱり男性用も階段をおりていくということです。
 また、ホールは膝かけを貸し出さなければならないほど温度差の出る空調、一見、膝かけを貸し出しますよというのは親切そうだけれども、本来だったらそういうあれもなくてもいいような空調になればいいのかなと思います。
 楽屋では出演者の利便性の向上が求められています。また、2階の会議室がありますけれども、2階の会議室等に上がるには階段しかない。車椅子の方や足腰の不自由な方にとっては2階は使えない、使いづらいということです。まだまだほかにもあります。このようことはもちろんご存じだと思います。
 これから30年使っていくには、答弁にあったように経年劣化対策、長寿命化としては当たり前のことです。その程度の対策では単なる箱物にしかなりません。これからは東海村の高齢化率も上がります。年齢を重ねれば体が不自由になる方も増えるでしょう。誰もが使いやすい文化センターとするためには、多様性に対応できるように、そして柔軟性を持たせた建物としていく取り組み、思い切ったリニューアルが必要と考えますが、再度お伺いいたします。
  • 教育部長
     お答えいたします。
     文化センターの改修につきましては、現在、長寿命化計画を策定しているところでございますので、この計画を踏まえつつ、利用状況や運用面の工夫と改修の必要性など総合的に勘案いたしまして、検討してまいりたいと考えております。
     以上でございます。
 3問目に入る前に一言言わせていただきます。
 文化センターの機能は、村のほかの公共施設ではカバーできないところが多いですよね、あれだけのホールを抱えてということだったり、ステージがあったり。建設後40年を経過したことを考えると、改修の優先順位は高く、そして部分改修では効率が悪いので、大規模改修が望ましいと私は考えます。内装のリニューアルには、それなりの費用がかかるでしょうが、同じ生涯学習課で(仮称)歴史と未来の交流館の建設予定費が12億円からおよそ16億円になりました。いとも簡単に4億円もアップです。この「いとも簡単」というのは個人的な感覚です。行政は税金という形で村民からお金を預かっていることを考えると、村民の声にもっと真摯に向き合っていただきたいと考えます。
 次の質問に移ります。
 安全な飲み水・農業用水を確保するために、久慈川保全への認識を高めようという視点から質問いたします。
 本村の飲料水、年間450万トン、そのうち久慈川が約75%であり、残り25%が那珂川の水とのことです。また、久慈川に隣接している水田への農業用水も久慈川に頼っています。サケも遡上します。久慈川は東海村民にとって恵みの川ですので、村民生活の安全・安心のためにも水質や水量が守られなければなりません。
 久慈川沿いの住民からは、昔はある程度の雨が降っても久慈川が濁ることは少なかったが、最近は濁りやすくなったと聞きました。上流の開発や支流の整備により、降った雨の流れが違ってきたのかと考えます。また、上流にある山林の放置等の影響が出ているのかもしれません。久慈川保全は最下流に住む私たちには重大なことです。これまでの保全活動への取り組みについて伺います。
  • 村民生活部長
     お答えいたします。
     久慈川水系から受ける多くの恵みは議員お考えのとおり、村民生活に欠かすことのできないものと認識しております。
     久慈川をきれいな川として守り育むための啓発活動につきましては、昭和60年に久慈川の水質回復を目的といたしまして、久慈川水系の市民団体、自治体、国・県が連携協力いたしまして、久慈川水系環境保全協議会を立ち上げ、活動してまいりました。
     活動内容といたしましては、久慈川水系と人とのかかわりなどを中心につづりました「久慈川のほとり」を年1回発行し、後世への記録を作成いたしました。また、水質保全モニターを設置いたしまして、日常生活の中で久慈川水系の水質や動植物等の監視を行い、異常があった場合には関係機関へ情報を提供する活動や、モニターの研修会といたしまして、環境保全に関する講演会、久慈川水系に関する情報交換会などについても取り組んでまいりました。
     その後、流域自治体における環境保全活動や公共下水道、合併処理浄化槽等が普及いたしまして、久慈川水系の水質が安定したことにより、久慈川水系環境保全協議会は設立当初の目的が達成されたといたしまして、平成27年3月に解散し、久慈川とのかかわりにつきましては自治体ごとの対応に切りかわっております。現在は、それぞれの自治体による環境保全活動が進められているところでございます。
     以上でございます。
 およそ30年前から協議会をつくって活動してきていることはわかりました。その結果、久慈川の水質が改善し、安定したので、協議会は解散したとのことですが、やはり川を守るという啓発活動は続けなければならないと思います。最下流にある本村にとっては、流域自治体や流域の住民の取り組みいかんで飲み水に影響するからです。東海村は上流に向かって、どうかきれいな水を下流に流してくださいとお願いする立場なのです。通告書には(仮称)久慈川サミットと書きましたが、名称や形式にこだわるものではありません。
 質問は、久慈川水系の関係者が一堂に会し、川についての勉強会や情報交換会、川上、上流下流というと、何か今の社会、下流社会とか間違えそうなので、川上と川下の交流などは不定期にでもやるべきと考えますが、いかがでしょうか。
  • 村民生活部長  お答えいたします。
     久慈川水系の関係者が一堂に会する機会につきましては、最下流に位置します東海村にとりましては重要で意義あるものと考えておりますけれども、先ほど答弁いたしましたとおり、協議会の解散から日が浅く、自治体ごとの活動へと切りかえたところでありますので、当面の間は流域自治体ごとの状況を見てまいりたいと考えております。
     以上でございます。
 お考えはわかりました。それで、解散して間がないというところで、ただそういうお気持ちは持ち続けていただきたいと思います。
 それで、10月15日から19日の日程で、川ではないんですけれども、第17回世界湖沼会議が茨城県で開催されます。そのパンフレットに「人と湖沼の共生」と題した文章が載っています。その文章を久慈川に合わせて少しアレンジして引用させていただきます。
 人が久慈川とともに生きていき、水系から得られる恵みである水系サービスを将来にわたって持続的に享受するためにはどのようなことに取り組むべきかについて、住民、農林漁業者、事業者、研究者、行政など久慈川にかかわりを持つ全ての人々が情報を共有、意見交換を行います。このような取り組みをしていただきたいと申し上げまして、4問目に移ります。
 文書管理や記録管理はどのような基準のもとに行われているか伺います。
 公文書の管理については、幾つかの地方自治体が国の法律より先に公文書管理に関する条例、例えば情報公開条例や個人情報保護条例、公文書管理条例を制定してきた経緯からすると、地方自治体の公文書管理は国より進んでいると言えるようです。
 公文書は、かつては行政のものと言われていたそうですが、情報を記録した文書は住民のものであり、今は公文書は住民と行政の共有する財産であるとされています。ですから、住民が請求したものがのり弁状態で提供されることは、よほど特別なことがない限りおかしなことです。
 東海村は日本の原子力発祥の地であり、原子力に関する記録も相当量あると考えます。住民の安心・安全のためにも、しっかり記録に残すべきです。
 まず、1回目の質問は、本村において文書管理や記録管理はどのような基準のもとに行われているのか伺います。
  • 企画総務部長
     お答えいたします。
     本村の文書の管理は、文書の保存年限を定める場合の基準、文書の保管方法、文書の廃棄方法などを定めた東海村文書管理規定に基づき行われております。公文書の保存年限の基準につきましては、永年保存は議会の議決書、条例・規則に関する文書など、10年保存は予算決算及び出納に関する帳票、契約等に関する文書など、5年保存は調査に関する文書や村が交付する補助金等に関する文書など、3年保存は照会、回答、その他往復文書など、1年保存はいずれにも属さない文書となっております。いずれかの保存年限を各主管課長が決定し、保管を行っております。
     文書事務に当たっては、課長の文書事務の処理を補佐するため、各課に文書取扱主任を置くとともに、必要に応じて文書取扱主任者会議を招集し、各課に文書事務に関する情報提供を行い、適正な事務執行に努めております。
     以上でございます。
 今の答弁から行政マンが守るべきルールはわかりました。公文書の管理に当たっては、文書管理規定に基づいて重要度や資料としての価値等を考慮して保存期間を定めているとのことですが、住民の安全・安心を考えると、公文書とされていなくても大切な記録があると考えます。
 大切な記録という点で、再質問いたします。
 東海村内の空間線量について1点。村が村内各地で測定した結果の記録が3・11以降とか特に残っているのか伺います。
 2点目は、それらの情報は村民がすぐに見られるように公開されているのでしょうか。
 もう1点は確認です。今回の質問に当たってのヒアリングで3・11後の村内ホットスポットとして、かなり高い値12マイクロシーベルト・パー・アワーあった白方コミセンのケヤキの根元周囲、ケヤキの木の周りの汚染土の管理について伺ったところ、その時点ではわからないというものでした。文書でも残っていないようでした。ヒアリング後の調査で除染した土は、今どのようになっているのか、文書なり現場なりで確認はできたのでしょうか。
 質問2点、あと確認ですけれども、1点お願いいたします。
  • 村民生活部長
     お答えいたします。
     3点ございましたが、まず1点目と2点目についてお答えいたします。
     村では、村内の公共施設において村が実施しました測定結果を文書で記録・保管するとともに、学校や公園、コミセンなど111施設、406地点で定期的に測定していることを村公式ホームページで公表しています。
     それと、3点目の白方コミセンの土壌ですかね、その辺につきましては、その当時、適切な測定等をしまして、適切な処理をしたと伺っております。
     以上でございます。
 今回のこの文書管理、記録管理についての質問のきっかけは、汚染した土が今どのようになっているのかとの住民からの問い合わせがあったのがきっかけです。もちろん国のほうの森友・加計学園問題でも公文書という部分は話題になったところですけれども、私の今回のきっかけは住民からの問い合わせです。
 2011年当時、白方コミセンのケヤキの根元あたりの線量が高いと、やはり住民から連絡を受け、担当課に対応するように頼んだこと、そして翌年2012年9月議会で白方コミセンのホットスポットに関して議会質問で触れましたので、私の記憶にもあります。多分、村内で測定された中で12マイクロシーベルト・パー・アワーというのは一番高い値だったんではないかと記憶しています。このような情報は村民にとってとても大切な内容ですね。
 でも、適切に私の記憶でも白方コミセンのどこかに埋めたって、除染はしてもらいました。それでしばらく白方コミセンの皆さんが入らないようにトラロープを張って地上に置いていたんですけれども、その後、地下というか地面に埋めたと。そこの部分あるんですけれども、そこまではその当時のルールがまだできてなかったのかもわからないですね、国のルールも。適切に処理されても対応されていても、その後の記録がないというと、適切にされたと私は言えないと考えます。どのようなことを公文書として残すかについては、担当課長の裁量で判断されているのでしょうが、残しておかなければならない記録、住民にとって大切な情報があると考えますが、いかがでしょうか。
 また、ほかにこのような事例はないのか、しっかりこの機会に洗い出して、そういう高線量のものをどこかに埋めたとか何かそういう事例があれば、あるのかないのか私は把握しておりません。すみません、調査不足ですけれども、もしそういうものがあるのであれば7年前のことですが、今からでも記憶に残っている職員から情報を集めて記録に残すべきと考えます。よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
  • 企画総務部長
     お答えいたします。
     先ほどの答弁にも重なりますが、文書管理の中で文書管理規定に基づいた保存年限がありますので、例えば永年保存の文書については引き続きマイクロフィルムも含め文書保存に努めてまいります。
     以上でございます。
 再々々質問はできませんけれども、お尋ねしたのは、もちろん長くしっかり残すものは残しますよということで、その手法としてマイクロフィルム化ということも、とてもいいことだと思います。場所だけどんどん重なりますからね。
 それで、住民にとって大切な情報があるんではないかというところに対してお答えが欲しかったんですけれども、そこはお忘れだったのか、はぐらかされたのかちょっと判断できませんけれども、また後で聞きたいと思います。
 もう1点、ほかにこのような事例はないのですかというところもお答えいただいておりません。ほかにこのような事例がないかをやっぱりしっかりとヒアリングして、先ほども言いましたように記録に残すべきです。
 初めにも言いましたが、議会や住民に説明責任を果たすためにも、情報を書き記した文書は住民のものでもあるという視点を再認識していただきたいと思います。そして、公文書管理、記録管理の改善に努めていただきたいということを述べまして、質問を終わります。