えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

令和3年3月議会質問内容

◆光風会、恵利いつです。緊張して酸欠になりますので、マスクを外させていただきます。

 先の12月議会で取り上げました高齢者のフレイル対策ですが、来年度、拡充事業としてしっかり取り組むと計画されています。フレイル予防はウイズコロナだけでなく、アフターコロナにおいても健康寿命の延伸のために必要なことです。私も間もなく65歳の高齢者になります。どうぞよろしくお願いいたします。

 では、質問に入ります。

 2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会ですね、それに向けて村の取り組む姿勢をお尋ねいたします。カーボンニュートラルは、今や待ったなしの世界的課題になってきているので、危機感を持って質問いたします。

 昨年10月26日、第203回臨時国会の所信表明演説で菅義偉内閣総理大臣は、「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現を目指す」と宣言されました。環境モデル都市を目指そうとしていた本村としても、しっかり寄与すべき課題と考えます。

 そこで、1回目の質問は、基礎自治体としてどのようなことに取り組んでいるのか。

 2点目です。太陽光発電システム設置補助を長年行ってきましたが、その推移を伺います。

 以上2点です。

村民生活部長 お答えします。

 本村では、これまでも公共施設を対象としたエコオフィスプランの実施をはじめとする省エネルギー化の推進や太陽光発電システム設置等によるエネルギーの地産地消など、低炭素社会の実現に向けた取組を推進しているところでございます。

 住宅用太陽光発電システム設置に対する補助につきましては、資料でお示ししましたとおり、年度により補助申請件数にばらつきはあるものの、この数年では50件程度の件数で推移しており、今後も一定の需要があるものと見込んでおります。

 また、本村では、昨年7月28日に廃棄物と環境を考える協議会の一員として、2050年の温室効果ガス排出量の実質ゼロを目標とするゼロカーボンシティーの共同表明を行ったところであり、脱炭素社会を目指し、さらなる施策の推進に向け、準備を進めているところでございます。

◆余談ですが、その廃棄物と環境を考える協議会とは原子力の廃棄物と環境も含めて考える会なのか、そのような協議会があったのかと思ったのですが、これは笠間市にごみの埋立て、最終処分をお願いしている自治体でつくっている協議会と伺いました。東海村に住んでいると、廃棄物というと、つい原子力の廃棄物を連想してしまいます。

 さて、再質問は2点です。

 まず、太陽光発電システムの設置補助について、これまでの推移を資料として出していただきました。ありがとうございます。屋根の上にソーラーパネルを載せることは、森林を伐採してソーラーパネルを設置するより、ずっと環境に優しい発電方法です。太陽光発電システムは、私が設置した1キロワット当たり60万ぐらいかかったかと思うんですけれども、今ではコストがかなり安くなったと聞いてはいますが、それなりの設置費用は必要です。設置補助事業は、ぜひ継続すべきと考えます。どのようにお考えでしょうか。

 また、2050年脱炭素社会の実現には、基礎自治体も積極的に取り組まなければ実現不可能です。東海村として、どのようなことに取り組む考えか伺います。

村民生活部長 お答えします。

 議員のおっしゃるとおり、国におきましても菅首相による2050年カーボンニュートラル宣言を行ったことは、温室効果ガス削減の重要度が高まっているものと認識しております。

 本村といたしましては、脱炭素社会の実現に向けた具体的な取組のための議論を進めていることを旨とし、今年2月5日に設立された、2050年までの二酸化炭素排出実質ゼロを目標として掲げた市区町村をもって組織するゼロカーボン市区町村協議会に加盟したところでございます。

 今後は、現在策定中であります第3次東海村環境基本計画に基づき、脱炭素社会実現に結びつく本村独自の事業をより一層推進していくとともに、国や関係機関との連携により、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた施策の展開を積極的に図ってまいります。

 また、住宅用太陽光発電システムの設置補助につきましては、設置費用の推移に対応した補助基準額の見直しを図り、事業を継続してまいりたいと考えております。

◆カーボンニュートラル市区町村協議会に加盟したとのことですが、前向きな取組と期待するところです。

 そこで、山田村長のカーボンニュートラル脱炭素社会実現に向けての本気度をお尋ねします。ここで、本気度をお尋ねするということは、裏返せば疑問が残るからです。それは、あの大きな屋根、図書館前を通る人の目を引くあの屋根になぜ太陽光発電システムを設置しなかったかという点です。

 昨年、笹嶋議員の議会質問に対する答弁では、ざっくり言うと費用が見合わないからという内容だったと記憶しております。そのような理由だけであるなら、村の環境に対する考えはその程度なのかとがっかりします。これまでの村の政策や村長自身の対外的なご活躍、環境会議とかいろいろ出られてきたご活躍されてきた、また以前のことですけれども、山田村長に環境都市宣言をしないのですかと質問させていただいたときに、そういうスローガン的なものよりもモデル都市を目指すと言われたことにちょっと感動したというか、確かにそうかなと思ったことがあります。村長のそういうところに期待をしていたので、この山田村長の一貫性がないと見える姿勢に疑問を感じるところです。改めて、山田村政のカーボンニュートラルに向けての覚悟を伺います。

村長 お答えします。

 2016年に発効しましたパリ協定の目標達成は世界的な潮流となっておりまして、国内では昨年12月に菅首相の所信表明演説の中で2050年カーボンニュートラルの宣言もありましたので、脱炭素社会への動きは加速しているものと感じております。

 このような背景の下で村としましては、これまでも低炭素社会に向けた取組を行ってきたところですけれども、2050年までには温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す脱炭素社会の実現のために、村としましてはエネルギー利用の効率化と再生可能エネルギーの活用に最大限取り組むとともに、現在策定中であります第3次の東海村環境基本計画の中でゼロカーボンシナリオの構築を進め、新たな取組を明らかにしてまいりたいと考えております。

 いずれにしましても、脱炭素社会の構築については当然地域から貢献していくというのも大事ではありますが、何分このライフスタイルとか社会システムの変換という大きなものもありますので、こういうものについては国や関係機関と連携しながら、2050年カーボンニュートラルに向けて進めていきたいというふうに思っています。

◆やっぱり小さな努力の積み重ねが目標達成につながると思うので、自治体としてもこれから頑張っていただきたいと思います。

 2050年よりもっと近い2030年も、大きな指標として挙げられます。世界規模の課題の分岐点だそうです。地球の未来を左右する決定的な10年間として、NHKテレビでも放送されました。2030年は、これからもう10年足らずです。すぐにやってきます。これからの10年間、私たちの取組いかんで地球の温暖化は不可逆的な状況になってしまうと言われています。後世にツケを回すか可能性を残せるかの大きな責任があります。既に待ったなしのときと考えます。

 2問目に移ります。

◆村が緑地として所有している土地活用について伺います。

 30年前、東海村に家を構えた頃に比べると、村内の緑地は区画整理や道路インフラ整備等の開発によって年々減少してきました。保安林として大きく残っていた海岸線の緑地においても、東海第二原発の安全性向上対策工事のために樹木がかなり伐採されました。そのような状況において、村が保有する緑地は村民にとって、また植物が光合成することによるカーボンニュートラルの視点からも貴重な財産であります。

 質問の1回目は、村所有の緑地、ある程度まとまった緑地ですけれども、どこに、どの程度あるのか伺います。

村民生活部長 お答えします。

 現在、村には保全配慮地区や工業団地の緩衝緑地など村所有の緑地がございます。主な緑地は天神山周辺の約2.1ヘクタール、前谷津緑地の約2.8ヘクタール、押延溜池周辺の約2.3ヘクタールなどが挙げられ、これらの緑地は現在、村内に残された貴重な緑のまとまりであることから、緑地保全事業の中で保全管理を行っております。

◆ボランティアで保全活動をしている押延いこいの森のすぐ近くでもソーラーパネルが設置されるようで、広い面積の木々が伐採されていました。森が次々に消されていく今日では、村所有の自然緑地は本当に貴重な森になってしまいました。自然緑地の今後の活用についてどのようにお考えでしょうか。

村民生活部長 お答えします。

 村が所有する主な緑地は景観や生態系、自然との触れ合いの場所として重要な区域を保全・保存することを目的に村有化した地区であることから、自然の恵みと自然からの学びを誰もが得られる場として、今後も適正な利用と保全管理を行ってまいります。

◆質問いたします。

 自然緑地は住民に愛着を持ってもらうことで生かされます。そして、愛着を持ってもらうためには住民とともに保全活動を進めることが理想ですが、思うように進んでいるのでしょうか。実際のところ疑問が残るところです。親しみを持ってもらうには、住民が保全活動に参加したくなるような公園づくりのテーマ、将来のイメージなどを示すことが必要ではないでしょうか、いかがお考えですか。

村民生活部長 お答えします。

 村が所有する主な緑地では、誰もが活用・保全方針を地域と共有し、協働による保全活動を実施しており、今後も持続可能な緑の保全を継続していくためには地域の協力が不可欠でございます。議員のおっしゃるとおり、地域の住民や事業所の参加を促すため、活動のテーマやイメージを示し、参加者と目標や達成感の共有が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

◆地域住民との協力ということも非常に大切なところですけれども、ボランティアを、いろいろなボランティアが立ち上がるような支援の在り方、育てる支援の在り方なども今後検討していただけたらと思います。

 イメージづくりというところで一言述べさせていただきます。例えば「カブトムシの森づくり」とか「森林浴を楽しむ森」とか「希少生物に会える森」、真崎城のあたりは「白百合姫伝説の公園づくり」など、わくわくするネーミングで参加を募るなどの工夫があってもよいと考えます。

 森を守ることは、カーボンニュートラルへのささやかな協力です。農水省は、2050年までに有機農業の面積を国内農地の25%まで拡大することを目指すと打ち出しています。押延いこいの森は秋になると落ち葉がいっぱいです。腐葉土づくりにもってこいです。また、間伐材は薪ストーブの燃料になります。まさしくカーボンニュートラルの暖房です。これからの取組で、森の恵みを村内で循環できるような仕組みができるとよいと考えております。

 3問目に入ります。

◆来年度の最重点施策の一つであるキャッシュレス決済ポイント還元事業について質問いたします。

 昨日の鈴木議員への答弁で一部解明した点もありますが、別の視点を加えて質問させていただきます。昨年から続くコロナ禍により、世界中でデジタル時代へ向かうスピードが加速度的に進んでいます。学校では子どもたちにタブレットが渡されるなど、デジタル化は確実に浸透しています。また、東海村議会においてもタブレットが導入されましたが、私自身、十分使いこなすにはまだ至っておらず、精進の日々です。オンライン会議や講座受講など不慣れながらも使っていくことでデジタル化の便利さを徐々に感じている状況です。

 デジタル化が加速して進む中、デジタルディバイドが問題になっています。デジタルディバイド、最近こういう片仮名言葉がとても多く、注釈がないと理解できません。ただでさえ漢字を忘れてしまう年代です。新たな横文字言葉を理解することは難儀なことです。脳トレと思ってやればいいことですけれども、私と同じような方もいらっしゃると思いますので、デジタルディバイドを説明しますと、コンピューターやインターネットなどの情報技術を使いこなせるか否かによって生じる様々な格差ということです。つまりデジタルディバイドの解消が大きな課題ということです。

 本村でも、デジタル化の流れに乗れない住民がまだ少なからずおられます。今回、質問に取り上げることでキャッシュレス決済ポイント還元事業に関心を持ってもらえればとの思いもあり、質問する次第です。

 質問の1点は、キャッシュレス決済ポイント還元事業とはどのような仕組みなのか。

 2点目は、キャッシュレス決済システムを現在利用している住民をどの程度と把握しているのか調査は行ったのか。

 3点目は、デジタルディバイド解消のための具体的な方法について。

 4点目は、キャッシュレス決済の手段を持たない住民への対応をどのようにお考えなのか。

 以上4点伺います。

産業部長 1点目、2点目と4点目につきまして産業部からお答えいたします。

 本事業につきましては、非接触などの新しい生活様式への転換が求められていることから、キャッシュレス決済を活用した事業者支援を行い、併せて消費者への生活支援を行うものでございます。

 1点目のキャッシュレス決済ポイント還元事業の仕組みにつきましては、電子決済のスマートフォンアプリを登録した消費者が、村内の対象店舗においてQRコードで決済した際、決済金額の30%に相当するポイントが還元されるというものでございます。1会計での上限は1,000円、1か月の上限は1万円となります。

 2点目のキャッシュレス決済システムを現在どのぐらいの住民が利用しているかにつきましては、現時点で調査はしておりません。総務省の令和2年版情報通信白書によりますと、2019年で個人におけるスマートフォンの保有割合が67.6%となっております。また、村内の事業者においては、QRコード決済を活用している店舗が200店舗を超えていることを確認しております。

 4点目のキャッシュレス決済の手段を持たない住民への対応をどのように考えているのかにつきましては、現在とうかいI~MOの割引キャンペーンを行っておりまして、まずはキャッシュレス決済の手段を持たない村民の方でも利用できる事業ということで行っているところでございます。そして、来年度の早い時期にキャッシュレス決済ポイント還元事業を行い、継続した支援を行っていきたいと考えております。

 新しい生活様式への転換ということから、スマートフォンを利用される方が増加しつつあるようですので、できましたらご家族でスマートフォンをお持ちの方とご一緒に利用していただければと思っております。

政策統括監 3点目のデジタルディバイド解消については、昨日の鈴木議員、植木議員の代表質問のお答えに重複となりますが、本村ではスマートフォンやパソコンを使いこなせないなど世代間等により生じる情報取得やサービス利用の格差を是正していくため、デジタル化推進に際し不慣れな方でも容易に操作ができる工夫や窓口での操作案内などに取り組むとともに、デジタル機器の利便性を理解していただき、使用できる方を増やしていくため、SNSやイベントでの啓発、関係団体と連携したスマートフォン教室の開催を実施し、誰もがデジタル化のメリットを享受できるよう取り組んでまいります。

◆この事業の目的は3つあることが分かりました。1つは、村の事業者支援、コロナで疲弊している村の事業者の方の支援、そしてポイント還元による生活者支援、3つ目が電子決済という便利さを活用するきっかけづくり、つまりデジタル化に適用するための後押しということが分かりました。その一つ一つは否定することではありません。しかし、果たして3つが理想的な効果を生み出せるのか、現状ではいろいろ疑問が残ります。

 QRコードを使う何々ペイ、いろいろありますね、と言われる支払方法は、現金と違って誰でも等しく使えない。特にスマホを持たない高齢者は、ポイント還元の恩恵を受けることができない。まさしくデジタルディバイドが生じると想像できます。

 現在、村内の何割の人がスマートフォンを持ち、QRコード決済をしているのでしょうか。そして、ポイント還元は村内のお店を利用する村外の方も対象になるわけですから、事前の調査をせずに事業に取り組むのでは、住民の新しい生活様式へ転換にどれだけ効果があったか検証できません。この事業は最重点施策にもなっていますので、事業が終わったとき、何となく利用者が増えたみたいというような肌感覚の事業評価にならないようにしてください。

 さて、再質問ですが、SDGsにも掲げられているように、誰一人置き去りにしない政策が行政の基本です。このキャッシュレス決済、ポイント還元事業をより多くの住民に利用してもらうために、どのように考えていますかお尋ねします。

産業部長 お答えいたします。

 キャッシュレス決済をご利用でない方に関しましては、本事業の実施店舗などに電子決済のスマートフォンアプリの登録方法や使い方を示したチラシを配布したり、村公式ホームページ等でも丁寧に案内したりするなどお知らせしていきたいと考えております。

 併せまして、実施店舗にのぼり旗を置かせていただき、村商工会の協力を得ながら消費喚起を高めるなど、より多くの方に利用していただけるよう努めていきたいと思っております。

◆事業目的の一つ、非接触のキャッシュレス決済がウイズコロナ時代の流れであることは理解しています。ある研究所がMMPというんですかね、今年1月に18歳から69歳の男女を対象に行ったスマートフォンQRコード決済利用動向調査によりますと、約33%が使っているとのことです。これは18歳から69歳の方々ですね。しかし、私がいろいろな場面で聞き取り調査をした感じ、ざっと言って30人くらいですから、まさしく肌感覚ですが、東海村内のスマートフォンによるキャッシュレス決済は、先ほどのデータにあったような33%にはとても至ってないという感じです。

 今後、住民がデジタル化のメリットを享受できるようにする取組は必要ですから、この重点施策に反対はしませんが、今年度の早い時期にスタートするのは、やはり準備不足と考えます。3,500万円の予算ができるだけ幅広い年齢層の多くの住民の方々に活用されるように、まずはスマホ活用生活の楽しさ、便利さ、そしてリスク、大事なことです。リスクについてスマホ教室などで学んでいただき、しっかりと底上げをして取り組んでいただきたいと思います。住民のためのよい支援策であっても、届かなければだめです。多くの住民に公平公正に届けられる事業とするためには、住民の状況をよく把握することが肝要と考えます。

 次の質問に入ります。

◆4問目は、先月の2月13日地震を受けて、住民の皆様から何人かの方から寄せられた声を基に原発に関する質問をさせていただきます。

 明日で東日本大震災から10年目を迎えます。あの恐怖を忘れることはありませんが、どこか薄れていました。そんな中、2月13日深夜に起きた地震は忘却への警告と思いました。東海村の震度は5弱でしたが、揺れの時間が長かったためか、発表された震度より私は強く感じました。この地震で原発の存在を意識したのは私一人ではなかったようです。住民の方からも幾つかのお声が届きました。

 そこで、質問は1点、深夜の地震にもかかわらず、地震発生から程なく東海第二原発に異常はなかったと報道されました。このフレーズが正しいかどうか、これは住民の方から届いた文章です。報道が流されましたが、真夜中であったのに、そんなに早くできるのか。どのような調査をして発表されているのか。

 2点目です。地震直後には被害がなくても、あれだけの揺れがあったのだから、夜が明け、明るくなってから被害や故障箇所などが見つかるものではないのか。原発からその後、報告は届いているのか。

 以上2点お伺いいたします。

村民生活部長 お答えします。

 先月13日の地震発生に伴っては、茨城県原子力安全協定締結事業所に対する要請に基づき、東海村では村内原子力施設の設備等の点検が事業者によって行われ、所管課の防災原子力安全課では、その報告を順次受け、最終的に全ての確認を終えたのが翌日14日の午前2時41分でしたので、未明の時間帯ではありましたが、ホームページやSNSでその旨の情報発信を行ったところでございます。

 ご質問の報道機関による早い段階での報道についてでございますが、その内容がどのような形で確認されたのかは村としても承知はしておらず、所定の点検が全て終わったものではないと受け止めております。

 続いて、2点目の夜が明けてから翌日とかに異常が確認されることもあるのではないかとのご質問ですが、ご指摘のとおり可能性としてはあり得るものと考えられることから、仮に施設に事故・故障等が認められた場合には茨城県原子力安全協定に基づき、事業者から関係自治体に速やかに通報されることが取り決められており、防災原子力安全課の職員には夜間・休日であっても通報を受けられるよう公用の携帯電話が貸与され、その態勢づくりに努めているところでございます。

 なお、補足しますと、日本原電では震度5弱以上の地震が発生した際には、社内規定で定める地震発生時の施設・設備の点検項目等に加え、非常用ディーゼル発電機や高圧電源車などの試験運転を実施することとしており、先月の地震でも翌日の14日午前8時過ぎに、その試験運転を終了したことや試験運転に伴う異常が認められなかったことの報告を村として受けております。

◆その深夜の登庁、そしてその後の情報確認や情報発信など大変お疲れさまでした。その発表については確かにもう流れてしまったものなので、どうだったかということは確認、私も思い起こすだけのことなので、しっかりはできないんですけれども、やはり住民にとってはそれだけ大きな地震があると気になるんで、それでその発表の在り方に一喜一憂する、私自身は早く異常がない模様とか何かそのような感じで受け止めて、ちょっと安心したところはあるんですけれども、やっぱりいろいろな受け止め方があるのかなと思いました。

 住民の中には防災無線で何も放送がなかったとの意見もあります。夜中の防災無線の使用は賛否が分かれるところでしょうが、激しい揺れの後は防災無線の情報を気にしている人もおられるようです。担当課からはトラブルもなく深夜だったことを考慮して対応したと伺いました。担当者も揺れが大きいたびに悩まれることと思います。

 そこで、提案ですが、どのような状況で無線放送するか防災無線放送するかマニュアル化し、住民に周知しておけばよいと考えます。例えば震度5以上であれば、また大雨のとき久慈川の水位がどのくらいになったら、時間を構わず無線を流しますという一定の目安があればよいと考えます。

 再質問は村長にお尋ねいたします。

 3・11東日本大震災で茨城県沖にひずみがたまっているとの報告もあり、30年以内にマグニチュード7から7.5の地震発生確率が80%と言われています。これは何もなく月日が過ぎれば過ぎるほど確率は高くなるとのことです。茨城県付近において3・11以降、地震の震源地が変わったようにも私は思います。昨年暮れには東海村あたりが直下と思える、正式には震央というみたいですけれども、直下と感じる地震もありました。さらに、2月13日の地震で10年前の恐怖がよみがえった住民もいます。この状況をどのように捉え、再稼働についてどのようにお考えでしょうか。

村長 お答えします。

 先月の地震を受けての稼働問題ということですが、東海第二発電所につきましては、福島第一原子力発電所事故の反省などを踏まえた新規制基準上の大規模自然災害の対応強化などの要求事項を満たす設計方針が取られていることが既に原子力規制委員会によって確認されておりますので、私としましては引き続き残る2つの要件に重点的に取り組んで、将来の判断に結びつけてまいりたいと考えております。

◆ありがとうございます。

 今頂いた答弁は、これまでに言われてきたこととほぼ同じです。私が知りたいことは、2月13日の地震のとき村長はどのように感じて、原発についてどのように考えられたかという点です。私はあの地震は怖かったです。どこまで揺れが大きくなるのか、いつまで続くのかと身構えました。しかし、揺れが止まったとき、原発について心配はそれほどありませんでした。それは停止中であること、稼働してないこと、燃料棒は10年間冷却を続けているので仮に何かあっても冷却水が沸騰し始めるまで500時間以上の猶予があると議会質問を通して確認していたからです。

 改めてお尋ねいたします。山田村長は2月13日のあの揺れをどのように感じ、原発についてどのようにお考えになったか、率直なご感想、お気持ちをお聞かせください。

村長 先月の地震当日、私は午後11時35分頃だと思いますけれども、役場に登庁しまして、災害対策本部室で各課から状況報告を受けるとともに、テレビの報道に注意しておりました。東海第二発電所のことについては、点検が始まったばかりで他の原子力事業所同様、気にはなっておりました。しかし、環境放射線に影響がないことは担当課が確認しておりましたし、私は村長という立場ではありますので、原子力関係以外も村民の人的被害ですとかインフラの被害も心配でしたが、消防への救急要請もないことも確認できましたし、時間の経過とともに徐々に安堵感が広がっていったということを覚えております。

 私としましては、この東海村において震度5弱の強い揺れを伴う地震が昨年11月にもありましたので、続いております。東海第二発電所をはじめ村内の原子力施設全てに関する原子力安全の向上をしっかり見極めてまいりたいと、強く再認識したところでございます。

◆村長の立場からのご答弁でしたというか、個人として怖かったかどうかは、もう再々質問までしましたので、お答えいただけませんけれども、ある住民の方から伝えてほしいとメッセージが届きました。原子力は利害関係者や権力などいろいろなものが絡むことは多くの人が知っていることですが、住民の命を守る視点で考えれば、村長の答えはおのずと出てくると思いますというものです。

 今回の質問に当たり、私が思い出したことですが、10年前の3・11原発事故後間もない頃のことです。ある先輩議員が「原発はだめだったのか」としみじみとした口調で言われました。心底そう思われた様子でしたが、近頃はお忘れになったのか、再稼働したほうがよいと言われるようになっております。

 忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ。これは1950年代のラジオドラマのようですが、これをリアルタイムで私は聞いてないと思うんですけれども、このフレーズは皆さんの心にもあるんじゃないかと思います。忘れることで癒されることもあります。しかし、社会全体で見れば、原発事故というような大惨事の記憶は忘却のかなたというんですかね。そういうところに追いやってはいけないと思います。そして、あの原発事故は今も続いていることをしっかり認識しておかなければなりません。

 以上で質問終わります。