えりいつ だいすき東海村 クローバー通信

恵利いつの村議会報告

令和4年3月議会質問内容

◆光風会、恵利いつです。

 ロシアがウクライナに侵攻しました。緊迫した世界情勢の今、思うことは、ささやかな楽しみ、そして多少の浮き沈みがあっても、今の安心な生活がいかにありがたいかということです。ウクライナの人たちが早く安心して暮らせる日常に戻れることを祈っています。

 では、質問に入ります。

 1問目は、子どもたちの健やかな成長のためにオーガニック給食、つまり有機栽培の食材を使った給食の導入を求める質問です。

 農業に化学物質を大量に投入するようになって約70年、殺虫剤や化学肥料、除草剤が農家の大きな助けになっていることは確かなことです。また、農薬の改善もされています。しかし、最初は許可されていながら後に制限が厳しくなった農薬も数多くあると聞きます。

 数年前になりますが、皆さんもミツバチが激減しているというニュースをお聞きになったことがあると思います。ネオニコチノイド系農薬の散布によって、ミツバチが帰巣本能を失うと疑われていました。そこで、欧州、ヨーロッパですね、欧州食品安全機構では約4年の歳月をかけて慎重に検証を重ねました。その結果、ネオニコチノイド系農薬はEUでは使用禁止になるなど厳しい規制がかけられ、その後アメリカやカナダ、ブラジル、韓国等でも使用禁止などの厳しい規制がかけられています。そのような中、日本では規制を厳しくするのではなく、緩めていったのです。そして近年、ネオニコチノイド系農薬の使用に比例して発達障がいの子どもが急増しているとの報告があり、オーガニック給食の導入を求める声が上がっています。

 1点目の質問は、村内の教育現場における発達障がいと見られる児童生徒の状況はいかがでしょうか。

 2点目です。食生活において、学校給食は子どもの成長に大きなウエートを占めています。食生活は、まずは家庭の食事から気をつけていくのが当然とされるところですが、核家族化、共働き家庭などライフスタイルの変化、また格差社会、貧困問題などがあり、学校給食で健康維持できている子どもがいると言っても過言ではないと考えます。子どもの健康を守るため、給食において、さらなる安全を確保することが求められています。オーガニック給食の導入を進めるべきと私は考えますが、村の考えを伺います。

 3点目です。東海村では学校給食に地産地消を推進していることは、すばらしいことです。村内の生産者の協力あってのことです。そして、今後オーガニック給食を導入するときにも地元の生産者の協力が必要です。これまでの慣行農業から有機農業に戻すことは、口で言うほど簡単ではないと想像しますが、成功事例は既にあちらこちらにあります。

 農林水産省は、農業の生産力向上と持続性の両立を目指す緑の食料システム戦略を昨年5月に策定しました。それは、現在僅か0.5%程度の有機農業の耕地面積を2050年までに25%、100万ヘクタールに拡大することを目指すとするものです。後継者不足や高齢化が進む現状で、慣行栽培から転換することは課題も多いと考えますが、徐々にでも有機栽培への転換を進めることについていかがお考えでしょうか。

教育部長 お答えいたします。

 1点目のご質問の本村の教育現場における発達障がいの子どもの状況につきましては、プライバシーに関するものでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。

 続きまして、オーガニック給食の導入についてでございますが、本村の学校給食におきましては地産地消を推進し、東海村産や茨城県産の食材を使用し、安全・安心な給食を提供するよう努めております。給食にオーガニック食材を使用するためには、食材の安定的な確保や価格面など様々な課題がございます。保護者の方々に給食費をご負担いただき、限られた予算の中で運用している状況を踏まえますと、現段階においてはオーガニック給食の導入は難しいものと考えております。

産業部長 3点目につきまして産業部からお答えいたします。

 国におきましては、昨年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定しまして、持続可能な食料システムの構築に向け、中長期的な観点から調達、生産、加工、流通、消費の各段階の取組とカーボンニュートラル等の環境負荷軽減のイノベーションを推進しております。この戦略では、2050年までに目指す姿としまして、有機農業の取組面積の割合を25%に拡大することも取組方向の一つとされております。

 本村における有機農業の取組といたしましては、国・県・村の補助金を活用し、環境保全型農業直接支払交付金事業を実施しております。この取組は、農薬を一切使わない自然農法で栽培を行う農業者に対し支援を行っております。

 また、環境に優しい農産物栽培奨励補助事業といった県基準農薬の半分以下に抑える栽培方法で、県から特別栽培の承認を受けた生産者に対し、村が独自で補助している事業がございます。この補助制度を活用した農業者は13名おりまして、継続して特別栽培での農産物生産を行っております。

 いずれにしましても、有機農業の拡大に向けては必要な事業であることから、引き続きこれらの事業の推進に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

◆資料を用意しました。このグラフは、よく見えますかね。このグラフは文部科学省の調査です。そこに農薬について目印を入れました。こちらが1993年ですね。ネオニコチノイド系農薬の使用が始まりました。ここですね。そして、こちらがネオニコチノイド系大幅規制緩和されたところです。このピンクの線は、下のほうは言語障がいとか体の不自由な方たちの障がいというところで……。ごめんなさいね、見えないかな。後で文科省のホームページにありますから。このピンクの線から上を見ていただけたらいいと思います。ありがとうございました。

 ご覧のようにネオニコチノイド系農薬が広まるにつれて発達障がいなどの子どもが増えています。情緒障がい、さらに注意欠陥多動性障がい、学習障がい、自閉症の数字を取り出してみると、このピンクの線から上ですね、取り出してみると、ネオニコチノイド系農薬が使用されるようになった1993年、1,337人でした。2017年を比較すると50倍を超えています。さらに、一番最後の表の一番端の2019年、9万1,161人で、1,993年からの26年間で68倍に増えています。驚くばかりです。

 この状況に危機感を持ったお母さん方を中心とした茨城オーガニック給食プロジェクトというグループの活動が三、四か月前から始まりました。東海村には3月1日の午後、山田村長と伴教育長にオーガニック給食の導入について要望させていただきました。お時間を頂き、ありがとうございました。

 それより先の1月21日には茨城県大井川知事と茨城県教育長、小泉教育長に宛てたオーガニック給食の実現に向けての要望書を県民の署名とともに提出いたしました。その後の小野寺副知事、小泉教育長との意見交換では、子どもたちの健康を守ることが重要、有機農業、オーガニック給食に関しても県としても同じ方向性であるとの前向きな返答を頂きました。要望書提出を受け、茨城県では有機農業とオーガニック給食の推進に向けて動き始めたと聞いています。

 現在、東海村で地元食材を優先的に使うなど学校給食に力を入れていることは身土不二の考えからもすばらしいことです。一方、有機となると安定的な食材の確保や価格の課題がありますが、有機食材の導入を少しずつでも進めることは、子どもたちの食のさらなる安全確保につながります。

 質問は村長にお尋ねします。

 1点は、オーガニック給食を導入することは、子育て世代から「選ばれるまち」の魅力の一つになると考えますが、いかがでしょうか。

 2点目は、社会の変化や経済格差が広がっている状況を考えて、給食費の無償化を検討できないかお伺いします。

村長 お答えいたします。

 先ほど教育部長が答弁したとおり、オーガニック給食を導入にするに当たっても、当然地元の野菜等を活用すべきだと思っておりますので、村内において安定的に一定量の供給をしていただくことが課題であると考えております。

 また、オーガニック給食の提供が「選ばれるまち」の魅力になるのではということですが、本村はもともと自校方式の給食ですので、地産地消の推進も行って、さらにはアレルギー対応給食も積極的に行っていることから、十分に魅力ある給食提供をしているものと認識しております。

 なお、給食費の無償化についての考えですが、給食提供に係る食材の経費については、引き続き学校給食法に基づき原則保護者負担でと考えております。

◆今も本当にいい給食を提供していただいているところは異論はないところです。さらにというところですね。給食費は、文科省でも負担の軽減を図ることは可能であるとしています。現に東海村でも米飯給食に補助していると思います。平成29年度の調査で全国1,740自治体のうち76自治体で小中学校ともに無償化しているとのことです、もう既に。私は農業は素人ですが、子どもたちに少しでも体によいものを提供してあげたいという気持ちで有機食材に関心があります。今の若い人たちは、生活の質を求める傾向にあると聞きます。オーガニック給食の提供で、東海村がさらに魅力のあるまちになると考え、今回提案しました。

 有機栽培コーナーが、例えば「にじのなか」にそういう有機栽培野菜のコーナーが設けられると、赤ちゃんの離乳食にも安心して使ってもらえるではないかと考えます。先ほど飯村部長の答弁で、生産者のうち13人の方が既にこだわりの農業をされていることを伺って、有機栽培への転換は、それほどハードルが高くないのではないかなと希望が持てました。担当課には、ぜひ先進地を見て、実際に話を聞いていただきたいです。成功事例を村内の生産者と共有することで、有機栽培を志す人が増えてくるのではないかと考えます。

 そこで大きな役割、やはり村長の前向きな一言です。子どもたちのためにオーガニック給食の導入を目指す、目指しますと方向づけをしてもらえると、農家、とりわけこだわりの農業に取り組んでいる方々が、有機食材の有機栽培に挑戦してみようと思うのではないでしょうか。国においては、先ほども言いましたけれども、2050年までに25%の有機栽培取組面積を目指すとしております。今が0.5%足らずから考えると、農家の人すら驚くくらいのとんでもない高い目標のようです。国や県の支援制度もできると聞いています。オーガニック給食の導入は公共調達として有機栽培、作物の確実な販路となり、農家の育成にもつながります。

 村長にお尋ねします。生産者が元気が出るような前向きな答弁を期待します。お願いします。

村長 お答えします。

 オーガニック給食の導入というのを3月1日に要望を受けました。要望の趣旨は私も理解はします。ただ、現実的な課題もあるのも間違いありませんので、議員のご提案、まず給食からということなんですが、私からすると、多分給食だけでは生産者はこれ成り立たないわけです。一般的な消費のところで一定程度ニーズがあるということがやっぱり必要になってきて、それで多分、慣行栽培から有機栽培に転換するということになると思うんで、そういう意味で言うと、生産者の意識を変えるのには、まず消費者自身のそういうものを求めると、ニーズが出てくることが1つなので、それを持っていくのに最初は給食からというのが、給食を最初にして機運を上げていくというのは、ちょっと順番が違うのではないかなというふうに思っていますので、しっかり今、農業政策課のほうで村独自の特別栽培のほうにも補助金を出していますので、そういうことで本当にある程度そういう生産者のほうの環境が整ってきて、機が熟してくれは、それはおのずとそういう選択肢も出てくると思いますので、順番としては、まず生産者や消費者にこのオーガニックの必要性というものをきちんと理解してもらう。そういうところから始めていくことだというふうに思っています。

◆村長の考えとちょっと順番が私は違うんですね。やはり公共調達という販路がしっかりあるという、一気にはオーガニック給食、全部の学校で一気にというわけにはいかないでしょうから、よくあるのがお米とかから入っているとか、そういう感じなんですけれども、そろわなければ今週はこっち、来月はあっちとか、学校変わるのも一つの方法かなと思うんですけれども、やはり販路がしっかりしてないと、農家さんも挑戦しづらいのかなというところがあって、成功しているところは学校給食とオーガニック栽培というのがなんかこう並行していっていると、これは切り離せないというような感じのことをいすみ市の担当課の人かどなたかが、ちょっと勘違いだったらごめんなさい、おっしゃっていましたので、そこのところは村長がおっしゃるところも分かるところです。これからぜひ中で検討していただきたいと思います。

 昨年12月、小山市で開かれた全国菜の花サミットに参加して、幾つかの自治体の首長や関係者に話を伺うことができました。学校給食に有機オーガニック食材を使用する取組は、全国の自治体で確実に広がっています。国内では先ほど言いました千葉県いすみ市や木更津市、愛媛県今治市、石川県羽咋市、読み方難しいですね、羽咋市、東京都武蔵野市などですが、既に有機食材の学校給食を提供する、そういうところが、そういう提供する取組を開始しています。

 そして、県内でも幾つかの自治体の首長さんが高い関心を持っておられます。不交付団体のお金持ちの東海村です。ぜひ先陣を切っていただきたいと思います。

 次の質問に入ります。

◆令和4年度、休止となる家庭菜園事業の今後の見通しについてお尋ねします。

 家庭菜園管理運営事業は、畑作りを楽しめるほどの土地を持たない住民が趣味を生かし、生産の楽しみと収穫の喜びを体験できる事業と考えます。加えて、畑を耕すことによる健康増進やコロナ禍であっても、野外で作業するので感染リスクも少なく、交流もできます。また、高齢化等により耕作できなくなった農地を維持管理できるなどメリットの多い事業であると考えます。来年度から休止事業となることに利用者からは継続を望む声が届いています。休止となった経緯と今後の取組について伺います。加えて、耕作放棄地の活用を積極的に進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

産業部長 お答えいたします。

 1点目の家庭菜園管理運営事業が休止となった経緯につきましては、村内の家庭菜園が主に市街化区域内の陸田に点在しており、徐々にアパートが建設されるなど宅地化されたことが大きな要因でございます。このことにより、新たな家庭菜園設置組合員や区画の確保等につきましても課題が生じまして、令和元年度に村と家庭菜園設置組合で協議を行いまして、令和2年度をもって家庭菜園の貸出しを一旦休止することといたしました。これによりまして、令和2年と3年に村広報紙等で家庭菜園の管理や耕作指導、使用額の徴収ができる地権者を広く募集しましたが、問合せはあったものの開設までには至りませんでした。

 今後も村公式ホームページ等により、地権者の募集を継続して行ってまいりたいと考えております。

 2点目の耕作放棄地の活用についてでございますが、現在の耕作放棄地は樹木が繁茂するほどのものもありまして、開墾には大きな労力と土づくりに大変な手間暇がかかるものと思われます。すぐにでも利用できる健全な畑は、認定農業者をはじめとするほしいも生産のためのサツマイモ畑として利用されておりまして、ほとんど空きがないのが現状でございます。

 以上でございます。

◆ほしいも、本当に今、人気ですので、そういうところに畑が活用されているのかなということが分かりました。そういうことで、なかなか家庭菜園に適した土地が見つからないことが分かりました。

 例えば希望者が出たときには、耕作放棄した土地のことなどが地元だとよく分かるかもしれないので、そういう地元自治会に話をつなぐとか、そういう形にしてやると家庭菜園の復活につながりやすいのかもしれません。

 また、畑を行政が所有することはできないようですが、小さな農事公園として所有することはできないものかと考えます。提案しておきます。家庭菜園のような小さいところからでも有機栽培が広がればよいと思います。

 次の質問に移ります。

◆3問目は、清掃センターのこれからの活用について伺います。

 清掃センターごみ処理施設は1991年、建設から約30年が経過、そして広域化に伴い、ごみ焼却炉が使用されなくなって10年経過しました。白色と青色に塗られた煙突は、今は堅牢に見えますが、いずれ劣化していきます。公共施設を管理する中で、どのような見通しを立てているのか伺います。

村民生活部長 お答えします。

 清掃センターの建物につきましては、平成4年の竣工以来30年が経過しております。現状としましては、村内で発生する資源物や燃えないごみ、粗大ごみの選別や中間処理を行うリサイクル処理として活用しており、焼却設備につきましては、平成24年5月のひたちなか東海クリーンセンターの竣工以来、使用してない状態となっております。

 清掃センター施設の今後の見通しということでございますが、これにつきましては村の公共建築物長寿命化保全計画の中の個別施設計画等に基づき管理を進めてまいりたいと考えております。直近では、清掃センターに隣接する旧リサイクルプラザにつきまして、耐震性に問題があると判断されたために解体を行うことを予定しております。とりわけご心配いただいております煙突部分につきましては、将来、建物本体の解体を行う際に同時に解体することを想定してはおりますが、日常点検や診断等により劣化の度合いを判定しながら、状況に応じて先行して解体することも検討してまいりたいと考えております。

◆煙突については劣化の度合いを判断しながら状況に応じて対応するとのお考え、分かりました。

 再質問は、旧リサイクルプラザ解体についてです。解体費用が約5,000万円と聞きました。鉄筋コンクリートなので木造を壊すより高いことは分かりますが、どのような工事になるのでしょうか。

村民生活部長 お答えします。

 旧リサイクルプラザの施設につきましては、老朽化に加え東日本大震災の影響などを受け、耐震強度不足により利用者の安全が確保できないことが判明したことから、令和4年度に解体工事を行うことを予定させていただいております。

 解体費用につきましては、専門の設計業者に委託をして積算を行っておりますが、昭和53年に竣工した古い施設であり、事前調査の結果、建材の一部にアスベストやPCBなど人体に有害な物質が使用されていることが分かったために、解体作業中に作業員及び周辺環境に悪影響を及ばさないための安全対策や適正な処分を行うための費用を含んだ金額を予算要求させていただいておりますので、ご理解をいただきたいと思います。

◆解体ですけれども、近くに東海病院とか村松小学校がありますので、有害物質の飛散防止などしっかり対策をお願いいたします。

 質問です。リサイクルに関する啓発が不足しているのか、ここ数年、住民の意識が低くなっているように感じます。これは感じですね。リサイクル事業の現状をどのように評価しますか。また、今後の取組について伺います。

村民生活部長 お答えします。

 村のリサイクル事業につきましては、村内の皆さんのご協力を頂きながら、16品目の資源物の回収を行っており、令和2年度の実績でございますと23.2%のリサイクル率となっております。このリサイクル率につきましては、茨城県の平均値と比較して決して悪い値ではありませんが、ここ数年は低下している傾向でございます。この点につきましては、現在見直しを行っております東海村一般廃棄物処理基本計画におきまして新たな数値目標を設定しながら、村内から排出されるごみの総量を減らす取組等を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどお願いしたいと思います。

◆東海村では23.2%のリサイクル率ということですが、徳島県上勝町、ここは高齢者の葉っぱビジネスで有名なところですが、その上勝町ではゼロ・ウェイストタウン計画を立て、2003年から2020年までにごみを出さないリサイクル率100%を目指したところ、結果として80%以上達成したということです。今は2030年までに100%に挑戦中とのことです。SDGs達成のためにどの自治体も上勝町の努力をお手本にしなければならないと思います。

 4問目に入ります。

◆広域避難計画策定についてです。

 ウクライナ南東部のザポリージャ原発をロシアが攻撃したとする映像に誰もが震撼したと思います。狂気の沙汰としか思えません。もし東海第二原発に西のほうからミサイルが飛んできたらどうなるのだろうと背筋がぞっとしました。

 さて、質問ですが、************

 昨年6月議会で広域避難計画策定の到達点と避難完了について質問があった際に、国や関係自治体、機関等において共通理解が図られているわけではないとの答弁でした。その後、国や県、関係機関等との共通理解が持てたのでしょうか。避難や避難完了の定義が曖昧なままで計画策定では混乱を招くと考えます。

 そして、広域避難計画は3・11フクシマを教訓とする……

〔「議長」と呼ぶ者あり〕

笹嶋士郎議員 ただいまの恵利議員から原子力特別委員会について云々の発言がありました。その中で議員それぞれの物差しが違う、そういう議論をしていると間違った判断を招きかねないというふうに言っております。これは、議員個人の考え方の違いは、これは誰もあると思います、十人十色と言うように。それと同時に、個人の考えを否定するもので、その考えを持っている議員の皆さんに対する侮辱にもなるのかなというふうに思います。私は看過できないので、発言の削除と議員各位に対しての謝罪を求めたいと思います。

議長 ただいま笹嶋議員から恵利議員の発言について、発言訂正の動議がありました。

 この動議を議題にするためには、東海村議会会議規則第16条の規定により、ほか1名以上の賛成が必要です。

 笹嶋議員の動議に賛成の方の挙手を求めます。

〔挙手多数〕

 挙手多数によって、動議は成立いたしました。

 今、恵利議員の質問の途中ですので、質問が終わり次第、議会運営委員会を開きます。よろしいですか。

 それでは、恵利議員どうぞ続けてください。

◆今、物差しが違うというのは、それぞれの基準が違っては困るかなという思いで言ったことですので……

議長 恵利議員、それは後からお願いします。

◆分かりました。そして、広域避難計画は3・11フクシマを教訓にした実効性のあるものでなければならないと考えますが、いかがですかという質問です。

村民生活部長 お答えします。

 ご質問の広域避難計画における避難の定義に関してでございますが、昨年6月の議会での越智議員からの質問に対し答弁しました内容、状況は変わっておらず、避難の完了につきましては、今も国や関係自治体、関係機関等において共通理解が図られているわけではないと認識しております。

 なお、避難については昨年の答弁の繰り返しになりますが、国の原子力災害対策指針において住民等が一定量以上の被ばくを受ける可能性がある場合に取るべき防護措置であり、放射性物質または放射線の放出源から離れることにより、被ばくの低減を図るものである。また、避難は空間放射線量率等が高い、または高くなるおそれのある地点から速やかに離れるため、緊急で実施するものでありと規定されてございます。

 続いて、広域避難計画の実効性に関する本村の考え方でございますが、その確認、向上や検証等に向けては広域的な対応、調整等が求められる事案として、関係省庁や茨城県と連携しての大規模広域的な訓練をはじめ避難のための車両の確保や交通規制、避難所生活への人的・物的支援、室内環境確保、感染症対策などを挙げているところであり、本村としては訓練等を通して国、茨城県、避難先自治体、関係機関との連携・協力に向けた経験蓄積、練度向上、広域避難に関する住民理解の普及促進などを通して計画の実効性確認、向上に継続的に取り組むとしております。

◆答弁ありがとうございます。福島の教訓をしっかりと反映した上で、さらにコロナ禍を経験したことにより、今現在も大変苦労しながら検討されていることが分かりました。

 質問ですが、避難完了に関しては、全ての村民がPAZから退避したときなのか、避難先、親戚宅とか友人宅とかあると思いますけれども、到着したときなのか、様々な考えがあります。ここが共通理解、物差しというところかなと思うんですけれども、国・県、関係機関と共通認識というか共通理解を持った方がよいのではないでしょうか。いかがでしょうか。

村民生活部長 お答えします。

 広域避難に際しての避難完了に係る共通理解に関しましては、昨年6月の議会でもお答えしたとおり、それが整理されていくことで、PAZ・UPZ内外における原子力災害時の避難行動など、主に原子力防災に関する住民理解促進にもつながっていくものと期待するところではありますが、一方で原子力災害への対応の側面から見た場合、政府、関係省庁、自治体、警察、消防、自衛隊、その他防災関係機関、事業者等が一体となって最善の策を講じていくことが必要であり、ゆえにそれぞれの立場、役割、目的、手法、法的権限等に基づく措置などの観点では異なってくるところがあるものと推察しますので、早々にご質問の共通理解に係る成果を得ることは難しいものと考えております。

◆共通理解がない中で万が一の時に情報が錯綜しないか心配が残りますが、そのあたりも含め地域原子力防災協議会というそれぐらい上のほうでまとめていくのかなと考えるに至りました。

 村長にお尋ねします。住民請願を受けて進められている原子力問題調査特別委員会の中で広域避難計画が策定されていないことを住民は不安に思っている、まず策定し、ブラッシュアップしていけばよいとする意見があります。しかし、住民の不安はいざというときに本当に安全に避難できるかどうか、そこにあると思います。課題を残したまま拙速に策定したと住民が思ったとき、避難計画への信頼が低くなると考えます。広域避難計画策定に対する村長のお考えを改めて伺います。

村長 お答えします。

 広域避難計画策定に向けては、国の緊急時対応の取りまとめの中で最終的に整理される課題もあるというふうに思っていますので、特に広域的な対応、調整等を求める課題ですね、こういうものについて残されていると思っていますが、これまでも継続的に実効性の確認向上への取組には取り組んできておりますので、所信で述べましたとおり、国や県、関係自治体と連携した避難訓練の実施などにより、引き続き必要な検証は行ってまいりたいと考えております。

◆避難計画を早くつくってほしいという請願が原特委員会で採択されました。そのことで担当部署がプレッシャーを感じているのではないかと危惧しましたが、必要な検証をしていくとの姿勢に安心しました。

 また、昨日の質問に村長は避難計画の具体的内容を住民が理解し、スムーズな避難ができるよう丁寧な説明が必要と、そのようなメモなので正確かどうか分かりませんけれども、答弁されました。私もその住民への丁寧な説明は本当に大切と思います。

 次の質問に移ってよろしいですか。

◆最後の質問です。再生可能エネルギー導入促進事業についてお尋ねします。

 産業革命以来、人類は化石燃料から大きなエネルギーを得て文明を発展させてきました。しかし、その恩恵が今では温室効果ガスとして気候変動という危機的問題となっています。例えばこれまで温室効果ガスをほとんど排出していない南太平洋の島々で生活していた人の中には、海面上昇により生まれ育った島が水没してしまった人たち、マパと呼ばれる人たちがいます。まだあまり聞かない言葉です。最も影響を受けている人と地域ということです。発音は悪いですけれども、モスト・アフェクティッド・ピープル・アンド・エリアスの略です。私たちが暑さ知らず、寒さ知らずの快適な生活を送っているその延長線上に、生活の場を失っている人たちがいるのです。ぜひ心に止めておいてください。

 そのような中、世界規模で再生可能エネルギーへの早急な転換が求められています。SDGsでも再生可能エネルギーの割合を拡大することが挙げられています。再生可能エネルギーの導入と促進について改めて考えを伺います。

村民生活部長 お答えします。

 気候変動問題は世界的にも重要な課題であり、2015年に国連気候変動枠組条約締結国会議、COP21において採択されたパリ協定を機に、温室効果ガス削減の取組は世界中で加速しております。

 国においても脱炭素への取組を明確化し、これにより国内の地域脱炭素の動きはますます活発化していくものと思われます。このような背景の中、村といたしましては、脱炭素への取組として令和4年度より再生可能エネルギー導入促進事業を進めていきたいと考えております。これは、温室効果ガス削減には再生可能エネルギーの導入と促進が有効な手段の一つであると考えられることから、村としての率先行動として公共施設の省エネルギー化を図っていくための事業でありまして、電気使用量や建屋、敷地の立地などの条件により、対象施設を設定し、導入の可能性調査を実施した上で設備導入を考えてまいります。

◆カーボンニュートラル政策については、村の政策ですね、何か一貫性がなくて、質問していても、むなしくなることがあります。裏返せば期待しているからです。所信表明でも、公共施設への再エネの導入については最大限の設備導入を考えていく、先ほどの答弁の中でも率先行動として公共施設の省エネルギー化を図っていく、同じようなフレーズが並びますが、言葉だけに聞こえてしまいます。例えば、昨年オープンした公共施設ですが、屋根の向きを少し変えれば、かなりの発電ができたのではないでしょうか。

 そこで質問は、公共施設の建物建設や、新たな建設や改修時には再生可能エネルギーの導入はじめ環境に配慮した設備とすることが重要であると考えますが、そのような点について庁内では協議されているのか伺います。

佐藤秀昭村民生活部長 お答えします。

 公共工事や催事など一定規模以上の公共事業実施時には、環境配慮システムの中で事業実施による環境影響について庁内での協議や事業の実施状況の確認などを行っております。この環境配慮システムは、事業実施における環境負荷の低減を図ることを目的としており、その中では再生可能エネルギーの導入、検討を含む配慮すべき具体的な取組を環境要素ごとにまとめた環境配慮指針を定めております。

 公共事業の実施時は、この環境配慮指針に基づく取組の範囲について検討を行いますが、これは取組事項を全て反映しなければならないということではなく、環境への配慮を広く検討することにより、公共事業が与える環境負荷の低減が図られていくものと考えております。

◆環境への配慮を広く検討しているということは分かりました。ただ、関係部署がどれだけ知恵を絞り、風通しよく検討できるかがポイントです。10年以上前のことですが、議員になって1期目、1回だけ海外視察がありました。印象に残っている一つは、ドイツのフライブルク市の環境政策です。そのフライブルク市で2017年、新しい市役所を建設したとき、可動式の太陽光発電システムを庁舎側面の窓全体に取りつけたと聞きました。まさに再生可能エネルギーを最大限導入するための工夫です。環境都市として揺るぎない方針、哲学を感じました。

 村の環境政策は、これまではもしかすると地味な分野だったかもしれません。しかし、気候変動対策は地球規模で待ったなしです。だからこそ首長の確固たる信念に基づくリーダーシップが必要と考えます。期待しております。よろしくお願いします。

 これで質問終わります。