えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

令和3年6月議会質問内容

◆光風会、恵利いつです。マスクを外させていただきます。

 新型コロナはその形を変えながら、そして国を変えながら、世界のあちらこちらで猛威を振るい続けています。ワクチン接種が普及した幾つかの国では、コロナ禍前の生活に戻っている様子が報道されております。

 日本では7月23日からオリンピックが開催される予定ですが、コロナの感染拡大につながらないことを祈るところです。今回のオリンピックは、当時の安倍首相の福島第一原発事故についてアンダーコントロール、つまり「状況はコントロールされている」という世界をごまかすとんでもない発言からスタートしたと思います。その後も新国立劇場の建設計画の白紙撤回やエンブレム盗作疑惑などトラブルが続いています。そして、組織委員会の森会長はじめ主要な関係者も次々と退任していくなど、スタートをごまかしたためかトラブル続きです。

 オリンピック開催が今後のコロナ感染にどのように影響するか、不安は大きいです。私は今ワクチン接種を心待ちにしております。担当課の皆さんはいろいろ大変でしょうが、住民の感染防止と安心の生活のために、よろしくお願いいたします。

 では、通告に従い、質問に入ります。

 1問目は、コロナ禍による子どもたちの心身への影響とケアについてです。

 コロナ感染というストレスの中で生活するようになって、1年以上経過しました。人との交流を極端に制限せざるを得ない生活は、年齢を問わず心身に影響があります。今回は子どもたちの様子について伴教育長にお尋ねいたします。

 1点は、不安が続く状況で児童生徒の心身への最近の影響はいかがでしょうか。また、どのような対策を取っているのか。

 2点目は、村内でも10代、そして10歳未満の子どもが数人感染したと発表されています。その後の対応はどのように行ったのか。また、これまでに村内で85名の感染者が出ていますが、本人や家族がコロナにかかったことで偏見やいじめにつながっていないかと心配しますが、いかがでしょうか。

 3点目は、コロナ感染防止のために自宅にいることが長くなる、または雇用止め等による収入の減収など様々な要因で親が鬱状態になったり、また親のストレスのはけ口が子どもに向かったりすることがあると聞きます。子どもたちに日々接している先生方には、子どもたちの変化を見逃さないようにし、適切な対応が求められますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねいたします。

教育長 お答えいたします。

 1つ目の児童生徒の心身への影響についてでございますが、感染症対策と併せて工夫しながら教育活動を実施していくことで、児童生徒の活気は戻りつつありますが、いまだ制限のある生活を余儀なくされている中、多少なりともストレスがかかっていると認識しております。

 よって、今後も各種アンケート等による児童生徒一人ひとりの実態把握に努めるとともに、学級担任だけでなく、学年担当や生活指導員、養護教諭など多くの目で児童生徒を観察し、支援してまいりたいと考えております。

 2つ目の感染した村内の10代と10代未満の子どもについては、その後、元気に学校生活を送っていると伺っております。対応等につきましては、個人情報を含む内容のため、詳細についてお答えできないことをご理解いただきたいと思います。

 また、このいわゆるコロナに関するいじめについては報告受けておりませんが、コロナに関するいじめについては絶対あってはならないということで、学校全体で子どもたちの様子を見守ってまいりたいと考えています。

 3つ目の親のストレスのはけ口が子どもに向かったりしている事例は、現在のところ報告されていませんが、今後も観察やアンケート等を実施する中で、心配視される児童生徒については学級担任や養護教諭あるいはスクールカウンセラーなどによる面談を実施し、必要に応じて関係機関につないでいきたいと考えております。

 また、教師や親に相談しにくい場合でも、電話やSNSで不安やストレス、悩みを受け止めてくれる相談窓口があることを周知してまいりたいと思います。

◆個人情報のほうにしっかりと気配りをされていることが分かりました。先生方は子どもたちのちょっとした変化を客観的に見詰めることができる一番近い大人なのかと思います。子どもは親を悪者にしたくないので、困っていても我慢することがあると聞きます。また、近隣の町ではコロナ感染が原因でいじめが起きていると聞きました。子どもたちの変化を見逃さないようにお願いいたします。

 次の質問に入ります。

◆「重要文化財の展示、公開承認施設を目指す」として建設した交流館の今後の取組についてお尋ねいたします。

 歴史と未来の交流館の開館を1か月後に控え、担当課は何かと忙しいことは想像に難くありません。しかし、開館後、まる博事業などを実施することに追われ、本来の目的を積み残したまま月日が流れかねないと考えての質問です。

 歴史と未来の交流館は、一言で言うと「歴史から学び、未来を創造する」を目的とする事業と理解しています。その中において、まる博事業は、まず村の歴史や自然から学ぶことです。すなわち交流館の目的の具現化へのスタートと言えます。さらに、重要文化財を身近な環境の中で体感することによって、日本の歴史や文化に触れ、より深く広く学ぶ、未来を目指すプロジェクトと、この交流館事業を考えるに至りました。

 さて、今回の質問のきっかけは、私のところに交流館の今後の在り方を心配するファクスが届いたことです。それは、「公開承認施設を目指すために特別仕様でつくられた交流館が、建物は完成しても、組織運営面や人的配置ができていないために、税金の無駄遣いになりかねない」というものでした。私の知識は浅かったので、ファクスの内容を確認するために複数の関係者や見識の高い方からお話を伺い、また文化財保護審議会の議事録やその他の資料に目を通しました。そもそもこの施設は複合施設ではありますが、博物館スペースは公開承認施設を目指してつくられたようです。

 公開承認施設とは、昨日の阿部議員への答弁にもありましたが、簡単に言うと重要文化財を展示できるという施設として文化財保護法第53条により、文化庁のお墨付きを頂くことと理解しています。その条件として、施設は特別仕様であることなどハードルがかなり高く設定されています。建設に当たって、文化庁は「公開承認施設を目指す」という村の意向に沿って指導に当たってくれたと聞きました。文化財保護審議会の議事録にも「交流館は公開承認施設を目指す」とはっきりと書かれています。なぜ文化財保護審議会や展示監修委員会の中では確認してきことを議会に言わなかったのでしょう。おかしな話です。

 公開承認施設を目指すとしてつくられた交流館ですが、開館を目前にした現状の運営体制では、このような意見を聞きます。重要文化財の展示について交流館から相談があっても、文化庁は許可しない。公開承認施設に至っては絶望的である。また、重要文化財を展示する体制が全くできていないと複数の専門家が言っております。また、重要文化財や公開承認施設に対する村の認識の甘さを指摘する声も届きます。

 市町村の文化財行政に関わる担当者は、「東海村の交流館は例えて言うならば、マラソンの何たるかも知らずフルマラソン出場を宣言したようなもの。お金に任せて一流選手のシューズやウエアを購入したが、取りあえず飾るだけ。コーチもいないし、ランニング練習の仕方も知らない」との厳しい評価を得ています。公開承認が何たるかを知る方からは、的を射た評価と言われています。厳しいですが、今はこれが現実なのです。

 そこで、質問です。

 建物をオーバースペック、つまり無駄に贅沢な箱物と言われないように重要文化財が展示できる体制、文化庁から許可が得られる体制ですね。その体制を今後、具体的にどのように整えようとしているのか伺います。

 また、公開承認施設になるために文化庁に指導を仰ぎ、そして文化財保護審議会の中で明言していたにもかかわらず、村のホームページでは触れていません。この点は県内外からも疑問の声が出ています。なぜ公開承認施設を目指すとしていることを住民や議会に明確に示してこなかったのか。2点伺います。

教育部長 お答えいたします。

 1点目のご質問につきましては、昨日、阿部議員にお答えしたところでございますが、ただいま新たなご質問を頂きましたので、繰り返しご答弁させていただきたいと思います。

 この公開承認施設を目指すということでございますが、公開承認施設、具体的には文化庁の規定に基づきまして、施設の組織や人員、施設の設備の要件、あとはその公開承認施設の申請前の5年の間に重要文化財の展示を3回以上行った実績など、12の項目の基準を満たす必要がございますので、承認を得るに当たりましては、相当の実績と期間を要するものと考えております。

 一方で、交流館は多くの村民の方々のご理解、ご尽力により、8年もの歳月をかけて整備いたしました村民の方のための施設であります。開館はスタートでありますので、今、途に就いたところでございます。公開承認施設も大切な取組の一つでございますが、まずは多くの住民の皆様の期待に応え、交流館での活動を充実させていくことこそ重要だと考えております。

 現在は、開館記念式典、開館記念特別展や記念イベント、子どもたちを対象とした体験事業や講座など7月24日の開館に向けて職員一丸となって準備を進めているところでございます。教育委員会といたしましては、学芸員の育成、資料の調査、収集、保存、特別展の実施など施設としての経験と実績を積み重ねて習熟度を高める努力を行いまして、専門家の助言を頂きながら長期的な視点を持って公開承認施設を目指してまいりたいと考えております。

 2点目のご質問でございますが、昨日、阿部議員からのご質問を受けて公開承認施設の概要や考え方についてはお答えしたところでございます。村の歴史や自然を楽しく学び、子どもたちが工作や実験等の体験活動ができて、そしてあらゆる世代が体験、学習、交流できる郷土を育むという交流館整備の目的を達成するためにも、充実した活動や経験、実績を積み重ねてまいりたいと考えております。

◆1点目の質問はお答えいただきました。昨日、阿部議員への答弁でも重なる部分ありましたけれども、こういうものだというのを議員の皆様にも再確認していただきたかったところで改めて質問させていただきましたが、2点目の公開承認施設を目指していることを住民や議会に明確に示してこなかったのはなぜかと伺ったところには、全然ピント外れのお答えだったかと思います。なぜなのかなというのが不思議なところですね。ここ再質問のほうで、もう一度答えていただければと思います。

 再質問、自分で用意していたのは、長期的な視点に立って、これまでにも公開承認を目指していくとの答弁でした、昨日の阿部議員にも。長期的とはどの程度を見込まれているのでしょうか。重要文化財を展示するとして、多額の費用、つまり村民の税金、血税を投入した施設です。複合施設であることを理由にして博物館事業を軽視し、先送りにすることは認められません。特別仕様の施設を生かした成果が村民に提供できるような体制をできるだけ早く整えるべきです。

 これまでに清宮前議員の質問を含め、館長を早く決めるように再三質問してきました。令和2年3月議会の私の質問に対して、開館1年前から半年前には選任すると答弁がありました。文化財保護審議委員会の議事録を見ると、同じ時期、同じ内容の質疑が行われていました。やはり審議会の皆さんも心配されていたことが分かります。

 しかし、実際はさらに先送りされました。厳しい言い方ですが、公開承認施設を本気で目指しているとは思えない運営体制と人事と言えます。今回、交流館の課題について多くの方から学ばせていただきましたので、お尋ねしたいこと、言いたいことは細かくありますが、質問は絞ります。しっかりお答えください。

 公開承認施設となる要件に「重要文化財の展示を申請前の5年間に3回以上行う」とあります。重要文化財の展示ができるようになることは、文化庁に認めてもらうためのまさに第一歩です。館長選びのようにずるずると先送りにならないように重要文化財の展示実現への道筋、スケジュールですね、それを住民にきちんと示すべきです。どのような計画なのでしょうか。また、そのためには何が必要と考えていますか。

教育部長 お答えいたします。

 スケジュールでございますけれども、先日お答えしましたとおり、まずは開館後の交流館において、充実した活動展開を図っていくことに注力してまいりたいと考えております。そのため、明確なスケジュールというものは、現在のところお示しすることは難しい面がございますが、議員がご指摘のとおり、計画的に進めていきたいというふうに考えております。

 展示につきましては、常設的な展示に加えまして、今後、定期的に村の歴史や自然を様々なテーマで切り取った特別展というものを行うことを予定しております。この特別展におきましては、県外を含む他館からお借りする資料の展示なども想定しておりますので、そういった中で経験を重ね、実績を上げてまいりたいと考えております。

 公開承認施設の考え方につきましては、将来的に目指していくという考えを持っておりましたが、阿部議員からのご質問を受けましたので、改めて公開承認施設を目指す考え方を整理して先日お示ししたところでございます。議員おっしゃる、わざわざ明確に示さなかったというものではございませんので、その辺はご理解を頂きたいと思います。

 また、オーバースペックというようなご意見を頂きましたけれども、文化財を展示する最低限必要な設備というものを整えておきませんと、他館からお借りする文化財等も展示をできませんので、これについてはオーバースペックというような考えは持っておりません。

◆分かりました。ちょっと時間押していますので、明確に示してこなかったのは意図的ではないということは言われましたけれども、やはり議会にはお金がかかることですから、その辺までちゃんと説明しておくべきではなかったかと思います。

 それと、オーバースペックではないというところは、目指すところがしっかりしていればオーバースペックではないと思いますけれども、これまでに表に出たというか、ヒアリングとか、ほかの方から伺う状況からすると、これまでの取組ではオーバースペックのように見て取れたというところは事実にあります。

 今の答弁にも「長期的な視点に立って計画的に進める」とありましたけれども、漠然としていてよく分からないんですね。18億かけた特別仕様の立派な施設は既に完成しているんですね。その機能をフルに活用し、住民へ早く還元できるように目標を定め、具体策を講じなければ、また先送りになりかねないと危惧しているところです。

 現在、博物館ゾーンの責任者は自然、特に植物にとても学識の高い、そしてお人柄は穏やかな方であると、私自身が植物観察会に参加して存じております。しかし、身近な方に「歴史や重要文化財の扱いについては分からない」とはっきり言われているようです。展示館としての経験や実績を重ねることも大事ですが、それだけでは公開承認施設とはなれません。公開承認施設になるために今最も足りてないことは、部長は何とお考えでしょうか。

 それともう1点、開館間近ですが、昨年12月議会でも質問しました運営委員会の設置はどのようになっているのでしょうか。2点お尋ねします。

 続いて、村長にお尋ねします。

 今回の質問のきっかけは、先ほども言いましたが、ファクスが届いたことです。歴史に疎い私ですが、文化財の保護保全が必要なことは分かっています。交流館建設については計画の甘さを感じたので、疑問を呈してきた経緯があります。その私に匿名の方から交流館の在り方を心配する内容のファクスでした。最初、なぜ私にと少し意外でしたが、今回いろいろと勉強したことで視野が広がりました。

 さて、平成28年10月に村長は、サイン入りで「交流館は未来への投資です」というメッセージを出されています。そのとき、私はこの建物は村長の肝いりと受け止めました。当時12億円の予算について村長の説明では、交付金7億円の積立てがあるので村の持ち出しは5億円と言われていました。その後、施設の充実を図ったので建設費は18億円になり、村の持ち出しは5億から11億円とほぼ2倍です。これだけの経費をかけた建物です。ハイスペックな機能を十分に活用し、村民はじめ交流館を訪れる人たちが施設を建設した恩恵をしっかりと享受できるようにすることが、多額の税金を投入した事業に責任を果たすことになると考えます。村長はどのようにお考えでしょうか。

教育部長 お答えいたします。

 繰り返しとなりますが、教育委員会といたしましては、学芸員の育成とか資料の収集、調査、保存、特別展の実施などを行いまして、施設としての経験、実績を積み重ねて習熟度を高める努力をして公開承認施設を目指すということでございます。

 また、その学芸員などの中心となる存在として、おっしゃられたその人物を置くわけでございますけれども、文化財の収集、保存、展示など、あとは他館との連携とか協力などを総合的にマネジメントすると、マネジメントに関わる者が必要だというのは重要だというふうに考えております。

 また、そういうことを積み重ねていきまして、あらゆる世代が体験、学習、交流できるような郷土愛を育むというような交流館を目指して、今まさに活動の準備をしている、あと活動をしているものもございますけれども、活動の拠点ができるということでございますので、オープン後を見届けていただきたいというふうに考えております。

 あと交流館に関する、運営に関する委員会につきましては、交流館運営協議会として現在設置に向けて要綱の制定など手続を進めているところでございますので、今しばらくお待ちいただければと思います。

村長 お答えします。

 交流館の安定した運営を目指す中で、私自身が直接専門家の意見を聞きながら公開承認施設の申請に向けた準備は進めてまいりたいと考えています。

 現在、担当課で開館に向けて一生懸命準備をしております。コロナ禍ということですので、式典は前日の23日に行って、24日はオープニングセレモニー、ちょっと簡単にやりますけれども、その後8月31日までの約1か月間かけまして、分散型でいろいろな開館のイベントを実施していく予定でいます。開館記念特別展をはじめとして、自然や歴史を素材とした講座ですとか子ども向けの体験、さらには屋外広場で吹奏楽団の交流イベントなど、交流館の役割も体現したいというふうに思っています。

 多くの村民の皆様の期待に応えるためにも、まずは開館後の交流館の運営をしっかりやっていって、その先には公開承認施設を目指してまいりたいというふうに思っています。

◆答弁ありがとうございます。もともとの目的が小さくなっていたのかなという部分が、もともとというか、そこを感じたので質問させていただいております。

 交流館は子どもや青少年と博物館の複合施設ですが、博物館の組織体制の構築に、先ほど部長がおっしゃったようにまだ課題が残っていると思います。専門家からは、重要文化財が扱えるレベルまで学芸員を育てる体制こそが喫緊の課題と言われております。子どもたちといろいろなイベントをすることは、それでよろしいんですけれども、学芸員さんある程度でよろしいと思うんですけれども、やっぱり重要文化財を扱うということは、それだけの技術が要るということらしいです。確かにちょっと触るだけで壊れるようなものを扱うわけですから、それはスキルアップを図るとか、その程度のものではないということを伺いました。これからも専門家の助言が必要です。そのためには建設にご尽力いただいたお一人おひとりの専門家や学識経験者とのご縁を大切にし、これまで以上に真摯に向き合う姿勢が肝要と考えます。

 余談ですが、私が学生だった頃、もう半年も前ですね。歴史と言えば受験に向けて年号暗記が主だったので、それほど面白くなかったです。そんな私でも「イイクニつくろう鎌倉幕府」1192年は語呂がよいので覚えていたのですが、今は「イイハコつくろう鎌倉幕府」1185年と歴史が見直されたようです。歴史の見直しはいいですが、行政が「イイハコつくろう」と変わってしまっては、バブル時代に戻ってしまいます。行政と議会は「イイクニつくろう」で村政に取り組みたいと思います。

 3問目に入ります。

◆「生理の貧困」への対応についてです。

 「生理の貧困」とは、女性にとって生活の必需品である生理用品が満足に購入できないという隠れた貧困のことで、コロナ禍において顕在化した問題の一つです。これまで日本では、生理問題を話題にすることは恥ずかしいこととしてタブー視されがちでした。ほかの国でも同じような風潮がありますが、今、世界では「生理の貧困は社会的不平等である」という観点から様々な対応をとる国が増えています。フランスでは国レベルで取り組んでいるようです。生理とは、子どもを産むための大切な体の仕組みです。ですから、生理の貧困は女性だけの問題ではなく、社会の課題としてしっかり向き合わなければならない問題と考えます。女性議員が声を上げなければ見過ごされてしまうと考え、今回質問として取り上げました。

 質問は、まず1点は、村内における生理の貧困に関するような相談があったのか伺います。

 2点目は、去る4月19日に女性議員、大名議員と恵利です。2人で生理の貧困に関して村長に緊急要望いたしました。その要望にどのように取り組んでいただいているのか伺います。

福祉部長 お答えいたします。

 生理の貧困は、長引くコロナ禍で生活に困窮する家庭が増えたことにより、今年の春頃から全国的に顕在化してきた問題でございます。

 当事者が積極的に声を上げにくいという状況も相まって、本村における実態の把握はできておりませんが、これまでのところ生理用品が買えないなどの相談は受けておりません。

 次に、恵利議員及び大名議員から出された緊急要望への取組についてお答えいたします。

 要望内容は、生理用品の無償配布と公共施設への配備などでございますが、村といたしましては、まずは役場本庁舎内のトイレに生理用品を試験的に配備してまいります。また、生活に困窮して生理用品が購入できない方への配布につきましても、速やかに関係部署と調整をしてまいります。

 一方、防災備蓄品につきましては、生理用品をはじめ液体ミルクや紙おむつ等を福祉避難所等に配備しておりますが、物品等の使用期限が切れる前には適宜更新しております。

 なお、村社協においては新型コロナウイルスの影響で減収した世帯などを対象に、パントリー形式での食料品、日用品の配布を7月に実施する予定でございまして、その配布物に生理用品も新たに追加することになっております。

 先般、政府の男女共同参画会議において原案が取りまとめられました女性活躍・男女共同参画の重点方針2021におきましても、生理の貧困対策が盛り込まれておりますので、今後の国の動向につきましても注視してまいります。

◆これまでに本村においては生理の貧困に関する相談は受けてないことは分かりましたが、任意団体である「#みんなの生理」が行ったオンラインアンケートの調査では、5人に1人の若者が金銭的な理由で生理用品を購入するのに苦労したとの結果が出ています。アンケートには「古着を切って使うなど、ほかのもので代用している」、また「ネグレクトによる親などから買ってもらえない」「夫の無理解のため不快なまま使わざるを得ない」などの報告があります。やはり困っていても声を上げにくく、相談しにくかったところが大きいと考えます。

 そして、「1パック300円程度の生理用品が買えないのか」と経済的問題だけで見てしまうと、問題の矮小化にもつながる危険性があることが分かりました。

 さて、再質問は学校現場での生理の貧困についてお尋ねいたします。

 1点は、村内小中学校における児童生徒のこれまでの状況はいかがか。

 2点は、4月19日に教育長にも緊急要望を提出しました。そのとき、しっかりと受け止めていただけたと感じました。これまでにどのように取り組んだのか伺います。

 3点目です。性教育の大切さについてです。先ほども例に挙げましたが、生理の貧困には様々な問題が内在していることが分かりました。解決策としては単純ではありません。性差、個人差、自分の体を大切にすること、そして相手を思いやる心など、やはり基本的なところで教育が大事だと思います。どのようにお考えでしょうか。

教育長 お答えいたします。

 これまで村内の小中学校においては、開かれた保健室を目指し、困ったことや悩みがある児童生徒が養護教諭に気軽に相談できる体制を構築し、児童生徒の小さなサインを素早くキャッチできるようにしてまいりました。

 4月19日の緊急要望につきましては、5月6日に開催された学校長会の会議で対応の検討をお願いしたところ、生理の貧困の問題についてご理解いただくとともに、生理用品等をそろえることができない児童生徒に対する早急な支援をお約束いただきました。それを受けて具体的な対応について養護教諭部会で協議していただきました。その結果、トイレ個室への生理用品の配備や必要とする児童生徒への生理用ショーツの配布につきましては、児童生徒の実態や学校施設の状況、衛生上の問題を踏まえ、トイレ個室に「生理等で困ったことがあったら、いつでも声をかけてね」という養護教諭のメッセージステッカーを貼り、申出があった児童生徒に個別に対応するとともに、相談の機会を設けて実態の把握に努めることになりました。

 ただ、申し出ることができない児童生徒もいることが想定されるため、今後対応を再検討していくことも考えております。

 また、児童生徒の心や体の自己管理能力の育成を図るため、今後も養護教諭をはじめ教職員に気兼ねなく相談できる環境づくりを行ってまいりたいと考えております。

 性教育につきましては、小学校の体育科、中学校の保健体育科はもとより、家庭科、道徳科等の各教科、総合的な学習の時間、特別活動に関係内容があり、それらを関連づけながら、学校の教育活動全体を通じて男女一緒に指導を行っております。以前に比べると男子児童生徒においても生理についての理解が深まったと受け止めております。

 指導に当たっては、発達段階を踏まえること、保護者の理解を得ること、集団での指導と個別の指導の双方から指導に当たることを大切にしています。全ての児童生徒に対して人間尊重や男女平等の精神の徹底を図り、性に関する基礎的、基本的な内容を発達段階に即して正しく理解できるようにするとともに、今後の生活において直面する性に関する諸課題に対して、適切な意思決定や行動選択ができるよう指導してまいりたいと考えております。

◆学校現場で養護の先生はじめ先生方に気兼ねなく相談できる環境づくりは大切です。答弁にありましたようにメッセージカードを置いて相談しやすい雰囲気をつくり、養護の先生が個別に直接話す機会をつくることで、子どもの置かれた様々な状況に気づくこともあるでしょう。ぬくもりのある対応と思います。

 しかし、子どもの中には先生もおっしゃったように保健室へいけない子がいるかもしれません。そこで提案ですが、ぜひメッセージカードとともに生理用品の実物を置いて様子を見ていただけないでしょうか。役場庁舎ではそのような対応をされるようです。

 それから、トイレ個室への配備について衛生上の問題を心配されていますが、トイレットペーパーは随分前から個室に配備されていることから考えて、心配は少ないと思います。そういう実物を置くときに、先ほど福祉避難所等に配備している備品の入れ替えのときのそういうものをうまく使って、できるだけ困ることがないような配慮をしていただけたらと思います。

 質問は、村長にお尋ねします。

 4月19日は急な申入れに対し、村長室に教育長や教育部長も同席いただきました。ともに時間を取っていただき、ありがとうございました。生理の貧困問題については真剣に受け止めていただいていると思います。そのとき村長ご自身から「気にはなっていたが、男性として取り上げにくいところがあった」と率直な発言を聞き、ほっとしました。

 生理の貧困については、母親となる女性の体を大切にするという観点からも、本来、国が恒久的にサポートすべきであると私は考えますが、村長としてこの問題をどのようにお考えでしょうか。改めて伺います。

 また、高齢者等に対するおむつ配布のように、生理用品の無償配布など村として独自の支援策に取り組むことを提案します。いかがお考えでしょうか。

村長 お答えします。

 経済的な理由から生理用品を買えず、学校や仕事に行けなかったり、日常生活で不快な思いをしたりするのは、女性の尊厳や権利を守る上であってはならないことだというふうに考えています。

 現状、生理の貧困に関する問題は女性のデリケートな問題として、なかなか当事者が自ら声を上げにくく、対象者の把握が難しい状況でありますが、この問題に対する支援につきましては、国の動向は注視しますが、もう村として必要な支援策はしっかり考えてまいりたいというふうに思います。

 なお、現在も村民相談室において、女性に対する生活相談を行っておりますが、もし生活に困窮しているなど相談があった際には、村社協など必要な支援機関につなぐなど適切に対応してまいります。また、男女共同参画の観点からも女性に対する理解の促進などについてより一層詰めてまいりたいと考えています。

◆しっかりと受け止めていただき、ありがとうございます。村としては本当に早く、できるところから取り組んでいただけていると思います。それから村社協の取組にも感謝するところです。これまで可視化されにくいことが見え始めましたが、解決策は単純ではありませんが、取り組むべきことですので、よろしくお願いいたします。

 4問目の質問です。

◆「村民目線での行政が行われていない」との声がありますが、村長はどのように受けて止めておられるのでしょうか。

 東海村は住民が主役のまちづくりを進めるため、自治基本条例や「協働の指針」を住民とともにつくりました。また、村ホームページの山田村長のコーナーには、「住み続けたい村」を次世代に引き継ぐために、地域住民一体となり持続可能なまちづくりに取り組むとあります。

 しかし、先日の石神コミセンで行われた行政説明会の中で、「行政は村民のほうを見ていない」との住民の厳しい声がありました。地域においても住民から耳に入るのは「村が変わった」、行政が変わったということですね。「協働と言いながら進め方がおかしい」「住民不在ではないか」「資料請求をしたら担当課の都合の悪いところが黒塗りされていた」「住民の声をどのように受け止めているのか」「住民不在で合理化とスピードが優先されている」などの残念な言葉が聞かれます。これら住民の声は、人それぞれの受け取り方があるので、批判的な声ばかりではないでしょう。しかし、このような言葉が地域でささやかれるのは、やはり行政と住民の協働において何かが違ってきたためと考えます。

 先日の石神コミセンで行われた説明会の中でも、村長をはじめ全員の前であのような言葉が出たことは、ご年配の方からですね。あの場は幼稚園の再編についての説明会でしたので、深い思いがおありだったと想像しますが、あの言葉を行政のトップとしてどのように受け止めましたか。また、どこに問題があると思われますか。お尋ねいたします。

村長 4月に石神コミセンで行われた幼稚園再編に関する意見交換会において、「村は地域住民の意向を全く考えていない」という厳しいご意見を頂きました。私が村長に就任して以降、様々な事業見直しを行ってまいりましたので、批判的な声が出ていることは承知しています。しかしながら、村政運営全体に責任を持つ立場としましては、常に社会の変化等を踏まえながら、事業の在り方や財源の確保等について不断の検証をしていかなければならないとも考えています。

 また、自治基本条例につきましては、私自身が副村長のときに携わっておりましたので、その理念や重要性については理解するところであります。その中で村民との情報共有や村民への説明責任というところが明記されておりますが、そういう点において必ずしもその進め方が十分ではなかったかなと反省している部分もございます。今後は村民への情報提供や対話を通した幅広いご意見の聴取など村民の皆様に対しまして村政へのご理解や信頼を得られるよう丁寧に取り組んでまいりたいと考えております。

◆厳しい声が出ているということを村長も受け止めているというところです。「村長はどこを見ているのか」って、「住民なのか。国や県なのか」という声もあります。村長がどちらを見ているかによって、それが職員にも伝わり、職員さんもどっちを見るというか、村長のほう見るのか、住民のほう見てくれるのか、その辺が変わってくるのかなって思いますので、ぜひその辺もう一度しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 村政に関わっていきたい人、関心が高い人ほど、何か変わっているんじゃないかなとかというものを感じ取っているのかと思います。

 昨日の質問に対して、村長は9月に村長選再度、3度目チャレンジされると伺いました。最大会派の支援を、しっかり最大会派が支援すると言われてしまいましたが、そのようにおっしゃられましたが、その最大会派に支えられているというところで安心してしまわないで、住民はいろいろな人がいるというところで、しっかりと村政にこれからも取り組んでいただきたいと思います。

 再質問は、3期目に挑戦される山田村長の政治理念について改めてここでお聞かせください。

村長 政治理念はいろいろありますけれども、今日、今のご質問でやっぱり住民の意見にどれだけ耳を傾けるかというところが問われているんだというふうに思います。私、最初に出たときに、きちんと住民の意見を聞いて、原子力問題とかいろいろありましたので、きちんと住民の意見を聞いて村政運営をしていきたいということを申し上げましたが、2期8年たちまして、また改めて原点に立ち返って、そこはきちんとやっていきたいというふうに思っています。

 就任当初、地域へ出向いて直接意見を聞くということはやってきました。やっていく中で地域の方々に一つ一つの声を聞くことと、あと村政全体でいろいろな方針を決めること、ここが必ずしも一致しない場合がありますので、そういう場合だからこそ、より丁寧な説明が必要だと思いますので、これは議会に対しての説明もそうですが、改めてそういうところをしっかりやっていきたいなというふうに思っています。

◆8年前、村長は誰もほかに村内から出る人がいないときに名乗りを上げていただいたところに私は常に感謝しております。村長ご自身もいろいろ努力されているところは感じるところですけれども、そこがうまくかみ合ってないのか何かがあるのかなというところもあるので、ぜひこれからも先ほどのしっかりと村民のほうを向いてやっていくということをお願いしたいと思います。

 首長と議会は車の両輪です。一歩離れて二歩離れず、そのスタンスで私もこれから村政に議員として取り組んでいきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上で終わります。