えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

令和2年3月議会質問内容

◆みすずの会、恵利いつです。日々職員の皆さんが新型コロナウイルス対策に追われている状況において、貴重なお時間を頂いております。有意義な時間となることを願って質問いたします。

 1問目は、減少し続ける森林緑地を守るため、積極的な取組を求めて質問いたします。

 私が引っ越してきたおよそ30年前は、緑の多い自然豊かな村という印象を持ちました。しかし、次第に減少していく森林緑地、その様子に焦りを感じ、10年くらい前に自然の緑を守る会というボランティアグループを立ち上げ、里山整備活動をしてきましたが、小さなグループですので守れる範囲は限定的です。我々のほかにも幾つかのボランティア活動や地域活動、そして行政の取組等も承知していますが、それでも減っています。

 そこで、質問1点目は、森林等の緑地が減少していることを村はどのように捉えていますか。

 2点目は、緑地を守るため、また住環境を守るための村の政策には現状でどのようなものがあるのか伺います。

 3点目です。これまで以上の積極的な森林保護の取組が必要と考えます。昨年9月の議会質問から半年経過しましたが、具体的な検討はされたのか伺います。

村民生活部長 お答えいたします。

 ここ数年における宅地開発や太陽光発電施設の設置に伴い、村内の緑地が減少傾向にあることから、緑地の保全再生について、村民、事業所、行政それぞれの主体が危機意識を持ち、連携した取組を推進していくことが重要であると考えております。

 本村の緑地を守るための政策といたしましては、先の江田議員の代表質問でお答えしましたとおり、村民の森の指定を行い、所有者に対し報奨金を支給する事業や一定の条件を満たす土地を保全配慮地区に指定し、基金を活用した買取りを実施しているところでございます。

 9月議会以降の具体的な取組といたしましては、これまで斜面緑地を中心に進めてまいりました村民の森等の指定を、9月議会で答弁しましたとおり、林地開発の可能性が高い平地林について緑化審議会に諮った箇所の指定を実施し、指定面積の拡大に努めているところでございます。

建設部長 建設部より、住環境を守るための政策についてお答えいたします。

 太陽光発電設備や携帯電話基地局等の設置の際には、工事前に周辺住民等へ事業の情報共有が図られるよう要綱などによりまして事業者に指導しており、これからも継続してまいります。

◆昨日の江田議員への資料請求で、村民の森指定が畳のへりのように、それも北側の森ばかりだ、北向きの斜面緑地だったのかなと思って、もう少し村内に広がっているのかなと思っていたんですけれども、そこはちょっと残念なところがあります。ぜひ斜面緑地も南側のほうも頑張っていただきたいかなと思います。

 既に伐採された舟石川の森林があります。そして、現在進められている須和間地区16ヘクタールの太陽光発電の開発などは、それまで当たり前だった風景がある日突然チェーンソーのけたたましい音とともに伐採が始まりかねないことを多くの住民とともに学びました。

 これまでの斜面緑地に加えて、平地林についても村民の森指定をするようになったこと、これは一歩二歩前進したのかなと評価します。森林緑地は地主さんのものではありますが、村民の癒やしになっていて、村の景観をつくっています。そこで、村長に緑地を保護していくという力強いお気持ちを伺いたいと思います。

 東海駅から(仮称)神楽沢公園、真崎古墳、阿漕ケ浦公園、天神山、由緒ある虚空蔵尊、そして大神宮、それに続く海岸の松林、村松晴嵐、この一帯を水田を囲む公園に位置づけることを提案いたします。このことは12年前、初めて選挙に臨むときからの思いで、歴史と自然と最先端研究施設がコンパクトにまとまった魅力あるエリアであることを虚空蔵尊の前で街頭演説した記憶があります。議員になって議場でも提案しましたが、そのときは機が熟していなかったのかと思います。

 それから、数年たった昨年、山田村長が真崎地区のイベントに参加された際のご挨拶でこのエリアの魅力をお話しされたとき、村長のお考えに共感しました。ようやく時が来たと小躍りする思いでした。

 そこで、改めてお尋ねいたします。自然と歴史と世界に誇れる研究科学施設が集積・融合する日本でも稀有なこのエリアを、世界で言えばニューヨークのセントラルパーク、日本で言えば水戸市の千波湖公園のように東海村の中央にある大きな公園と位置づけることに対する村長のお考えを伺います。

村長 お答えします。

 今の議員のご提案の公園として整備していくと、そこまで考えておりませんが、真崎のイベントで私お話ししましたのは、東海駅降りて、中央地区を通って、神楽沢近隣公園通って、根崎緑地を通って、細浦を見ながら真崎古墳群、阿漕ケ浦公園、八間道路、海と、この流れで本当にモデルコースのようなものができればいいなというふうには思っています。これは東海村の都市的な景観から緑地帯、田園地帯も含めてですけれども、そこに自然と文化と歴史とそういうものが、ただこれはハード的なものだけじゃなくて、そこにやっぱりストーリーづけみたいなものが必要だと思いますので、そういうところを歩いたときに東海村の魅力が感じられるような仕掛けが必要だというふうに思います。

 今、地域ではそういう仕掛けをしている地区がありますので、真崎を筆頭にそうですけれども、そういう団体の方々ともお話をしながら、どういう形でそれを整備も含めて残していくのかというところは、まだまだちょっとこれから時間はかかると思いますが、しっかり地域の方々とそういう東海村の魅力づくりにつながるようなことにしていきたいなというふうに思っています。

◆今、ありがとうございます。ストーリーづけというところで、ここの仮の神楽沢公園ですね、(仮称)神楽沢公園は別として、真崎古墳は真崎地区の人が整備しています。それから、天神山ですね。ここは私たちもボランティアで、かなりのごみ出しましたけれども、今、宿の住民の方々が切通しから東のほうをやっております。ここには、もうこの場で何度も言っておりますけれども、民話再生の会の方々が「真崎城の白百合姫」という民話をおこして、それを地元のミュージカルグループの団体のトミカルがオリジナルの演目として持っていてというストーリーがありますね。そして、由緒ある虚空蔵尊、大神宮エリアは歴史的な文化的なものですけれども、それに続く村松晴嵐、ここも昔の東海村に住んでいた方たちが松林を植えたという「千々乱風」伝説、これも民話再生の会がつくられていますけれども、そんなふうに、もうストーリーはいろいろあると思うんですね。

 もっともストーリー性があるのが天神山。あそこは先ほど言いました「真崎城の白百合姫」というところで、私のこれはもうある意味妄想かもしれないんですけれども、白百合姫伝説であそこを白百合でいっぱいにしたら、それこそ海浜公園に来られた人たちが、その足、例えば今、宿の人たちが切通しから先を一生懸命手入れされていますけれども、そこを白百合でいっぱいにしたりすれば観光客も呼べるんではないかな、そこにまたお話がついているのかなというふうに自分の中ではストーリーを持って開発して行けたらいいなと。

 それと、あのエリアはもうかなり真崎も買っておりますし、神楽沢公園は今後、村が開発する。それから、阿漕ケ浦も、もう村の公園というところで、かなり買収とかしなくても、守っていけるのかな、ゾーニングすることで意識が高まるのかなと思うので、その辺について村長もう一歩、何かそのあたりのことどう考えられるかお考えを伺います。

村長 まだまだ緑地帯について太陽光発電事業者のいろいろなそういう動きも聞いてはおりますので、今後そういうことあたりの対応も含めて、あとはそもそもそれぞれの地域のやっぱりありようといいますか、そこを村の魅力づけとしてどういうふうに位置づけていくのか、その辺については地域の方じゃなくて、多くの村民の方々にご理解いただいた上で、そういうところの対応もしていきたいなというふうに思っています。

◆ぜひいろいろな方が関わっているところで、このエリアはSDGsのシンボル的なエリアにもなるのかなと。真ん中で農業もやっていますので、自然、海の豊かさ、陸の豊かさ、それから農業、それから科学技術、そして健康とか、共同で作業するパートナーシップとかありますので、そういう点からも進めていただきたいと思います。

次の質問に入ります。

◆2問目です。誰一人置き去りにしない避難計画をという視点から質問させていただきます。

 9年前の3月11日、私はこの議場で一般質問最後の質問者でした。帰り、その車の中で大地が揺れたそのときの感覚を覚えています。そして、3・11が近づくにつれ、テレビで流れる津波の映像には今も恐怖を覚えます。そして、忘れてはいけないと考えます。

 2011年3月12日に起きた福島第一原発事故、その原因究明もできず、廃炉作業も困難を極めている状況において、原電の村松社長が昨年2月に再稼働を目指す意向を表明されました。そして、今年1月には安全対策工事の終了が1年9カ月延長と発表されましたが、工事は着々と進められています。

 その関連工事のため、舟石川の森林が伐採されました。海岸線の保安林はどれだけ伐採されているのか、外からはうかがい知れません。また、畑が大規模駐車場になる。この様子を住民は複雑な思いで見ています。

 そこで、質問の1点は、原電に対し、安全対策工事に伴ういろいろな工事についても住民説明会を開くことを求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 2点目です。避難計画に関してです。原電の工事は着々と進んでいる一方、村で策定中の避難計画に対して住民から疑問や不安の声が届きます。

 そこで、2つの視点からお尋ねします。

 自治会の自主的避難訓練を実施した際、情報等が計画で示されたものと違っていて不信感を抱いたとの意見を耳にしました。バスが入れると示されていたのに、実際はバスは進入できなかったとかいうようなことです。住民が自主的に検証し、その際、感じたことなどの情報は貴重と考えますが、村としてどう対応するのか伺います。

 2点目です。原発事故に限ったことではないのですが、避難行動要支援者の中には綿密なケアを必要とする方もいます。村内在住者の現状把握と要支援者への対策を伺います。

 また、災害対策基本法では、要支援者の個別計画を立てて当事者を交えた関係者で避難計画について話し合うことを推奨しています。机上の検討で終わることがないよう、村はどのように取り組むのか伺います。

村民生活部長 1点目と2点目について村民生活部からお答えいたします。

 1点目の東海第二発電所の安全性向上対策工事に係る住民説明については、事業者として状況説明会や出張テラパークなどを開催するなど、様々な形で事業活動への理解促進に取り組んでいる実績は認めるところではございますが、本村としては、また原子力所在地域首長懇談会としても、そのスケジュールを含めて、住民、地域にも理解されるよう丁寧な説明を行っていくことに関しましては、かねてより繰り返し求めてきたところでありまして、これは継続されていく必要があると認識してございます。

 続いて、2点目の避難経路につきましては、毎年の広域避難訓練や避難先自治体との連絡調整により、広域避難計画案の実効性向上に向け、一つ一つ検証を進めているところではございますが、自治会等からの意見、感想等も広く収集しながら、現地も確認の上、改善、代替案の検討等、必要な取組を進めてまいりたいと考えております。

福祉部長 3点目と4点目につきまして福祉部からお答えさせていただきます。

 3点目の避難行動要支援者の現状把握と対策につきましては、毎年70歳以上の高齢者状況調査や障がい者への調査等から、基幹避難所まで自力で行けない方を避難行動要支援者としております。現在は175名の方を要支援者名簿に登録し、身体状況や緊急連絡先などの情報を把握しているとともに、地域に名簿を提供してございます。さらに、年1回の調査に限らず、症状が重くなった方や支援が必要と思われる情報を得た場合には、本人の状況確認はもちろんのこと、地域等から得た情報を共有し合い、適正な把握に努めているところです。

 4点目の計画策定に向けた取組についてですが、昨年6月に実施したつくばみらい市への広域避難訓練では、要支援者である高齢者や障がい者の方にもご協力をいただき、職員が自宅から同行して避難誘導を行ったところです。視覚障がいや四肢麻痺の方への付添いをした職員からは、生活状態に即した動きをその方の身になって感じることができたとの感想もありました。その一方で、不安を感じる要支援者に対しましては、生活状態をよく知るケアマネジャー等の専門職との顔が見える関係づくりに努め、村としましても、それらの情報を十分に生かせるように柔軟な対応を心がけるなど、個別計画をより実効性あるものとするために、関係機関を含め引き続き要支援者との関係性の構築に努めてまいります。

◆昨年6月の障がいを持った方、高齢者の方にも訓練に参加していただいたということで、障がいをお持ちで、そこに参加された方に私はお話を伺いました、先日。そうすると、もうシナリオができていたので特に困ったことはなかった、トラブルはなかったということでしたけれども、幾らシナリオはできていても、やはりそういう障がい者の方を交えた訓練というのは、やはり今後の検証に役立つと思いますので、これからさらにその検証を広げていただきたいと思います。

 重い障がいといっても、個人個人症状は違います。それぞれの方にしっかりと寄り添った取組が必要であり、在宅の高齢障がい者など、いわゆる避難行動要支援者に対する個別計画や、それに基づいた避難訓練をしないまま避難計画ができたとは言えません。十分な話合いと十分な訓練、検証、対策を行うことが求められます。よろしくお願いいたします。

◆3問目に入ります。

 3問目は、現在進められている(仮称)歴史と未来の交流館事業に関してお尋ねします。

 みすずの会はこれまで、住民の理解が得られていないことなどの理由から建設計画に疑問を呈してきました。しかし、議会において多数決により建設を承認し、今日に至っていますので、これからは建設される交流館が住民に納得される施設になるように、建設に賛成された議員とともにしっかりと検証していかなければならないと考えています。

 1回目の質問は、4点お尋ねいたします。

 1点は、交流館建設事業に村民の理解がどの程度得られていると考えているか。

 2点目は、開館に向けたロードマップによると、管理運営計画、施設管理・運営、組織・事業等の精査が今年度末に終わり、4月からは年間事業計画の策定となっています。

 質問は、キーパーソンとなる館長は決まっているのか、そして管理運営計画や今後の年間事業計画を立てていく上で、どのような体制で計画を進めているのか。展示監修委員会とはどのようなメンバーで構成されているのか伺います。

 3点目です。館長のしっかりした理念と知識で今後の進め方、交流館の意義、価値が決まると考えますが、そこに加えて学芸員さんの力量も大きく期待されます。4人の学芸員さんは考古学や民俗学、また古文書を読み解くなどの専門性を持っているのか、また展示館の学芸員として、これまでどのような経験を積まれているのか伺います。

 4点目です。昨年3月に説明を受けたときにも、またその後も維持管理費の縮減に努めるようにと意見を出しました。維持管理費の縮減に努めたところはどのようなことか伺います。

教育部長 お答えいたします。

 1点目の理解促進の取組については、これまでの答弁でご説明しておりますが、平成29年度から継続して実施しておりますまるごと博物館事業や昨年実施いたしましたツリークライミング体験、交流館バックヤードツアー、交流館建設現場見学会、戸ノ内遺跡出土埴輪報告会など様々取り組んでおりまして、参加者は延べ7,500名に上っております。特にまるごと博物館事業への参加者につきましては年々増加しておりまして、着実にその成果を上げていると考えております。

 このほか、村ホームページ特設コーナーでは、随時交流館整備状況を周知いたしまして、村広報紙へはこれまで10回にわたり施設や活動の概要を掲載するなどのほか、様々な取組を通じて交流館整備の目的や活動について広く理解をいただいているものと考えております。

 続きまして、交流館の管理運営や年間事業計画についてでございますが、生涯学習課の各担当において現在管理運営計画を策定しており、交流館の開館準備と併せまして順次進めているところでございます。

 館長につきましては、これまでの答弁のとおり、開館の1年前または半年前には選任する予定で検討をしておりますので、お待ちいただければと存じます。

 展示監修委員会につきましては、古代、中世、近現代、自然など幅広い分野の専門家13名で構成し、展示内容への意見や本村学芸員への助言等、交流館での展示や体験活動など計画策定に深く関わっていただいております。

 3点目の学芸員の専門性については、交流館の開館を見据えまして、これまでに必要な人材を計画的に配置してまいりました。学芸員は資料の収集、保管、調査、研究、教育普及活動など一体に行う専門職で、現時点では全員、歴史系の学芸員でございますが、これまで博物館施設を数多く視察・研究し、また文化庁所管の専門研修を受講いたしまして、歴史資料の調査・保存・活用課程を学ぶなど発掘調査や学校での出前授業「まるはく事業」に取り組んで、専門的な知識の習得やスキルアップに努めているところでございます。

 最後に、維持管理費につきましては、博物館施設としての標準的な施設環境を保持しながらも、高耐久な屋根材の選定や収蔵資料に応じた空調機能の選定など、イニシャルコストとランニングコストのバランスを考慮した建設資材や設備の選定を行いまして、費用の縮減に努めているところでございます。

◆今ご答弁にありました「広く理解をいただいているものと考えている」というところですけれども、私が村内を歩いて受け取る印象とはかけ離れています。誰を対象にしているかということになると考えます。

 1月に議会の改選がありましたので、私は昨年末あたりからふだんより多くの住民の方々とお話する機会がありました。村内いろいろな場所ですね。初めてお会いする方々からも「議会は何をしているの」「誰が造りたがっているの」「交流館は何をするところなのか分からない」「何のためにつくろうとしているのか」などの疑問やお叱りを含め、たくさんのご意見を頂きました。賛成または容認の方は、わずか2名でした。お一人の方はおうちも分かっております、お話しましたので。お一人の方は庭でお会いしたので、ちょっと庭木の剪定をされている方でしたね。こんなにも住民理解が得られていないのかと私は驚いたほどです。

 交流館建設計画が持ち上がった当初、歴史資料館的要素が大きかったのに、今は子どもが楽しむ施設に変わってきたと私は感じています。そのようなご意見は、村内の歴史文化の継承に少なからず貢献してきた住民の方や行政に携わっていた方、教育関係者等からもいただきました。そして、村外の方ですが、展示館、資料館関係の仕事に長年携わってきた方からは「子どもが単に楽しかったという展示館ではだめだ」とのご意見もいただきました。

 館長が決まらないまま、役場の職員の方、担当職員の方々が一生懸命にやってはいますが、暗中模索、手探りで進めているうちに施設の目指すところ、つまり芯がずれてきた。その結果、建設費が12億から16億円、そして18億円と膨らみ続けているのではないかと考えます。

 そこで、質問です。建設中の施設はどのような施設、何をメインとする施設なのか、改めて伺います。

 2点目です。管理運営計画や年間事業計画を立てる上でも、館長となる人のリーダーシップがあるのとないのでは違ってきます。これから選任では遅過ぎるぐらいです。まして、登録博物館を目指しているのであれば少しでも早く選任すべきと考えますが、既に候補者がいて交渉が進んでいるのか伺います。

 3点目です。再生可能エネルギー、つまり太陽光発電システム導入を推進している東海村でありながら、なぜソーラーシステムを導入しないのかお尋ねいたします。この疑問は何人もの方から聞かれました。

 そして、別の視点から教育長に2点お尋ねいたします。

 1点です。駅西にあった根本家についてです。既に更地になってしまったので今さらの感もありますが、区画整理事業の一環で根本家を壊してしまったことに対して、もったいないとの声を複数の方からいただきました。私自身、認識不足でした。村では歴史文化的価値をどのように認識していたのかお尋ねいたします。

 2点です。歴史文化的価値の高い建物や景観についてどのように考えているか伺います。

教育部長 お答えいたします。

 交流館に関するご質問ですが、1点目の交流館は、子どもたちの体験や遊びを通した活動と村の歴史や自然の発信拠点という、子どもと博物館の2つの機能を融合した複合施設であります。

 2点目の館長の選任でございますが、館長の役割については、これまでもご説明しておりますとおり、博物館機能の専門事項を担当する者として東海村の歴史に造詣が深く、交流館のコンセプトを十分理解して運営ができる人材を選任すべく、候補者の選定準備を進めているところでございます。

 なお、年間事業計画は、平成28年12月に策定いたしました整備実施計画に基づきまして、展示監修委員会の委員や青少年活動団体などのご意見、ご助言を頂きながら具体案を練っている段階でございます。

 3点目の太陽光発電システムの導入については、平成30年9月の定例議会において設置費用と今後20年間の維持管理費用と売電金額を比較検討して投資費用の回収が難しいこと、またこの施設は基幹避難所でないこと等を勘案いたしまして、採用を見送っていることとご説明しており、現在においてもその考え方は変わっておりません。

教育長 それでは、私のほうから根本家住宅と歴史文化的価値の高い建物や景観についてお答えいたします。

 まず、駅前の根本家住宅についての認識ですが、昭和初期に建設された店舗兼住宅であったと認識しております。また、村松軌道との関連が考えられることから、その場所に駅西のところにあったということは歴史的な意味があるなと感じています。私も小さいとき父に連れられて、運送会社をやっていたのかな、行った記憶があります。

 次に、歴史文化的価値の高い建物や景観についての認識でございますが、教育委員会では平成30年3月に文化財保護・活用計画を策定し、またさらには文化庁が推進している歴史文化基本構想も茨城県内で初めて策定するなど文化財の保護・活用を総合的に推進しているところでございます。

 村の歴史、文化を理解するには、文化財が置かれている自然環境や周囲の景観、人々の活動や伝承など文化財を総体として捉えられる考え方が重要であると考えています。例えば真崎浦干拓の歴史的文化遺産という形で捉えるならば、真崎浦の干拓地図がございます。これを寄附して頂きました。あと真崎浦の鑑札というか、水戸藩の鑑札などもあるし、干拓用の用具とか、あと西野家の裏に船着き場がございますけれども、あそこから船に乗って干拓地に行ったとか、そういうふうなものを総合的に考えて、やっぱり人の営みとか文化の匂いがする、そういうふうな全体的なのを歴史的、文化的な自然景観と捉えています。

◆根本家については何か本当に残念だなというお声も聞いております。何かすごくいい建物だったって、ああいうのこそ残してもいいんじゃないのというご意見を頂いたんですけれども、そこはなくなってしまったことですので、これ以上触れませんけれども、それで再々質問もう一度、教育長にお願いいたします。

 歴史は今、文化的なものとして残していくというお話伺ったんですけれども、歴史は古代から中世、近世、近代、現代とつながっていますが、この展示館はどちらかというと古代のほうにウエートを置いているように思います。東海村あたりは昔から住みやすかったので、古墳や貝塚がある。それは全国に点在しています。その古代を否定するものではありませんが、東海村が新たにつくる歴史館において力を入れるべきは曲がり家、お亡くなりになった照沼信邦さん宅に残っている天狗党にまつわる刀傷の背景や傷痍軍人の肺結核療養所として国内初の施設を受け入れたこと、また原子力施設を受け入れたこと、そのあたりのことをしっかりと展示する方が東海村ならではの歴史を学ぶことになり、登録博物館というワンランク上の博物館にふさわしい展示と考えますが、教育長のお考えを伺います。

教育長 お答えいたします。

 私と恵利議員の歴史的、文化的な価値の捉え方は似ていると思います。同じだと思いますよ。そこら辺はご理解いただきたいと思います。

 先ほど部長が答弁したとおり、交流館は歴史ばかりではなくて、子どもたちの活動拠点、村の自然、歴史の発信拠点、そして交流拠点、様々な機能を持つ複合施設で、こういうふうな博物館機能とやっぱり子どもたちが活動する、そして自然も含めて、そういうふうな形の公共の施設というのはないんです、この近辺に。だから、意味があるんじゃないかと私は捉えています。

 それで、まず1つ、展示の内容、具体的にお話ししていきますと、基本展示室はオープンな空間で、まず「まるはくマルシェ」ということで工作等を子どもたちができるような場所にしたり、「まるはくテーブル」ということで、村の様々な地図が見られるようなテーブルを置いたり、3つ目は、今度は時代のボックスということで、東海村の地形を示した床面をして、そこに東海村の自然や歴史とか、そういうふうな特徴を備えた場所を設置して、村の自然や風土や歴史を俯瞰的にまず体験、そして体感できるような場所にしていきたいなというのが1つです。

 2つ目は、今度は村史で古代からずっと東海村の歴史というのも通史としてやっていく必要があると思います。しかし、やっぱり東海村はなぜこういうふうな形で成り立ってきたかというと、やっぱり塩作りの村とか、いろいろ特徴的なものがありますね。「千々乱風」もそうですけれども、あとJ-PARCを建てるときに白根遺跡が見えたわけです。あれも今、県立歴史館で佐竹藩の800年というのをやっていますけれども、そこの財力を担ったのが白根遺跡の塩作りじゃないかと。展示しています。ぜひ見に行っていただきたいな、そういうふうな形を入れたり、いろいろ人や生活にスポットを当てて村の歴史の変遷や特徴を展示しています。当然、近代、現代も展示していきます。

 照沼家、これはすばらしいです。当然あそこは一つの歴史景観ですから、照沼家の石の門から入ってくるところに庭があり、書院づくりがあり、そこで天狗党で刀でこうやった。徳川昭武さんが来たところだと。見てまいりましたけれども、そういうふうなのが一つの場所で、あそこが一つの歴史的、自然的景観としては捉えているんであって、あれをそっくり例えば交流館に持っていくのはまた違うんじゃないかな。ですので、そこら辺は、我々は古代だけじゃなくて、近現代も一緒に含めた形で考えようとしていますので、ご理解いただきたいなと思います。

 先ほど、部長がいろいろ住民に対する理解を説明してきたんですけれども、まだまだ十分でないというところがございますけれども、私たちは子どもたちだけじゃなくて、東海村の歴史や自然を学ぶ中で、伝える中で、様々な世代の方が交流できるようなそういうふうな場所もつくっていこうと考えていますので、そこら辺まだご理解がありませんので、できるだけ「まるはくイベント」や子ども科学広場も延期になりましたけれども、そういうふうな場面を使いまして、多くの住民にご理解いただけるような施設にしていきたいなと考えています。

◆今、教育長もおっしゃったように、本当に住民の方たちはまだまだこの建物について理解というところは及んでないと思います。そこに対しては丁寧な説明をお願いいたします。

 それで、土器作りとかも計画されているのかと思いますけれども、これは25年くらい前に、今、教育長さんがおっしゃった照沼信邦さんの畑で青少年事業としてやったことなんかもありますので、あえてそういうところでやらなくても何か別のところもあるのかなと思います。

 そして、私はやはり館長を早く決めるべきと考えます。教育長さんの思いはそうであっても、また立派な館長さんが選ばれたときに少し方向が違ったりとかしたときに、学芸員さんとのお考えのすり合わせというか、その辺も出てくるかと思いますので、18億円も投じる施設です。しっかりと早めに選んでいただきたいと思います。

 これから長く使い続ける施設になります。70年、それ以上ということになるでしょう。それで、維持管理費のこともしっかり考えた展示方法、選択されているようですけれども、あちらこちらの展示館が失敗している、決して業者ペースにならない、随契みたいな契約で言い値でお願いするしかない、そういう維持管理にならないようにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

◆4問目に入ります。

 4問目、「自治会の活動支援に関する決議」に対する取組について伺います。

 歩いて行けるところに住民が集える場所づくりの進捗状況について伺います。平成29年9月議会に真崎地区住民から、歩いて行けるところに住民が集える場を求める内容で請願が出されました。議会としては請願の趣旨を受け止め、同じ年の12月議会において、自治会の活動支援に関する決議を提出しました。その後、請願を出した地域住民の代表と行政で新たな地域の活動拠点検討委員会を設置し、検討を重ねてきましたが、現状と見通しについて伺います。

村民生活部長 お答えいたします。

 地域住民がコミュニティーのさらなる強化、地域自治の推進、少子高齢化対策などのためにコミュニティセンターや自治集会所以外の身近な場所において様々な交流をすることは、新たな価値や可能性を見出すことにもつながり、重要であるとの考えのもと、地域住民、真崎区自治会、村の3者による新たな地域の活動拠点検討委員会を設置し、コミュニティセンター、自治集会所以外での地域の方が活動するための場所の在り方などについての話合いを平成31年3月から、その準備会も含め今日まで計9回行ってまいりました。

 話合いの中では、このような取組が村内で初めてのものであり、今後は他地域における前例となることから、多くの意見を出し合い、十分な議論を交わしてきたところであります。今月中には第10回目の検討委員会を開催し、これまでの検討内容などの報告や新たな活動拠点を選定する上での取組項目を村への提案として取りまとめることとしております。

 なお、真崎区における新たな地域活動拠点に関しましては、地区内の民間施設の利用について調整を進めているところでございます。

◆進捗状況は分かりました。初めてのことですので担当者もご苦労があったと思いますが、今後の地域づくりのモデルになることを願います。

 再質問です。議会が出した決議は、村全体のことを視野に入れ、これからのまちづくりのために新たな支援策を考えるようにとのことでした。残り時間の関係で読み上げませんけれども、この決議に対してどのような検討をしているか伺います。

村民生活部長 お答えいたします。

 これまで新たな地域の活動拠点検討委員会において、協議、検討を重ねてきた内容をもとに村全体の支援策の在り方について検討し、地域住民の方々の負担軽減を図るような措置を講じてまいりたいと考えております。

◆歩いて行けるところに集まれる場所が欲しいという声は、他の地域の住民からも聞こえてきます。担当課では要綱等も作成中と聞いています。これからも安心して住み続けられる地域づくりのために、支援策をしっかりとまとめて頂きたいと思います。

 次の質問に移ります。

◆5問目です。障がい者支援事業の廃止の反響をどのように受け止めているかお尋ねいたします。阿部議員も午前中に質問されました。

 令和2年度予算編成において廃止される事業の中で、障がい者支援で廃止とされた事業が幾つかあります。この通知があまりにも突然のことだったので、当事者やご家族、そして施設運営者等から戸惑いの声が出ています。当事者の方が戸惑いながら問い合わせてきましたが、とても不安そうでした。

 そこで、2点伺います。

 事業廃止に至った背景は何か。そして、関係者に通知した後の反響をいかが受け止めていますか。

 2点目です。障がい者、特に精神の方はとても傷つきやすいと思います。仮に事業の見直しなどでこれまでの支援を廃止する必要があったとしても、今回のように一方的な通知ではなく、当事者をはじめとした関係者に対し説明し、話を聞くなどの話合いが必要だったと考えます。既に混乱は起きていますが、今から説明会を開く考えはないのかを伺います。

福祉部長 お答えいたします。

 事業廃止に至った経緯ですが、令和2年度実施計画方針に基づき、限られた資源の有効活用の視点から事務事業の選択と集中を徹底し、将来ビジョンに向かっていくため、事務事業の妥当性、有効性、効率性を再検証し、類似事業の統合や休廃止等、事業の状況に応じた抜本的な見直しを行ったところでございます。

 関係者に通知した後の反響ですが、電話や窓口へお問合せがある日もあれば、全くない日もございます。お問合せの内容は、事業内容の確認がほとんどですが、今後もお問合せがありましたら、丁寧に説明してご理解いただけるよう努めてまいります。

 次に、廃止事業に係る説明会につきましては、対象者を集める形での開催は予定してはおりませんが、お問合せなどには丁寧に対応させていただきたいと思っております。

◆障がい者の方が自ら問合せをすることができる、そういう人ばかりではないということをしっかりと認識してください。

 それで、事業の精査を行い、効率的な予算配分を目指そうとする取組は、行政マンとして必要なことであり、否定はしません。他の部署だったら評価されることでしょう。しかし、今回のやり方は、障がい者や難病でつらい立場にいる方々への配慮に欠けるものでした。東海村障がい者総合支援協議会の皆さんと積み上げてきた信頼関係をも崩すものであり、仮に事業の見直しをするにしても、丁寧な対応が望まれる部門であることからして、とても残念です。

 再質問は、今回の事業廃止の復活は難しいのでしょうか。復活できないのであれば、今後何か新たな支援策を考えているのか伺います。

福祉部長 お答えいたします。

 本件は、多くの事業の一つとして総合的に点検し、必要な事業の見直しを行った結果、廃止とさせていただきます。次年度は次期計画の策定作業が始まりますので、その中で今後必要とされる支援などについて関係者の意見を伺いながら、計画に盛り込めていければと思っております。

◆3月2日の村長所信表明の中でも、障がい者福祉計画の策定の予定とありますけれども、その計画を策定しても、本当にそこに心が入ってなかったら、そういうものをつくる、計画をつくるだけで終わってしまいますので、本当に当事者さん、関係する方々との話合いをしっかり重ねて、今後の支援策、取り組んでいただきたいと思います。

 当事者さんと接して分かったことですけれども、家を出ることが病気の改善の大きな一歩にもなるようです。また、社会との接点にもなります。今回、幾つもの支援が廃止されることで、例えば家から出ることが億劫になり、次第にひきこもりの状況になり、症状が悪化することもあるでしょう。これでは、さらに大きな支援が必要になります。福祉のまちを標榜している東海村、これまで先進事例になるような取組をしていましたので、これからもしっかり続けていただきたいと思います。

◆6問目の質問に入ります。少し早口になってすみません。

 女性の政治参加を推進することへの村の取組について伺います。

 2018年5月、政治分野における女性共同参画の推進に関する法律(候補者男女均等法)が成立しました。これは義務規定のない理念法ではありますが、ジェンダー平等を目的としているSDGsの観点からも、男女格差が縮まらない日本においては大きな一歩と思います。

 女性議員が増えることで政治そのものが変わるのではと期待する声もありますが、日本は女性の政治参画の上では発展途上国と言われています。本村も1月の改選で女性議員が4名から2名に減少しました。女性の政治参画を推進する必要があると考えますが、村の取組を伺います。

企画総務部長 お答えいたします。

 村が取り組む男女共同参画事業の一つに、ハーモニー東海の研修活動がございます。こちらは政治活動をするためというよりは、村政参画という意味になりますけれども、ハーモニー東海は女性を対象とした1年間の研修事業でありまして、村政や村の事業を学ぶことで、地域や職場での活躍を応援するものです。今年度末の時点で延べ232名の修了生がおり、修了生の中には実際に地域や村の委員等で活躍されている方もいらっしゃいます。

 また、村では、男女を問わず幅広い世代を対象とした男女共同参画推進フォーラムや男女共同参画推進事業所交流会なども行っております。これらの事業は、村政に興味を持っていただくきっかけの一つにもなると考えておりますので、今後も引き続き広く周知啓発に努めてまいります。

◆政治は生活ですね。ですから、女性に限ったことではなく、若者の政治への関心を高めることも必要ではありますが、一朝一夕には難しいところと考えます。ですから、先ほどのハーモニーは政治参画ではないとおっしゃるけれども、それも関心を持っていただくという大きな力になっていると思います。子育てや教育、老後の暮らし、健康、ごみ問題等々、日々の生活に密着している村政は、どちらかというと女性の得意な分野です。女性の政治参加について、村長のお考えを伺います。また、以前に開かれたことがある女性議会を復活することについてのお考えも伺います。

村長 お答えします。

 女性議会については、今のところ予定はしておりません。

 女性が政治に参加することというのは多分必要なことだと思いますし、関心を持ってもらうことは必要だというふうに思いますけれども、今、部長が申し上げたのは確かに行政に対する関心を高めてもらうということで、当然それも必要なことなんですけれども、それよりもっと広く考えれば、まちづくりとか地域づくりとか、そういう幅広い視点で物事を考えていって、そのときに自分がやる役割として、そういう団体で活動するのか、もう一歩先に政治家としてなのかというのは、それぞれ個人の考え方なんで、ただそれは行政だけじゃなく、行政に関わらない全体的なこの今のまちづくりとか、そういうところに関心を持ってもらうということが必要だと思うので、そういうことについてはハーモニーもそうですけれども、いろいろな形でそういう機会をつくっていくことについては、村としては取り組んでまいりたいというふうに思っています。

◆ぜひ女性議会、私は経験がいいきっかけになったと思いますので、考えていただきたいと思います。

 それで、女性議会はマスコミ向けのパフォーマンスではないと考えます。それで、3月8日は、女性の権利向上を目指し国連が定めた国際女性デーでした。まずは役場からということで、職員の女性管理職登用も進めていただきたいと思います。

 以上です。