◆光風会、恵利いつです。通告に従い、質問させていただきます。
1問目の質問です。
岸田首相の核燃料サイクルへの間違った認識について、村長はどのようにお考えか伺います。9月に行われた自民党総裁選において、岸田首相から核燃サイクルについて耳を疑う発言がありました。それは核燃サイクルを止めるとプルトニウムがどんどん積み上がってしまうという間違ったものでした。日本の総理大臣になろうとしている人から、これほど堂々と発言されると、一瞬うろたえました。
プルトニウムが増えるのは使用済み燃料を再処理して、わざわざ取り出しているから増えるのであって、再処理しなければプルトニウムがどんどん積み上がることはありません。日本が使用済み燃料を再処理してこれまでに取り出したプルトニウムは、海外に委託した分も含めて46トンもあります。余剰プルトニウムが増えることに対して、海外からは、日本が核兵器をつくろうとしているのではないかと懸念の声が出ているようです。日本をリードする立場になろうとしている人の原子力への認識がこの程度なのか、そしてこのように間違った認識の中で原子力政策を決めているのかと愕然としました。
さて、今、日本原電の東海第二原発では、安全性向上対策工事として再稼働に向けた準備を着実に進めています。1年を待たないうちに東海村は燃料装荷の判断を迫られると考えます。再稼働すれば使用済み燃料が出ますが、廃棄物の処分について正しい知識を持たずに原子力政策を判断することがあってはなりません。
岸田首相の発言について、原子力発祥の地であり、原発立地自治体である東海村の首長としてどのようにお考えでしょうか。また、国は核燃料サイクルを進めようとしていますが、どう見ても核燃サイクルは行き詰っています。村長の核燃料サイクル放射性廃棄物についての認識を改めて伺います。
村長 お答えします。
まず、先の岸田総理のご発言については、一部の報道で取り上げられたことは承知しておりますが、コメントする立場にありませんし、私のほうから何か申し上げる考えもございません。
次に、核燃料サイクル放射性廃棄物についてですが、先に政府において閣議決定された第6次エネルギー基本計画の下、高レベル放射性廃棄物に関しては国が前面に立って最終処分に向けた取組を進めること、その過程で使用済み燃料を安全に管理することは核燃料サイクルの重要なプロセスであり、併せて放射性廃棄物の減容化、有害度低減などの技術開発を進めようとしていること、一方で低レベル放射性廃棄物に関しては発生者責任の原則の下、原子力事業者等が処分場確保に向けた取組を進めることを基本としつつ、国としては必要な研究開発の推進、安全確保のための取組が進められていくものと、そのように認識しております。
◆東海村には原発もあるし、そしてサイクル研究所もある。そこの山田村長は村長です。その誤認発言についてコメントする立場にありませんと言われるけれども、そういうお立場にあるのに、今の答弁はちょっと残念です。原子力発祥の地、東海村村長として、矜持を持って岸田首相に進言あるいは抗議をしていただきたいと私は思いました。山田村長がコメントしなくて、誰がコメントするんでしょう。
原発を再稼働すれば行き場の決まらない使用済み燃料が増えます。30キロ圏内に94万人住んでいるなど、様々な意味で日本中から注目されている東海村です。そして、東海第二原発の再稼働問題です。その現場にある東海村の村長の判断は、日本の首相と同じくらいインパクトのある責任の重い判断であると私は考えます。それほどの立場で再稼働是非の判断が求められますが、山田村長にその自覚はおありでしょうか。
村長 お答えします。
私、東海村長として、そして立地自治体の長として重大な使命があり、しっかりと重責を果たしてまいりたいと、常々そういうふうに考えております。
◆常々しっかりと考えているというところで、よろしくお願いいたします。
質問は部長と村長にお伺いいたします。
まず、部長にお尋ねします。サイクル研にある高レベル廃液のガラス固化がなかなか進まないようです。危険な液体の状態よりも、早くガラス固化にしてほしいですが、10月にもまた作業が止まりました。今後、ガラス固化作業が全て順調に進んだとしても、これまでの保管能力420本には収まらないと聞いています。現状と今後の見通しをお尋ねします。
また、日本原子力産業協会ホームページには、現行の保管能力420本を630本に増強するとありました。そのことについての確認、了承なのか、確認は村と機構の間で行われているのか、部長にお尋ねいたします。
次に、村長への質問です。ガラス固化により、高レベル放射性廃棄物が液体のときより安定したとはいえ、サイクル研の敷地内のほぼ地表で保管することになります。最終処分場はまだ決まっていません。今、文献調査をしている自治体がありますが、仮にそこに決まったとしても、実際に東海村から運び出すには、まだ何十年も先のことです。埋設地が決まらなければ、東海村にずっと留め置くことになりかねません。
そこで、質問の1点は、ガラス固化したものが天然ウラン程度の放射能レベルになるまでにどのくらいの期間がかかると認識されていますか。
2点目は、ガラス固化した後、サイクル研の敷地内に留め置かざるを得ない、それもほぼ地面レベルですね。フィンランドのオンカロのように地下450メートルの深さではありません。そのような地表レベル、地面レベルに保管する状況をどのように考えるか。
3点目です。高レベル放射性廃棄物を大量に村内に保管していることに関して、国へ働きかけをしているのか、働きかけをしているのであれば、いつ頃どのような答えをもらっているのかお尋ねいたします。
村民生活部長 お答えします。
核燃料サイクル工学研究所における高放射性廃液の保管量は、今年9月末現在で341立米となっており、このガラス固化体処理につきましては、報道等でご承知のとおり、今年9月に溶融炉の主電極間抵抗値が、炉底部への白金族元素の堆積状態を管理する指標として設定された管理指標値まで低下したことから、その運転を停止しております。
今後の見通しということですが、同研究所によりますと、今回のキャンペーンまでに329本のガラス固化体が製造されており、次回の運転に向けて炉底部に確認された残留したガラスの除去作業を行った上で、来年度第1四半期には溶融炉の熱上げを開始したいとのことであり、一方ではガラス固化技術開発施設における保管セルのガラス固化体の保管能力を6段積み420本から9段積み630本に増強することのほか、いわゆる12.5年計画の検討や来年1月頃からは3号溶融炉の築炉を開始する計画を進めていくと聞いております。
村長 お答えします。
高レベル放射性廃棄物につきましては、将来世代の負担軽減のためにも国が前面に立ってその問題解決に取り組むことが望まれますが、国民や地域の理解協力も必要であり、そのプロセスには相応の長い期間を要するものと思っています。
ガラス固化体については、その放射能は数万年後には天然ウラン鉱石と同程度にまで減衰するとされております。また、海外での先行事例ではあるとはいえ、技術的信頼性に関する評価については、まだ国民に十分に共有されてない状況があるとも感じておりますので、国内唯一の原子力研究開発機関であるJAEA等の関係機関による総合的、計画的な技術開発を着実に進めていくことも極めて重要だと考えております。
このような私の思いは、JAEAをはじめ数多くの原子力施設を有する東海村の村長として、機会あるごとに政府関係者、関係省庁、関係機関に伝えており、真摯に受け止めていただいていると認識しております。
◆部長の最後の「聞いております」、630本に増強することが云々を「聞いております」というご答弁から、まだ村と機構の間で、それについての了承は得られてないのかなと思いました。
村長の答弁の最後の分ですね。私は具体的にどういうことを国が言ってくれているのかなというところをお尋ねしたかったんですけれども、ちょっと漠然としたお答えだったかなと思います。今、村長が答えられたように高レベル放射性廃棄物の放射能が自然界のレベルまで下がるのには数万年かかるわけです。それを短くする核変換研究や高速増殖炉で繰り返し使う方法などは言われていますが、膨大な費用や技術的な難しさもあり、まだ実現が見通せない状況にあって、岸田首相の使用済み燃料の処理300年程度と発言されたのは、あたかもそんな短い期間で安全なんだみたいな思いを国民に抱かせますので、私としてはミスリードだと考えます。
小泉純一郎元首相は、在任中を振り返り、「日本にとって原発は必要だと思っていた。日本の原発は安全でコストが安い。原発はクリーンエネルギーだと経産省から言われて、頭から信じてしまった。だまされてしまった」と語られています。小泉さんが語られたように岸田さんも、もしかしたら何かだまされたのかもしれないなと思いました。しかし、3・11を経験した今、「だまされた」では済みません。だから、かつて原発推進派だった小泉純一郎元首相は、精力的に原発ゼロを訴えておられるのだと私は考えます。
次の質問に入ります。
◆2問目は、開館から4か月、交流館の活動状況と今後の取組についてお尋ねいたします。
歴史と未来の交流館について何度も質問してきましたが、7月に開館したので、今後の活動を見守っていきたいと思っていたところです。しかし、9月議会で交流館の電気量増額の補正予算が組まれ、その額にちょっと驚きました。現在、私は特別会計の委員なので、一般会計の委員会の場で質問することができませんでした。そこで、今回改めて質問させていただきます。
交流館の電気料として令和3年度当初予算1,012万円に加えて、補正で392万円が計上されました。合計すると1,404万円になります。この金額は令和2年度の議会棟を含む役場庁舎全体の電気料1,525万円に近く、また東海中学校と東海南中学校の2校を合わせた電気料1,121万円よりも約300万円も高いです。
そこで、3点質問いたします。
1点は、電気料が当初予算の4倍強となったのはなぜですか。
2点目です。開館から4か月経過しましたが、これまでの活動状況をどのように捉えていますか。開館後の入館者の推移の資料ありがとうございます。
今後の取組の課題として見えてきたことはどのようなことでしょうか。
以上、3点お尋ねいたします。
教育部長 お答えいたします。
電気料金の当初予算を積算するに当たっては、開館の初年度のため、過去の実績がないことから、館に整備いたしました空調機器や照明機器などから想定される稼働電力を推計いたしまして、年間電気量を算出して予算計上を行いました。
まず、1点目のご質問の電気料金が増加することとなった理由でございますが、7月24日に開館し、運営した中で、新型コロナウイルス感染症予防として館内を定期的に換気したこと、イベントや事業を館内で分散実施したことで空調効率の低下を補うための運転を行ったことから、実績が想定を上回りまして、年間の電気料に不足が生じまして、増額補正したところでございます。
2点目のこれまでの活動状況ということでございますが、7月24日の開館から夏休み期間中をオープニングイベント期間といたしまして、特別展のほか吹奏楽の演奏会、工作、体験講座など45のプログラムを実施いたしまして、コロナの影響で臨時休館するまでの21日間の間で約7,600名以上の方にご来館いただいたところでございます。それからは約1か月半臨時休業となりましたが、10月の再開後も土曜日、日曜日を中心に多くの来館がありまして、提出資料にもありますとおり、11月末までの開館74日間で延べ1万5,088人もの方々にご来館いただきました。
10月からは、交流館の基幹事業であるとうかいまるごと博物館事業、とうかい子どもキャンパス事業、さらには交流館と各小中学校が連携して共同学習を行うジョイント事業を本格的に始動いたしまして、また団体見学も受け付けを開始したところでございます。これまでに、まるごと博物館事業や子どもキャンパス事業については約30の講座を実施いたしまして、団体利用や見学で15団体、小学校と延べ10回の連携事業を行ってきております。さらには、商工会青年部のイルミネーション交流広場を会場に、先日開催いたしましたやったん祭では、約1,200人を超える参加があるなど、交流イベントでも多くの方々ににぎわいを見せております。
交流館は単一の博物館ではなく、「見る、触れる、体験する、交流する」をキーワードに活動する施設でございます。スタッフ一丸となって、これを実践したことにより、特に子どもたちの来館が多いほか、ベビーカーの親子連れや高齢者の方々まで広範囲な世代に楽しんでいただいております。改めまして、拠点施設の必要性、まちづくり、人づくりに果たす役割の重要性を肌で感じているところでございます。
最後に、3点目の今後の取組の課題についてでございますが、交流館の職員は行政事務に加えて、ただいま答弁いたしましたとおり、様々な事業に取り組んでおります。このため、施設運営に安定化に向けた効率的な事業推進と行政事務執行の両立が課題と捉えておりますが、職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
◆今、答弁ありがとうございます。そのときに私、質問のときに言い間違えたみたいで、電気料が当初予算の4倍と言ったのかな、4割増でしたね。でも、お答えはちゃんと4割増でお答えいただきました。ありがとうございます。
では、再質問させていただきます。
お答えから大勢の方が利用されているなということが分かりました。外から見るより、いろいろな方が来館されているということですね。それで、会議室の利用者も、その後に展示物など見て帰られたことだと思います。今後、貸部屋事業になってはいけませんので、展示館のリピーターになっていただけるように、これからの企画に期待いたします。
電気料が当初予定していたより4割高くなったのは、建設時の見込みの甘さではなく、コロナの影響が大きいという答弁と理解いたしました。
再質問です。博物館機能を併設している建物なので、電気料が一般の施設よりかかることは想像しますが、これから先70年間、これは公共施設等総合管理計画で公共施設をそのように使っていくという建物ですね。多くの住民に喜ばれる施設であることが第一ですが、ランニングコストがかかり過ぎる建物では今後の負担が大きくなります。効率的な適正な電気使用のために工夫している点はあるのか伺います。
教育部長 お答えいたします。
交流館は議員もご承知のとおり文化財の展示や収蔵を行う機能を備えておりますので、文化財の適切な保存のため、温度、湿度を一定に保つ空調機器の運転や24時間の空調機器の継続運転を行うことから、電気料金低減の工夫といたしまして、展示室や収蔵庫ごとに空調方式を変えるなど収蔵資料に合わせた無駄のない設備機器を選定いたしまして、効率的な電気の使用ができるように整備をしたところでございます。
これらの機器を運用する面におきましては、日常的に未使用の部屋は電気機器や空調機器の運転をオフにしたりするなどして、室温調整を小まめに行うなどの対応をしております。
◆いろいろ工夫されていることは分かりました。しかし、最新式の設備なのに、これほど電気が必要なのかと、やはり疑問が残りました。交流館1平米当たり計算すると約5,000円、この電気料は妥当なのかという思いです。
質問は2点あります。
1点は、これまで旧はまざくや旧中央公民館に保管していたものを含め、現在の交流館に24時間空調管理しなければならないほどの所蔵品があるのか、それはどのような文化財なのかお尋ねします。
2点目です。1平米当たり約5,000円、この電気料が妥当か分からないので、ほかの展示館も調べてみました。近いところで日立民俗博物館てす。日立のホームページで決算書を調べると、令和2年度は光熱水費として222万5,897円とありました。東海村は電気料です。項目のくくりが自治体ごとに違っていますので、電話で確認しました。日立市の光熱水費には電気、ガス、水道が含まれているとのことです。そのほとんどが電気料ということでした。
ただ、あまりにも少ない額なので、令和2年度はコロナの影響もあるのかと考え、決算書をさらに調べると、令和元年は311万7,762円、その1年前の平成30年は332万6,331円となっていました。延べ床面積は東海村の交流館2,836平米よりも32平米小さい2,804平米です。数年前に見に行った記憶ですが、ガラスケースに入っているものから民具や風流物の大きな山車、日立製作所にまつわるものがあり、充実していました。
1平米当たりを計算すると、もう一度言います。東海村の交流館が延べ床面積2,836平米で年間電気代が1,404万円、平米当たりで見ると4,950円、約5,000円です。同じような計算で日立市民俗博物館は約800円です。
建物の仕様も違い、また博物館によって管理が違うことは分かりますが、なぜこのような開きがあるのでしょう。どのようなことが考えられるか、以上2点お尋ねいたします。
教育部長 お答えいたします。
1点目の収蔵物につきましては、議員もご承知と存じますが、旧中央公民館に収蔵されておりました考古、民族、自然、歴史系の収蔵物、これを新しい交流館のほうへ24時間空調、あとは温度・湿度を一定に保つ収蔵庫に収納しているというところでございます。
2点目の日立市との比較でございますけれども、日立市の郷土資料館、電気使用料だけではなくて、電気料金の比較をされたということでございますが、類似施設とは思いますが、面積とか間取りとか部屋の体積、活動の内容、収蔵庫の種類、電力の契約単価等、様々な条件の下で整備されているものと捉えておりまして、施設ごとに違いが生じるのではないかと考えておりますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、交流館におきましては引き続き日常的な工夫を行うとともに、契約電力先を見直すなど電気料金の低減には努めてまいりたいと考えております。
◆ありがとうございます。いろいろ工夫されているし、これからも、もっと工夫していくというところでお答えいただきました。
ただ、今伺っていて、これまで中央公民館とか、はまざくとかにあったものが急に空調管理しなければいけないところに置かなければいけないのかなというところが、まだ疑問として残っているところはあります。
ちなみに、日立市を調べた後、ほかの展示館の電気料または光熱水費も分かりましたので、参考までに申し上げます。
土浦市立博物館です。文化庁からお墨つきをもらっている公開承認施設です。フルスペック施設という点では、東海村の交流館も同じではないかと思います。延べ床面積は、交流館より400平方メートル小さい2,482平米です。基本的には展示室は8時間空調、第3収蔵庫と第4収蔵庫が24時間空調、国の重要文化財を所蔵しています。重要文化財の展示を頻繁に行っているこの施設の電気料は、平米当たり約3,200円です。
土浦とほぼ同じ面積の古河市歴史博物館も公開承認施設です。光熱費1平米当たり2,400円です。また、交流館の約3倍の床面積の県立歴史館、こちらの光熱水費は約2,600円、ちなみに水戸市にある近代美術館は1万平米を超えていますが、光熱水費は1平米当たり約3,800円です。これは予算だったり決算だったりして、この金額が同一に比較できるかどうかはちょっといろいろありましたので、概略だけお話しさせていただきました。
それで、どの館も展示に加えて教育普及活動にも熱心に取り組まれているようです。数字をたくさん並べましたが、比較資料はこのほかにもあります。電気料で比べると、交流館の電気料は超一流の施設並み、それどころかそれ以上にかかっています。そのことを直視してください。
7月23日、開館式典の後、展示物を見ているときに、文化活動の功労に対する感謝状を授与された方が学芸員さんの方におっしゃっていることを、たまたま隣で耳にしました。「厳しいことを言う人の意見を大切にしないと、よいものはできない。業者の言うなりにつくっているから」云々と言われながら、移動していかれました。後ろのほうは、ちょっと離れて行かれたので聞けませんでした。
今回、私は議員として数字で疑問点を示しました。既に開館から4か月、担当職員は行政事務に加えて様々な事業に取り組まれていると先に答弁いただきました。担当職員それぞれは精いっぱい努力していると想像しますが、住民は交流館が住民にとって納得できる活動をしているか見ています。分からないことは専門家、特に厳しいことを言われる専門家にしっかりとアドバイスをもらって、よりよい方向へ進めてください。
以上です。次の質問に行きます。
◆3問目に入ります。
たんぽぽくらぶの状況から考える東海村の教育についてお尋ねいたします。
この質問は、教育現場の一つの部署における7万円ほどのとても小さな予算についてです。しかし、とても大切な質問であると考えております。よろしくお願いいたします。
1951年に制定された児童憲章に「全ての児童は就学の道を確保され、また十分に整った教育の施設を用意される」とあります。全ての子どもに学ぶ権利があるということです。しかし、学校へ行きたくても行けない、様々な理由で悩んでいる小中学生がいます。そのような子どもたちを支援する場所として、東海村には教育支援センターたんぽぽくらぶが設置されています。私が議員になりたての頃、このような施設の必要性について議会で取り上げ、設置に結びついた経緯もあります。これまで議場で何度か質問を取り上げてはきましたが、順調に運営されていることに安心してしまい、予算的に厳しい現状に陥っていることを知りませんでした。
資料の提出ありがとうございます。資料を見ると、通級生の数は20名前後とほぼ横ばいなのに、消耗品費は令和3年は年間で7万円です。平成29年は8万3,000円ありました。下がり続けています。役場全体でお財布のひもを締めていますので、いろいろな事業が減額されていることは承知しています。しかし、この7万円に含まれる消耗品、その消耗品の内容と数字に驚きました。
消耗品には、ちょっとした教材だけではなくて、台所洗剤からコロナ対策の消毒液、ティッシュ、ほかにラジカセや掃除機などの家電製品も含まれているようです。家電製品が壊れたら結構厳しいかなと思っていたのですが、その7万円の中にトナー代として5万円が消えるということを聞きました。残り2万円でいろいろなことをやりくりしていると。やりくりされていることに驚きました。手作りの教材でしのぎ、工夫していることは一見すばらしいことですが、問題はそこではありません。このようなたんぽぽくらぶの現状をどのようにお考えか、3つの視点でお尋ねいたします。
1点です。年間消耗品が僅か7万円ですが、どのように捉えていますか。
2点目です。各学校との連携はどのようになっているのでしょうか。
3点目、コロナ禍による影響はいかがでしたか。
以上3点お願いいたします。
教育長 お答えいたします。
初めに、教育支援センターの運営状況についてでございますが、ここ5年間、毎年20人程度の児童生徒が教育支援センターに通級しています。中学生の割合が多く、現在も約3分の2を占めております。1日5人から10人程度の児童生徒が時間を変えて通級しており、自分で計画した教科等の学習をはじめ、創作活動や植物栽培などの体験活動、村の総合体育館でのスポーツ活動、村立図書館での奉仕活動などを行っております。
教育支援センターには4人の相談員が在籍し、通級生の心の安定を図り、安心して生活することができる居場所にすることを第一に、一人ひとりのニーズに合わせた支援を行っております。
教育支援センターには限られた消耗品費を工夫しながら活用して運営を行っておりますが、来年度はさらなるニーズに応えて、活動の充実を図るために予算の増額を検討しているところです。
なお、施設の管理についても今後、改善を検討していきたいと考えております。
次に、学校との連携についてでございますが、学校と教育支援センターが定期的に話合いを持ち、通級児童生徒の登校や通級の状況、支援センターでの活動や学習の状況等について情報を共有するとともに、一人ひとりの今後の支援の方向性や学校の復帰に向けた支援について検討を行っております。
その中で教育支援センターで学習した内容が学校の教育活動に照らして適切であると判断できるものについては、その成果を評価にも反映しております。また、教育支援センターにおける指導や相談は児童生徒の社会的自立を目指すものであり、円滑な学校復帰が可能になる個別指導等の適切な支援を行っていることから、通級した日は学校長の判断により出席扱いとしております。
最後に、コロナ禍による影響についてでございますが、臨時休業以降の学校再開後、小学生につきましては、登校して学校中心の生活を送ることができるようになり、登校時刻や在校時間は様々ですが、コロナの影響を感じさせることなく、個々がそれぞれの目標に向けて学習等に励んでいるところです。
一方、中学生につきましては、コロナ禍の影響とは確認できておりませんが、通級生が増えている状況にあります。今後も生徒や保護者に寄り添いながら、個々のニーズに応じた支援を継続するとともに、特に進路に関する情報提供や相談については、学校と十分な連携を図りながら進めていきたいと考えております。
◆ご答弁から予算の拡充を検討されているということに安心しました。東海中、南中の消耗品費を生徒1人当たりで見ると、年間ざっくり計算すると約8,000円です。この数字を単純比較してよいのか分かりませんが、いずれにしても、たんぽぽくらぶでもしっかりと学ぶことができるような予算づけは必要と考えます。
再質問します。
教育長はたんぽぽくらぶに行かれたことはありますか。無神経に押しかけることは控えたほうがよいとは考えますが、通級生が学校へ足を向けたくするための一つとして、担任、そこには校長先生だったり、養護教員の方も含めて、そういう先生方とのつながり、親しみが必要であると考えます。学校の先生方との接点はどのように持たれているのでしょうか。お尋ねします。
教育長 お答えいたします。
学校に登校できない児童生徒の支援については、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があると考えております。
そこで、学校では学級担任をはじめ、学校関係者が児童生徒の状況によって頻度は異なるものの、家庭訪問による面談や電話・タブレットによる連絡等を行って、本人や保護者に対して学習相談や学校復帰、社会的自立に向けた適切な支援、働きかけを行っております。
また、教育支援センターでは先ほど答弁しましたような学校との連携を図っておりますが、通級生の多くが学校の集団生活の中での同調圧力や孤立にストレスや不安を感じていることから、それらを感じさせたり思い出させたりすることのないような配慮をしながら、安心して生活できる環境づくりに努める必要があると考え、学校関係者の訪問については慎重に判断し、対応しているところです。
◆今、教育長が言われた児童生徒の支援として学校に登校するという結果のみを目標にすることでないというところは、私も本当にそのように思いますので、これからもよろしくお導きいただけたらと思います。
次の質問は、村長のほうにお尋ねいたします。
村全体を動かす村長ですから、一つ一つの事業にまで細かく目配りをすることは大変です。だから、我々議員が村民の声を届ける役目を担っていると考え、質問させていただいております。学校教育と指導室の違いがあれ、真ん中にいるのは東海村の子どもです。宝物のように大切にしていかなければなりません。こちらにも教育立村としっかりと書いてあります。
教育への予算は、各現場が爪に火をともし、捻出しなければならないような予算づけではなく、しっかりと子どもの学びを支えられるような分配が求められます。将来に備えて財政調整基金に積み立てることも大切ではありますが、今を生きる、まさに今成長している子どもの教育費を削るべきではないと考えます。いかがでしょうか。
もう1点提案です。村長は、たんぽぽくらぶへ行かれたことがおありでしょうか。私は開館の頃には行ったんですけれども、図書館のほうから回っていくほうで、久しぶりに小雨の降る日に行ってみました。その時感じたことですが、学校へ行きづらくなった子どもたちが、もしかしたらやっとの思いで家を出て、たんぽぽくらぶの建屋まで行くことができたとしても、外階段で何となく暗い、重たい足を奮い立たせて来たものの、その一歩一歩上がっていくときの、小雨も降っていましたので、気持ちが重くなりそうと感じました。
例えば、たんぽぽくらぶの下のほう、中二階というのかな、浮いていますので、そこが障がい者の駐車場ですので、その障がい者の駐車場を少し前に出すとかして、1階を壁で囲み、指導員の方の机を置けば、そこで同じ1階のフロアで子どもを迎えることができます。そのあたりの工夫が必要と考えます。先ほど教育長の答弁にも、施設の管理について工夫の余地があるというご答弁いただきましたので、そのあたりいかがかと思います。ぜひ現場の指導員さんから状況をお聞きになってお考えいただけたらと考えますが、いかがでしょうか。
村長 私自身も教育は人づくりの原点だというふうに捉えておりますので、子どもたちの多様性を尊重して、子どもたちを誰一人取り残すことのない個別最適な学びと、あと社会とつながる共同的な学びを実現していくことが重要であると考えております。今後とも適正な予算措置には努めてまいりたいというふうに思います。
最後のご提案の件ですが、これは現場の方々が一番よくご存じだと思いますので、教育委員会のほうでその辺はよく検討していただいて、その提案内容を確認させていただくということで進めたいというふうに思います。
◆現場の声を聞いてくださるということでありがとうございます。
子どもには学ぶ権利があります。そして、子どもの教育の確保は大人の義務、つまり行政の義務です。弱いところへしわ寄せがいくような行政であってはならないと思います。
これで質問を終わります。