◆光風会、恵利いつです。山田村政3期目のトップバッターの質問者になります。
まず初めに、山田村長、3期目のご当選おめでとうございます。
私は6月議会で山田村長の政治理念について質問いたしました。そのときのお答は住民の声にどれだけ耳を傾けることかということ、そして丁寧な説明を行うことが必要と改めて思うというものでした。
山田村政3期目は、東海第二原発再稼働の判断を迫られる大変なかじ取りになると想像します。私たち住民が安心して生活できる東海村とするために、山田村長には政治理念に沿った村政運営をしっかりと取っていただくようにお願いいたします。私は、これからも東海第二原発再稼働問題はじめ村民の声をしっかりと届けさせていただきます。よろしくお願いいたします。
では、1問目の質問に入ります。
世界的な潮流であるデジタル化、そこに加えてコロナ禍もあり、非接触などの新しい生活様式への転換が進んでいますが、その政策の一つとして、5月から6月の2か月間にわたって、キャッシュレス決済ポイント還元事業が実施されました。その事業を終えて、今どのように評価しているかです。
この事業の実施に先立ち、私は3月議会で質問しましたが、そのとき感じたことは、事前の調査不足であり、加えて準備不足ということでした。住民の中でどのくらいの人がPayPay決済を利用しているかも分からないままに、当初予算3,573万5,000円で事業はスタートしました。そして、想定を上回るポイント還元が見込まれるとのことから、8月の臨時議会において、追加で2,196万4,000円が増額補正されました。当初予算の1.6倍になったわけですが、この事業をどのように評価、分析されているか、まずお伺いいたします。
産業部長 お答えいたします。
本年5月から6月の2か月間にわたり実施したキャッシュレス決済ポイント還元事業につきましては、3つの目的、「キャッシュレス決済の推進」、「消費喚起による事業者支援」、「消費者への生活支援」を達成できたと評価しております。
まず、1つ目の「キャッシュレス決済の推進」についてですが、キャンペーン周知前と比較し、約80のキャッシュレス決済を利用できる店舗が増加し、キャンペーン参加事業者は159事業者となりました。また、利用者向け説明会の参加者18名に対するアプリダウンロード及び利用法のサポートに加え、窓口でのサポート等も2か月間実施したほか、利用方法の紹介動画をホームページ等に掲載するなど、初めて利用される方向けのサポート対応も丁寧に実施いたしました。
2つ目の消費喚起による事業者支援については、ポイント還元額が約5,700万円分となっており、消費活性化の効果は約2億7,000万円となっております。参加事業者からは「コロナ禍で来客が遠のいていたところ、非常に助かった」とのご意見をたくさん頂戴したところでございます。
3つ目の消費者への生活支援につきましても、先のポイント還元額のとおり、多くの方への支援につながったと考えております。
消費喚起策としましては、今回の還元事業や割引キャンペーン、プレミアム商品券と様々な選択肢がございますが、事業者の業種や規模等により一長一短あると、過去の実績も踏まえて分析しております。
しかしながら、今回のキャッシュレスによる還元事業については、非接触により感染症予防を図りながら事業者支援を行うことができたと思っております。
◆事業者支援、生活者支援、そして新しい生活様式のきっかけづくりと、それぞれに効果があったことは地域の方々の声からも聞こえるところですが、答弁からは百点の事業評価に聞こえました。確かに買い物客が増えたことは事実です。その視点で言えば、事業が成功したと言えるでしょう。
しかし、利用者が多くて還元するポイント、お金ですね、が予定したより大幅に増えたことにより、予算が足りなくなったので補正を組みますという今回の状況をそのまま受け入れては、青天井の事業を黙認することになりますので、もう少し分析が必要かと考え、再質問いたします。
質問の1点は、全体を通して課題や反省点はないのか。
2点目は、消費活性化の効果が2億7,000万円との報告ですが、この数字は、この事業がなかったときをゼロとした純粋な消費の伸びなのか。それとも、単純に3割分のポイント5,700万円に、残りの7割分を足した数字なのか。そうであるなら、その数字がそのまま消費活性化の効果と言えるのか疑問符がつきますが、いかがでしょうか。
産業部長 お答えいたします。
キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施に際しましては、村内におけるスマートフォン普及状況やアプリ加盟店の状況、他自治体でのポイント還元実績を踏まえた上で、予算計上いたしましたが、想定を超える利用実績となったことには、うれしい反面、結果的にはポイント還元額の予算見積りが過少であったことについては反省すべき点でもあると考えております。
また、現在では予算に達し次第、途中終了とする契約条件での実施も可能となったようですが、事業実施当時は期間中の途中終了がない前提でございました。
約2億7,000万円の数字の捉え方につきましては、決済金額が約2億2,000万円に、この事業の特徴であるポイント還元額分の約5,000万円を加えまして、計約2億7,000万円分の金額が動くことにより、相応の事業者支援及び消費の活性化の効果があったものと捉えております。
なお、経済効果としての算出金額ではございません。
◆今の答えから、契約当時は予算オーバーしても途中終了する条件がなかったことが分かりました。ただ、事前の調査を説明のときあまりしてないなというのを感じたんですけれども、その状況で取り組んでいるので、村内住民にどの程度のポイント還元がされたのかもつかめません。今回、当初予算をオーバーした金額が約2,200万円で済みましたが、1億とか、もっと大げさに言えば2億とかのポイント還元が必要になったかもしれません。近隣の自治体に住んでいる人がポイント還元を目当てに大勢来れば、あり得ることです。コロナ禍ということでスピード感を持った支援を進められたのでしょうが、税金を投入するからには、やはり青天井の事業にならないように慎重に取り組むことが必要だったと思います。
次の質問に移ります。
◆教育現場におけるタブレット活用の状況と見えてきた課題についてお伺いいたします。
児童生徒1人に1台のタブレットを用意して教育のデジタル化を目指すGIGAスクール構想は、コロナ禍により加速しました。タブレットの配布、活用が急速に進む一方で、児童生徒に渡されたタブレットがいじめにつながるなどのひずみも生じていると報道で聞きました。スマホを使ったネット上のいじめは以前から問題になっていますが、学校から配布されたタブレット端末がいじめに使われるということに、デジタル化に取り残されないように努力している私としては驚くばかりです。子どもたちは大人が想像するよりも、はるかに簡単にデジタル化になじんでいるように感じました。
さて、新型コロナの第5波はようやく落ち着いてきましたが、収束の見通しは立っていません。緊急事態宣言は解除されたとはいえ、これから冬に向けて第6波が予想されますが、今後のオンライン授業に備えて、タブレットの適切で有効な活用が求められます。
そこで質問は、教育現場におけるタブレット導入後の活用状況と、見えてきた問題点についてお伺いいたします。
教育長 お答えいたします。
初めに、タブレット導入後の活用状況についてでございますが、今年度4月から各学校で本格的に授業等での活用が始まり、夏休み前半には持ち帰りが行われ、家庭学習でも使われるようになりました。そして、今回の臨時休業期間中において、自宅での学習等を進めるためのなくてはならない道具として、その活用が急速に進みました。学校から提示された学習課題を基に、双方向でのオンライン学習やデジタル教科書を取り入れた学習、県の教育委員会が作成した授業動画の視聴など、子どもたちの学びを止めないための学習支援に活用されるとともに、全員参加の朝の会や帰りの会、個別の相談など子どもたちの状況把握や心のケアを行うための道具としても有効性を発揮してまいりました。
次に、情報モラルの視点から考えるタブレットの管理体制についてでございますが、現時点ではタブレットを介してのトラブル等の報告はございません。しかし、子どもたちにとってタブレットがより身近な道具となりつつある今、活用のルールやそこにはらむ危険性等について改めて指導していかなければならないと考えております。
既にタブレットを使ってSNS機能を使用することができないように教育委員会で制限をかけておりますが、個人IDやパスワードの管理については、引き続きガイドラインを基に児童生徒への指導と保護者への周知を徹底し、子どもたちが高い危機意識と人権尊重の意識を持って正しく使うことができるよう情報モラルの充実を図ってまいりたいと思います。
今後は、学校と教育委員会で組織されるGIGAスクール構想推進プロジェクトチーム会議においても、各学校の管理状況を確認するとともに、考えられる課題や問題点を洗い出し、その対応策を講じてまいりたいと思います。
◆詳しくありがとうございます。加えて、ちょっと答弁にありました情報モラルの充実について、もう少し詳しくお尋ねさせていただきます。
タブレットは、コロナ禍が収まったとしても、これからの自宅学習を進める有効な道具になるということは今お答えいただきましたけれども、私もそう思います。また、教室になかなか通えない、いわゆる不登校のお子さんにとっても、オンラインでクラスメートとつながったり、先生とつながることは、どこかのタイミングで登校へのきっかけになればなと期待するところもあります。
しかし、一方で学校や指導する先生方が危険性をどの程度認識し、子どもたちへの指導ができているかが問われています。情報モラルをはじめ、情報を読み解き、活用するICTリテラシー、またタブレットやスマホの適切な管理や使い方についての基本的な部分など、しっかりとした指導をお願いいたします。同時に、学校における管理体制も求められます。いかがお考えでしょうか。
教育長 お答えいたします。
情報モラル教育を進めるに当たっては、子どもたち自身が互いを思いやる心を基盤としながら、ICT機器を正しく適切に利用するための情報活用能力を育成していくことが重要であると考えております。
今年度、村内の各小中学校では、学級活動や道徳の時間等でネットに潜む危険や安全な使い方、写真や個人情報の取扱い、適切なコミュニケーションの取り方について映像教材や事例などを活用しながら、子どもたち自身が自分ごととして考えられるような情報モラルに関する指導を継続して行ってまいりました。
また、教職員には、SNS関連のトラブルや情報管理に関する研修を行うとともに、保護者に対しては、保護者懇談会等で村の消費生活センターが作成しているリーフレットを活用して、様々なネットトラブルに対する注意喚起を行ったり、ガイドラインを活用して家庭でのルールについて周知してまいりました。
学校配布のタブレットに関するセキュリティーについては、先ほど答弁したとおりですが、その扱い方については、今後も子どもたちが自分の持ち物という意識を持って大切に扱っていくよう指導してまいります。
また、教職員にはICT機器の機能やそれを利用した情報処理、コミュニケーションについて正しい知識、理解を深めるための研修を一層進めていくよう努めてまいります。
◆子どもたちの学習面での活用方法ばかりに私の目は向いていましたが、先生方には学習に有効なことと同じくらいに危険性をしっかりと認識していただき、いじめの温床にならないようご指導よろしくお願いいたします。
続いて、3問目に入ります。
◆3問目は、通学路安全対策と歩行者に優しい道づくりに対する村の取組状況についてお尋ねします。
交通事故から身を守るためには、児童生徒一人ひとりが安全を確保できるように気をつけることが大切ではあります。そのために、家庭において、また学校において通学安全教育は大切です。しかし、それだけでは防げない状況があります。
6月28日、千葉県八街市で下校途中の小学生の列にトラックが突っ込む痛ましい交通事故が起きました。残念なことですが、このような事故はこれまでにも起きております。国は今回の事故を受けて、危険な箇所を抽出して安全対策を講じるように改めて自治体等に通知したとのことです。県内でも交通事故から子どもを守るため、これまでにも様々な通学路の安全対策が進められてきたとは思いますが、今年3月末時点で事故の危険性があるとして対策が必要な通学路は約1,200か所残っているとの報道がありました。
そこで質問は、東海村内の通学路の現状と安全対策についてお尋ねします。
安全対策が必要とされる県内1,200か所の中に東海村の通学路も含まれているのか。そして、含まれているのであれば対策未完了は何か所残っているのか伺います。
教育部長 お答えいたします。
本村では平成24年度から各小中学校、役場関係各課、所轄のひたちなか警察署交通課等の機関と連携いたしまして、東海村通学路交通安全プログラムに基づく点検を実施しております。これまでの点検で危険箇所として208か所が確認されておりまして、令和3年3月31日の時点で対策が未完了の60か所を関係機関に報告したところでございます。
◆答弁から、今年3月末時点において東海村内にも安全対策未完了が60か所残っていることが分かりました。これまでにも、そして現在進行形で対策は順次行われているのでしょうが、県内44市町村で1,200か所残っている。これを単純に計算すると、平均すると1つの自治体で30か所弱になりますが、東海村の対策未完了の60か所は多いと思います。
そこで、この数字をどのように見るかですが、1つは、単に安全対策のやり残しが多い自治体なのか、または安全への意識が高く、厳しくチェックしたために対策未完了としているのか、そのどちちかで60か所の数字の見方も違ってきます。後者であることを願います。
そこで質問は、なぜこれまでに改善できていないのか、また今進めている安全対策の状況についてお尋ねします。
もう1点、安全対策という点で未完了の60か所の一つに含まれているのかもしれませんが、自宅近くに特に気になる交差点があります。それは、勝木田下の内線を村松小学校に通う子どもたちが横切る横断歩道です。108階段を通る通学路です。ここには教育長さんも立哨に立っていただいていること、この間お会いしました。朝の通学時には立哨指導があり、車にも分かりやすいのですが、帰りの横断が心配です。車にとっては快適な道路なので、スピードも出ています。勝木田下の内線を通学路が横切る横断歩道の安全対策について、どのようにお考えでしょうか。
以上3点お伺いいたします。
教育部長 お答えいたします。
1点目の60か所の対策状況でございますが、既に危険を解消したもの、続きまして、対応を決定して対策工事を行っているもの、交通規制など対策を講じているものなど危険箇所の解消に向けて計画的に対策を講じているところでございます。
早急な改善が困難な場所におきましては、継続的に児童生徒に注意喚起をするとともに、立哨指導を実施するなど児童生徒の安全確保に努めているところでございます。
一方で、通学路への樹木の張り出しの改善や信号機の設置要望など地域の方々のご協力や関係機関への働きかけなどが必要でございますので、これについては連携して対策を講じてまいりたいと考えております。
2点目の安全対策の状況でございますが、合同点検の結果を基にいたしまして、交通量の多い道路や暗がりとなる道路がありましたので、パトロールを強化したことや通学に応じたグリーンベルトの引き直しを行ったところでございます。
3点目の勝木田下の内線を横断する場所についてでございますが、当該箇所は平成29年と今年度の点検の結果でも、安全に横断するための対策を講じる必要がある箇所として、ひたちなか警察署へ押しボタン式の信号設置を要望したところでございます。
信号機が設置されるまでの期間につきましては、引き続き立哨指導を行うとともに、ドライバーへの注意喚起に有効な対策を検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
◆勝木田下の内線のところの横断歩道ですが、最近「この先横断者に注意」と書かれた白い看板が設置されました。多分地域からの要望で、すぐに対応していただいたのかと思います。ありがとうございます。
その場所は横断歩道の直前10メートルから20メートルで、高いところにつけてあるので、やや分かりにくいようです。あのあたりを通る人に、ちょっと何人かに聞いたけれども、あれっという感じでしたので、分かりにくいのかなと思います。
信号機の早期の設置を望みますが、それが一番ですけれども、それまでの安全対策として、視点の低いところにも、もう少し派手な注意喚起があってもいいのかなと思います。ぜひご検討ください。
その近くの旧道と勝木田下の内線が交わるところ、あそこも最初は止まれの看板だけだったんですけれども、切り替わった日、優先道路の方角が切り替わった日に、しばらく見ていたら、とても危険だったんですね。止まれの看板ができたから車は止まるというものではなくて、つい今までの習慣で止まれを見えずに無視ですね、通り抜ける人もいて、よく事故が起きなかったなというところに、行政のほうにそのことをお伝えしたら、派手な看板をしっかりとつけていただいた経緯があります。今もその部分は黄色い看板が立っておりますので、皆さん注意して優先道路がどっちなのかということがだんだんに浸透してきたのかなと思いますので、横断歩道のところにも、もう少し黄色か何かの看板があってもいいのかなというのが自分の感想です。
それに加えて、また未完了箇所については、安全確保に努めつつ、できるだけ早期の改善をお願いいたします。
さて、私の経験を少しお話しさせていただいて、再々質問いたします。
今から15年くらい前になりますが、みちづくり塾という市民と行政が一緒になって歩行者に優しい道づくりを考える活動に参加していました。歩道を確保するために、車道を狭めたり、生活道路への進入と通り抜け防止のために中央分離帯をふさいだり、ハンプや狭窄などを設置する社会実験をしたり、歩行者の憩いの場となるように花を植えたりするなど一定の成果を残し、数年後に活動は終わりました。
その頃は車中心から人を中心とした道づくり、まちづくりが進められてきたかと思います。最近その考えが薄れてきたように感じます。人に優しい道づくりへの取組状況と安全確保について改めてお考えを伺います。
建設部長 お答えいたします。
本村の道路行政は、平成15年に発足いたしましたみちづくり塾をきっかけに、人に優しい道づくりを村民と行政がともに学び、地域のことは地域と一緒に行うことを理想としまして、平成24年に東海村みちづくり基本計画を策定、平成26年に地区自治会ごとにみちづくり検討委員会を立ち上げました。しかし、委員の高齢化や負担の声が上がったことから、検討委員会の継続が難しい状況となっております。
現在の活動は、協働のみち事業として予算化、有志の方々に花の種などを提供し、道路の沿道景観の向上に努めております。
また、老朽化した橋梁や道路舗装の更新工事を計画的に進めるなど、道路機能の維持が課題となっております。地域や自治会からの要望に関しましても、道路の傷みや除草に関するものが多く、当面は地域の安全確保を最優先に予防保全を図ってまいります。
◆今みちづくり塾をしていた頃と比べると、確かに65歳定年など社会状況は変わってきています。自治会活動やボランティアの高齢化、後継者不足などありますが、そのような状況にあっても、住民と行政が関わり合うことが地域の愛着を育むと考えます。
以前のみちづくり塾では、地域をよくしたいという思いから集まった住民と行政が一緒になって道路を見て回り、車椅子に乗り、段差を経験し、目の不自由な白杖を持った方と一緒に歩いて課題を見つけ出したりなどしたことがあり、住民の学びにつながりました。そして、住民と行政の距離を縮めたと思います。住民と職員との関わり合いは、道づくりに限ったことではありません。いろいろな政策がありますが、担当する職員にとっては、住民を巻き込むことでご苦労が増えることもあるかもしれませんが、顔の見える関係になれば住民の力が集まります。3期目の山田村長には、住民の力を引き出せるような村政運営を期待いたします。
以上で質問終わります。