えりいつ だいすき東海村 クローバー通信
恵利いつの村議会報告
令和元年6月議会質問内容
- 1問目は、(仮称)歴史と未来の交流館建設問題について、付帯決議を受け、行政はどのように取り組むかについて質問しますが、本事業の進め方にはボタンのかけ違いが生じたように見え、そのことを私は非常に懸念しております。一事が万事にならないようにするためにも、今後の村政に生かすためにも振り返りを含め、質問いたします。
議会で交流館建設に対する質問をするとき、これまでにも何度も申してきましたが、この建設計画について計画当初から、そして頭から反対してきたわけではありません。そのことは議事録でご確認いただけると思います。
事業計画が持ち上がって、平成27年度用地買収や28年度の基金積み立てなどが議会に諮られたとき、文化財保護の観点等からも反対する理由はなかったので、当時の光風会としてその時々に賛成してきました。
しかし、説明を受けるたびに建設計画の曖昧さや甘さを感じ、疑問を持つようになりました。この間、いろいろな提案もし、また村民の意見も伝えました。光風会のときから何人かの議員の方々と意見を交わしたりしました。時には計画に対案を持って異論を呈するなど、光風会から新たな会派みすずの会となっても真剣に取り組んできました。
しかし、この計画はある時期、平成29年の初めごろかと思いますけれども、そのあたりから村長ミッションですと言われるようになり、それまで建設について気軽に意見交換できていた職員の方々の口は急に重くなりました。私はいろいろな立場の方々の意見を聞いて、村民に有益なよりよい施設にしていきたいと考えていたのですが、残念に思いました。
そして、いつしか建設することが目的となったこの計画は、一旦立ちどまって考え直すべきであると考えるようになったころ、多くの村民からもご意見をいただくようになり、今に至っております。
さて、交流館建設計画については、これまでに2回付帯決議がなされています。付帯決議とはどのようなものかということを改めて調べてみますと、付帯決議とは議会の希望などを表明するものであり、法律的な拘束力はありませんが、行政にはこれを尊重することが求められ、無視はできないとありました。1つの事業に2回も付帯決議が出されるようなことが本村議会においてこれまでにあったのでしょうか。私の記憶にはありません。
付帯決議の1回目は2年前の平成29年3月議会で、住民への説明が不十分であるとするものです。2回目は今年3月議会において、いまだ施設の意義、目的等について住民へ正しく伝わっていない側面もあり、特に建設コスト等について不安視する声も聞かれる状況であるとして、以下2つの意見が付されました。
その1点は、交流館建設については引き続き幅広く村民の理解を得るよう努めるとともに、多くの村民が参画し得る仕掛けを構築した上で事業を推進すること。
2点は、備品の選定や管理運営計画の策定に際しては維持管理費を含めたコスト縮減に努めることとする付帯決議です。
質問の1回目は、1つの事業を進める中、村民の理解を得るように努めることとする趣旨の意見が、村長と議会は車の両輪とする二元代表制の議会側から2度も出されたことをどのように考えられますか。また、これまでにどのような対応をしてこられたのか伺います。
そして、今後はどのように進めようとしているのか。もし、この付帯決議を軽視するようでしたら、議会そのものをないがしろにすることになると思います。そのあたりについてもお考えを伺います。
午前中の質問の答えと重複するところもありますけれども、午後から見えた方もいらっしゃいますので、もう一度お答えお願いいたします。
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- 村長
お答えします。
付帯決議への受けとめは午前中の吉田議員へお答えしたとおりですが、いずれの付帯決議も住民の理解促進について求めるものであるというふうに捉えております。前回の付帯決議以降さまざまな手法で理解促進を進めていく中で、住民からの意見を踏まえた交流機能の拡充の方針を打ち出し、平成29年12月の議会全員協議会においてご説明させていただきました。その後も実施設計と並行して理解促進の取り組みを継続して実施してまいりました。
今回の付帯決議は、施設整備の目的が正しく伝わるよう引き続き工夫して理解促進を求めるものと、より有益な施設となるよう住民の参画の仕掛けを求めるものでありますので、先の吉田議員の資料要求で提出しました資料のとおり取り組みを進めていく考えでございます。
以上でございます。
- 付帯決議について、午前中の吉田議員へのご答弁の中で、期待への裏返しと思い、前向きに捉えているというお話でしたけれども、ちょっと私あの答えはえっと思ったところがあるんですけれども、もちろん前向きであることは人生いろいろいいことだと思うんですけれども、この付帯決議を期待への裏返しととるのか、私は村長に申し上げるのも申しわけないけれども、謙虚とか厳粛にとか、もっと重く受けとめていただきたかったなというのが私の思いです。
その上で、その中に込められている言葉をしっかりと履行していただきたい。その受けとめ方にはいろいろ違いがあったのかというところもありますけれども、広報とうかいやリーフレット、冊子をつくったり、CG動画作成などその今行政がやろうとしている広報活動、そのようなことに幾ら尽力しても、それは多くの村民が抱いている根本的な疑問の解決にはなっていないと思います。夢を語ることは否定しません。しかし、村民からすれば特に署名をした方々ですね、その人たちの知りたいことや疑問など求めていることへの説明は不十分、的がずれているのではないかと思います。
その一方で、建設計画を進めるための説明は行政からのPRが何度も繰り返されている。これでは村民の思いに逆行しているのではないでしょうか。もちろんそれを望んでいる村民もいらっしゃるでしょうけれども、疑問を持っている村民、村民が投げかけている問いを無視しているように思われるかもしれません。「民は由らしむべし知らしむべからず」の政治手法に見えます。
改めて質問しますが、村民が建設に疑問を持ち知りたがっていること、心配していることはどんなことと捉えてここまで進めてこられたのか。
2点目、今回の計画にストップをかけたいと住民が活動しているのはなぜとお考えでしょうか。
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- 村長
お答えします。
2つ今質問されましたが、不安視をされていることとか、あと今ストップかけようと思っていることに対してということなので、多分同じようなことだと思うんですが、私、施設そのものの必要性については、ある程度理解はされているというふうには思っております。こういう施設が要らないという方も一定程度いらっしゃるでしょうけれども、ある程度の方は施設の必要性については、ただその施設の中身ですとか、あとは多分財政的なところ、施設の規模といいますか整備費、その後、整備の後の維持管理という多分財政的なところの不安というか、そういうものが大きいんだろうというふうには理解しています。
そういうこともありまして、今の村の財政状況については昨年も広報とうかいのほうでお知らせしましたが、あれも若干まだ詳細にはなってないところがありますので、ただこの今後の財政状況を説明するときの難しさもありまして、いろいろな過程で条件をつけて試算をしていくことになりますので、そこをどこまで的確に見込めるかというのはなかなか限界もありますので、ただいずれにしましても財政問題が多分一番大きな不安視のところだと思いますので、そこについては引き続き現状の財政状況、今後の財政運営についてしっかり説明を果たしていきたいというふうに思っています。
以上です。
- 2点目のそのちょっと答弁漏れかなと思ったので、2点目のストップをかけたいと住民が動いているのはなぜか。これは……。
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- はい、わかりました。じゃ再々質問入ります。
今の村長の答弁にありました村民の不安視しているところというのは、必要性はそれはいろいろな差はあると思いますけれども、財政とか維持管理、そうですね、そういう財政に関すること大きいと思うんですけれども、先日、今話題になっている金融庁のあの2,000万円、老後の2,000万円とかというの、あれは国としても出したり引っ込めたりのようですけれども、まさしくあの2,000万円の準備が必要というところにみんなびっくりしたのは、それが本当に全然そんなことないよというようなことでしたら、びっくりすることもなく何でだろうと聞き流すか、何言っているんだで終わるんでしょうけれども、今後の年金とか、そういう人口減とか、そういうところにすごい不安がやっぱりあるから、あの2,000万円の準備が必要というところも何かえって心配が膨らんだのではないかと思います。
この反対というか、これに疑問を呈していらっしゃる方々は本当に財政だけじゃなくて、まだある建物いろいろあるよねとか、いろいろなことを考えて、それと若い人たちが今度、減っていく中でどういうふうにするのとか、本当に幅広く考えて、ご意見を下さっておりますので、そのあたりをもっと丁寧に捉えて対応していただきたいなと思います。
それで、再々質問ですけれども、先の3月議会で既に建設工事費等の工事予算が可決していますので、今後、事業は粛々と進められると思います。しかし、このまま進めてはこの事業に禍根を残しかねません。つい先日も40代の女性が「どうなりましたか。みんな要らないと言っていますよ。木は切ってしまったので、あのまま駐車場にしてください。まだ間に合いますよね」って。私が「もう予算通ったので」と少し力なげに言いましたら、そういうふうに力説されました。今のこの状況です。このまま進めたのでは18億円以上かける交流館があだ花になりかねません。
5月14日付で住民団体、歴史と未来の交流館の新設を考える会から「付帯決議履行について」という質問状が出され、その回答を住民の方から見せていただきました。その回答、住民の質問と回答がかみ合ってないように私は思いました。
質問の1点目は、なぜあのような住民が尋ねていることに対するかみ合わないような回答であったのか。
2点目は、村民の疑問を解くことが、それが理解を得ることと思います。付帯決議を誠実に履行するために、行政は村民の疑問を解くという目的に合った対応が求められます。村民の疑問を解くために、どのようなことができるとお考えでしょうか。お尋ねします。
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- 村長
最初の質問で、住民団体からの要望に対しての回答の仕方ということですが、あの時点で答えられる範囲で答えたつもりではありますが、なかなか回答を求めているものについては多分精査するのに時間かかるものもありますので、時間もなかった中では限界だったかなというふうに思いますので、ただその求めてられているいろいろな今後の計画とかというところにつきましては、まだまだちょっとそれは、すぐには答えが出せるものではありませんので、そこはちょっと今後検討していきたいなというふうに思っています。
あと2番目の疑問に答えていく、疑問を解いていくというところでございますが、これまでも、行政としましては村民の皆様方に、村がやろうとしていることをできるだけ丁寧にお伝えしているつもりですが、そのお伝えしているものと多分住民の方々の言われていることとが、そこがかみ合ってないというところもあるでしょうから、そこは引き続きそういう場で私のほうできちんと説明していきたいなと。これは私もふれあいトークとかいろいろやっていますし、村政懇談会等もありますので、そういう場を利用しまして、できるだけ皆さんの疑問には答えていきたいなというふうに思っています。
- その疑問を解くところ、そこが本当に理解を得るというところでPRではない、今住民が求めているのはその部分ですので、そのあたりを何らかの工夫をされて、しっかりと対応していただきたいと思います。
3月議会における質問に、村長は「この建物は私の決意である」と答えられました。村長の決意もあるでしょう。でも、その税金を納めている多くの住民の声はどうなるのかと思います。とりわけ建設計画取り下げを求め署名をされた3,000名近い方々の声ですね。議会において建設予算は認められましたが、住民の多くが疑問を持ったままです。村には住民自治基本条例や東海村の協働の指針、こういうものがしっかりとつくってありますので、住民自治、住民主体、協働のまちづくりを中身のあるものにするためにも、住民の声を心で受けとめ、対応していただきたいと思います。
次の質問に移ります。
- 外国人(労働者)を東海村の一員として迎え入れるための環境整備について質問いたします。
今年4月1日から改正出入国管理法が施行されることになりましたが、それは移民政策はとらないとしてきた安倍首相が深刻な労働力不足に対応するために外国人の受け入れにかじを切った、その結果です。
しかし、外国人技能実習制度や実習生の過酷な労働の問題は改善されない状況が続いたままです。本村においてもアジア圏から労働者が来ていることは承知しています。入管法が改正されたことで、今後ますます労働者や実習生が増加すると考えられます。その人たちの受け入れ環境は、原子力機構等に来村される方々の受け入れ条件や受け入れ環境とはかなり違っているでしょう。しかし、外国からの労働者は、日本が人口減、超高齢化社会、2040問題を乗り切るためにも力になってもらう人たちです。また、募集しても日本人が集まらないとされる3K、危険、汚い、きつい、それらの職種からの期待も大きいです。彼らは決して労働力のこまであってはりません。
そこで、3点伺います。
村内の外国人労働者の現状はどのようになっていますか。
活力ある共生社会、つまり外国からの労働者も東海村という同じ地域に住む隣人として迎えるために、どんな支援を考えているのか。
3点目です。アジア圏との交流事業について、どのように考えているのかお尋ねいたします。
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- 産業部長
お答えいたします。
1点目の村内の外国人労働者の現状につきましては、本年5月末現在、村の住民基本台帳に登録がある16歳以上の外国人は技術・人文知識・国際業務や研究、留学などの在留資格を有する方が260名おり、そのうち技能実習はベトナム、フィリピン等のアジア圏からの出身者53名となっております。
次に、2点目の活力ある共生社会を目指すための支援策につきましては、外国人労働者を受け入れる企業側への支援策について産業部からお答えいたします。県では開発途上国等への技能、技術または知識の移転を図り、経済発展を担う人づくりに協力することを目的とした外国人技能実習制度に加え、本年4月1日より新たな在留資格である特定技能による制度運用が開始されることを見据えて、今年度から茨城県外国人材支援センターを開所し、特定技能制度のセミナーの開催や、特定技能として就労を希望する外国人と県内企業との就職マッチング等の支援を行っております。
村としましては、当センターによる各種支援を村内企業等に周知するとともに、村内に技能実習生受け入れの実績が豊富な企業がありますことから、新たに取り組む企業への受け入れの際のノウハウの提供など企業間の橋渡しを通して、外国人労働者にとって働きやすい環境づくりや適正な制度が運用されるよう努めてまいります。
以上でございます。
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- 企画総務部長
お答え申し上げます。
2点目ですが、外国人技能実習生などの増加に伴う在村外国人への支援事業といたしまして、村では外国人の転入時にガイドブックなどを配布し、生活に必要な情報を提供しているほか、姉妹都市交流会館を拠点として外国人相談の受け付けや外国人支援イベントの開催、日本語通訳のサポート役である外国人支援ボランティアの派遣などを行っております。また、村の補助団体でもあります東海村国際交流協会や日本語支援グループでも交流事業や日本語教室の開催などの活動を通して、外国人が地域の中でつながりを持ちながら生活しやすい環境をつくれるよう支援しているところです。
3点目ですけれども、村では外国人技能実習生を含む在村外国人と住民との交流事業として、これまでも外国人支援イベントなどを開催し、外国人支援ボランティアとつながりを持てる場を提供しております。また、東海村国際交流協会や日本語支援グループが行う交流事業においても、生け花教室や県外視察、お茶会など、外国の皆さんが日本の文化を学びながらボランティアの皆さんと交流できる活動を行っております。引き続き多文化共生の拡充に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
- いろいろボランティア支援をしつつ、外国人支援に当たっているというところでわかりました。外国の方来られて職場と、あとボランティアの人たちとの交流、そのほかにも地域で生活するというところがありますので、地域の人たち、東海村で生活している村民への啓蒙、そして子どもたちの国際性を育てる場の提供も必要と考えます。まずは受け入れる事業者がしっかりサポートすべきですが、日常生活では地域とのかかわりが出てきます。
質問の1点は、地域住民の意識啓発が必要と考えます。どのようなことを考えていますか。
2点目は、外国人支援に携わるボランティアへの今後の支援について伺います。例えば日本語教室はボランティアに頼っているようですが、現状でも結構受け入れに余裕がなくなっていると聞きました。労働者の増加によって、今後ますます需要が増えると見込まれます。今後はボランティアに頼るだけでなく、村として何らかの対応を考えなければならないと思いますが、その点いかがでしょうか。
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- 企画総務部長
お答えいたします。
1点目ですが、子どもたちの国際感覚や多文化共生の感覚を養うことを目的として、東海村国際交流協会主催のキッズサロンや東海村姉妹都市交流協議会による姉妹都市米国アイダホフォールズ市との交流事業などを行っております。国籍や立場にかかわらず、お互いの文化や習慣、価値観を認め合い、地域の中で共存していくために、今後もこのような事業を推進していくとともに、お互いの人権を尊重するという観点からも関係課と連携し、住民への意識啓発に努めてまいります。
2点目ですが、東海村国際交流協会や日本語支援グループをはじめ在村外国人を対象とした多くのボランティアに活躍いただいているところです。本村における在住外国人数が増加傾向にある中、日本語支援など需要が高い分野については、ボランティアだけで対応が難しくなる状況も予想されます。外国人労働者への支援につきましては、まず雇用する事業者が労働者やそのご家族をしっかりサポートする体制を整備することが必要であり、それを補完するものとしてボランティアによる支援があると考えます。
村といたしましては、今後もボランティアや協力者の裾野を広げていけるよう各団体を支援するとともに、外国人労働者を雇用する事業者などとも情報の共有を図りながら、必要に応じて適切な支援をできるよう状況を注視してまいりたいと考えております。
以上です。
- 企業へ支援というのも、すごく大事かと思います。これちょっとあるボランティアさんから伺ったところなんですけれども、外国から企業に来た人が日本語できないって、その事業者は思っていたけれども、それで日本語教室にお願いされて、そこでボランティアさんが応対したら、きちんと結構な量話せたということなんですね。それは、簡単な標準語はきっちりお勉強してきているみたいなんです。でも、例えば茨城の事業者だと茨城弁で話されたりすると通じなかったりとか、その辺で意思疎通がうまくいかないという単純なところもあるみたいですので、そのようなかゆいところに手が届くようなところのアドバイスというのは、日本語支援というで多くの外国人とかかわってきた人たちにどんな支援が望まれるのか、そういう方たちにヒアリングをして受け入れ態勢を整えていくことが望ましいとか思います、今後。
あと1点、ベトナムの方が結構来ているというところで、県の大井川知事もベトナムとの友好関係に力を入れていると伺っております。それで、東海村にはベトナム友好協会茨城支部の代表の方が住んでいらっしゃいます。今、強い人脈があるうちに東海村の将来を見据え、こういうベトナムとかそういうところ、人脈があるところと交流を深めていくことを提案いたします。ぜひ前向きに検討してみてください。
最後に一言。その外国人労働に限らず、いじめやハラスメントのニュースは残念ながら後を絶ちません。村内においても気づかないところで起きているようです。国内の人手不足を補ってもらうために、外国から日本に労働に来ている人たちへのハラスメント、賃金未払い等の過酷な労働実態の一つに、日立製作所が改善勧告を今年3月に受けたとの報道がありました。日本を代表する大企業もやっていたことに、そのことには非常に残念であり恥ずかしい思いです。日本人も外国人も等しく人権は守られるべきであり、先ほど部長もおっしゃいましたけれども、人権尊重、彼らが帰国するときに、よい思い出を持ち帰ってもらいたいものです。
次の質問に移ります。
- 東海第二原発の再稼働はできないと村長は明確に意思表示すべきという視点から質問させていただきます。
日本原電による東海第二発電所状況説明会が4月23日から6月8日の日程で計20回開催されました。原電の説明によると、今回の1,740億円の工事は再稼働を目指すための工事ではなく、安全性向上のための工事であるとのことです。しかし、1,740億円もの工事が再稼働を目指す工事でないとする原電の説明、頭が混乱しましたので、その場で議員だったんですけれども、住民の中にまじって確認しました、「再稼働を目指す工事ではないんですか」って。お答えは安全性向上ということでした。
この説明に不信感を抱いてしまうのは私だけではないと考えます。現に今年2月22日に、原電の村松社長は山田村長と大井川知事、高橋水戸市長に再稼働を示す意向を表明されています。その6日後の28日には、原子力所在地域首長懇談会の場で改めて再稼働の意向を伝えたと報道されています。このことからも、1,740億円の一連の工事の後ろに東海第二原発の再稼働が透けて見えます。
さて、私はこの8年間言い続けていますので改めて申すこともないと思いますが、再稼働には反対です。その理由の一つは、一旦再稼働してしまうと過酷事故のリスクが大きくなるからです。原発から30キロ圏内に94万人の人口がいる状況で、住民の安全が担保された実効性のある避難計画の策定は不可能と考えます。
仮に避難計画が策定されたとしても、それは机上の空論でしょう。このことは専門家も指摘しています。県内には課題満載のまま避難計画を策定している自治体もあるようですが、東海村の取り組み、つまり避難訓練を繰り返し行い、しっかり検証した上で策定しようとする姿勢は、さすがに真剣であると思います。
しかし、検証すればするほど、実効性のある避難計画策定は困難であることが見えてきたのではないでしょうか。ただし、再稼働せずこのまま廃炉に向かうのであれば、原発において暴走が始まるまでの時間的猶予はあるものと考えます。
そこで、1回目の質問です。
震災後8年間、燃料プールで冷却してきた燃料ですが、今、仮に燃料の冷却機能が失われたとして、徐々にプールの温度が上昇し、環境に影響を及ぼすまでの時間的猶予はどれくらいあると認識しているのか伺います。前にも同じような質問をしていますが、改めて今の状況を伺います。
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- 村民生活部長
お答えいたします。
使用済み燃料貯蔵プール冷却機能が失われた場合についてのご質問ですが、昨年度の第2回の避難訓練では、プールの水位低下を想定しての訓練を行ったところでありまして、そのときの確認では、プールには使用済み燃料1,250体のほか原子炉から取り出した燃料764体及び新燃料188体の合計2,202体が水温20度から25度程度をもって冷却保管されているというところでありまして、冷却浄化系が全て停止した場合には530時間程度、約22日間で100度Cに達するとの評価をしているところでございます。
以上でございます。
- 今の答弁にありました現在の水温が20度から25度で保たれていて、冷却系が全て停止しても100度に達するには約22日の時間がある。3・11のとき福島第一は1日で爆発までに至りました。一方、東海第二原発の現状は100度に達するまで、沸騰し始めるまでに20日以上かかる。今、このまま廃炉に向かえば万が一のときにも、かなり猶予があることがわかりました。しかし、それだけ時間的猶予があっても、安全性向上対策工事が1,740億円もかかるというそういう原発に、正直原発は大変なものだと改めて驚きました。
住民や原発で働く人たちの安全を確保する工事や設備が必要なことは言うまでもありません。しかし、再稼働を目指すための安全対策工事と廃炉に向かう原発の安全対策工事は、その規模、経費に違いがあると考えます。村長は再稼働是非に対して先の3月議会代表質問で、先が見通せていないので時間を要すると答えられました。これは4つの条件がそろって判断するとしたこれまでの一貫した姿勢です。しかし、果たしてそれがよいのでしょうか。判断には幾つかのタイミングがあると思います。今これから1,740億円の工事に取りかかろうとしているこのタイミングは大きいと思います。
質問の1点は、原電自前で資金の用意ができない1,740億円の工事について、どのようにお考えでしょうか。
2点目は、原電の説明会では安全性向上のための工事としていますが、再稼働を目指す意向を原電の村松社長は示しています。村長が再稼働を認めるわけにはいかないということで、過剰と思える安全対策工事の縮減ができます。まさに今、明確な意思表示をすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
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- 村長
まず、1点目の原電が1,740億円の工事費を自前で調達できない状況ということですが、これは事業者の経営上の判断でありますので、私としてはちょっと発言を差し控えたいというふうに思います。
2点目の安全性向上対策と言っていて、一方では村松社長が再稼働を目指すという宣言したと。これはどちらも事実でありまして、当然、首長懇談会の席では目指しますということは、はっきり社長の口から出ています。
ただ、会社として正式に再稼働の意思決定をしたということではないというふうに思っています。社長としては目指したいというところで、それは社長はトップですから、社長の意向はそうでしょうけれども、会社として正式にその意思決定をまだしてないというふうに思っていますので、ただこの安全性向上対策が終わったとしても、当然安全協定を結んで事前了解とかいろいろな手続がまだありますので、これは事業所だけで決められるものではないというところでありますので、現時点はどちらも言っていることは間違いないというふうに思っています。
私が今の段階で判断できないと言っていますのは、先ほど大名議員にもお答えしましたが、4つの要件が出そろって、それから判断したいというところはあります。規制庁の審査が一応終了したと。あと協定の見直しも結果が出たというところで、残り2つが広域避難計画の策定と住民の意向把握というところで、広域避難計画につきましては吉田議員にもお答えしましたが、また今年度も訓練をして検証していくというところで、どこまで実効性を担保できるかというのは、引き続きここは検証する必要があるというふうに思っています。
何よりも住民の意向把握、ここが非常に今、従来からずっと悩んでいるところなんですが、ここが一番大事だというふうに思っています。ここ最近の動きとして、島根県で行われている自分ごと化会議ですとか、あと東京のほうでもいろいろな会議が行われていて、いろいろなところで、いろいろなやっぱりこの原子力について議論されている事例が出てきておりますので、そういうものをよく研究しながら、最終的には幅広い年齢層の方々から意見を聞けるような場をつくりたいなというふうに思っています。
ただ、まだ現時点でそれが具体的なものとして決まっているものではありませんので、引き続きどうやって住民の方々の意向を把握するかについては研究してまいりたいというふうに思っています。
以上です。
- 1,740億というのは会社のことなので、それについては差し控えるという感じだったのかと思いますけれども、この今回の質問はそこがすごく大きい。自分の中では大きいポイントなんですけれども、再稼働が不可能になったとき、今、再稼働の反対の声は鉾田の女性グループや笠間市の区長さんも署名活動などを市民レベルで広がっているとか、あと県民投票呼びかけようとする動きも活発になっている。この流れが大きくなり、再稼働が不可能となったとき、1,740億円もの膨大な投資、過剰な、私はそう見えるんですけれども、過剰な投資の穴埋めはどこがこうむるのか。最後は回り回って国民の税金になるのかなと想像するんですけれども、そのようなことから東電が債務保証の一部すると言っているし、その東電には8兆円のお金がもう国の税金が入っている。8兆円というと、ちょっと計算したら国民1人当たり7万円くらいも東電に貸し付けているということ、計算間違いではないと思うんですけれども、それぐらいの状況です。そういうことを考えると東電が債務保証しますよと言っても、それ回り回れば私たちの税金、このようなことからも、村長が判断する、今1,740億がどれだけ縮減できるかちょっとわかりませんけれども、判断されることは国民への責務になっていることになるのかなと思って、今回の質問のポイントにさせていただきました。
これから廃炉作業を進めても、作業40年かかることを考えると、防潮堤の必要性は理解するところです。しかし、個人的な感想ですが、大き過ぎるのかなというところはあります。
質問は、今回の原電の説明では防潮堤以外にも幾つかの工事がありました。再稼働を目指す工事でないと説明しながら、8年間動かしていない、そして燃料が抜かれている状況の状態の原子炉を冷やすための装置を新たに設置するとか、格納容器圧力逃がし装置、ベント装置を設置するなどです。このような工事は、8年間もとまった原子炉の安全性向上のための工事の域を超えている。つまり再稼働を目指した工事に見えますが、村長はどのような説明を受けられたのか。また、このような工事も含めて許可されたのか、その辺わからないんですけれども、もしそういう工事もいいですよというのであれば、その先に再稼働というのが控えているのかなと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
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- 村長
お答えいたします。
今回の工事につきましては、これは全て新規制基準に基づく設置変更許可申請の許可ですから、そこには多分、規制庁とのやり取りの中でさまざまな対策で評価をして審査をしてと。それはもうセットにはなっていますので、この一部分だけということじゃなくて、全てトータルで今回の許可がおりていますので、これが全てそろって安全性向上対策の一環だというふうに私は理解していますので、その稼働するしない、だから必要な施設云々て多分それで個別で規制庁から許可をもらったことありませんので、それは一つの一体のものだというふうに私は理解をしています。この係る経費がめぐりめぐって私たちの税金というふうに言われてしまいますと、そこまで考えてしまいますと、それを私が何かするということではないというふうには思います。
これはあくまでも今この発電事業の事業許可を得ている事業者が新しい新規制基準に基づいて審査も受けて進めているこの今の事業活動について、そういう別な要因で、そこについて何か私が判断するというものではないというふうに思っています。私はあくまでも自治体の首長として、住民の安全安心をどうやって守るかというところを主眼に置いて判断すべきだと思っていますので、そこは切り分けて考えていきたいなというふうに思っております。
- 一言、時間内に述べさせていただきたいと思います。
2月28日の原子力所在地域首長懇談会において、村長は原電が安全対策工事を進めても、最終判断では原電の想定していない結果もあり得ると言われました。工事が終わったからといって流される判断はしないとの姿勢、そして毅然とした発言に安心しました。
山田村長が中心となり、まとめてこられた新安全協定は、茨城方式として注目されているようです。これまで国家戦略として中央集権的に進められてきた原子力政策ですが、5市1村の各首長が住民の命と財産を守るという立場から、その権能を毅然と発揮することでローカルガバナンスが機能します。そのことは、まさしく地方分権そのものであります。その先頭に立つのは、原発立地自治体東海村の首長である山田村長であってほしいと思うところです。
以上で終わります。